• “ブラック企業”は、こう見抜け!(3) ウェブの公開情報編

     ブラック企業の見分け方を紹介するシリーズの3回目は、ウェブ上の公開情報からブラック企業を見抜く方法を紹介していこう。

     最初に、企業が自社のホームページや求人広告などで発信する情報は、すべて自分たちにとって都合のよい「大本営発表」であるということだ。このことを忘れてはならない。

     いくら労働条件が悪く、低賃金でハードワークの会社でも、まさか「当社はブラック企業です」とは言わないはずだからだ。

     そこで、いかにして情報の真贋を見抜くかがカギとなる。幸いにもウェブ上には、自社がコントロールできないところに肝心の情報が転がっている。そのポイントは3つある。

     最初のポイントはこれだ。
     

     ポイント(1) 企業ホームページが稚拙であ

     これは社員の能力レベルが低い可能性があることを示している。

     IT化が進展した現在で、ホームページは企業の顔といえるだろう。しかし、肝心の顔をきちんと管理できていないのは、それがまずいことと気付く社員がいない、いたとしても金銭的、社内組織の問題などの理由で改善できないと考えられる。具体的には以下のような項目をチェックしてほしい。

     「デザインが全体的にダサく、イケてない」
     「誤字・脱字がある」
     「文章が文法的におかしい」
     「最終更新から時間がたっている」
     「すでに終了したイベントやセミナーなどの案内を載せている」
     「見にくい、使いにくい」
     「会社概要や業務内容をみても、何の会社かよくわからない」

     これらの点が複数当てはまる会社には注意が必要だ。


    若手アピールの会社は要注意!

     次のポイントは以下のようなものだ。
     

     ポイント(2) 「20代中心の若い会社」を自慢する

     これはマネジメントが未熟な可能性がある。

     IT系のベンチャー企業などでは、「経営者も役員も若手」「社員は20代中心」などと、フレッシュさをアピールする例がみられる。

     もちろん、パワーと志にあふれる若者が時代を切り拓いていく例はある。しかし、経営陣や商材によほどの強みがある場合を除けば、一般的には「若さだけがウリ」の会社は要注意だ。

     というのも、マネジメントを仕切る人物の人生経験が足りないほど、社内の管理体制も未熟になってしまうからだ。

     ビジネス上、どんなトラブルがどんなタイミングで起こり得るのか。それらに対してどのように対処していけばいいのか。

     こうした判断や対処が後手にまわってしまうことで、会社そのものの存亡にもなりかねない。若手だけしかいない会社は「無謀」と言い切ってもよいだろう。

     営業や管理部門には十分な経験を積んだ、30代半ば以降くらいの人材が配置されているか、少なくとも社外役員や顧問などの形で事業にタッチし、彼らの知恵や人脈を借りられる状態になっていることが望ましい。若手だけの会社より、よほど経済的かつ効率的であるといえるだろう。


    ブラック企業を避けるには“ひと手間”が重要

     ポイント(3) ネット上で「ブラック」の噂がたっている

     これが最後のポイントだ。このことは不満を持った社員が多くいる可能性を示している。

     検索サイトで社名を入力すると、その会社のホームページ以外にもいろいろな候補が出てくるのは、ご存じのとおりだ。

     その場合、通常は、その会社が出している商品やサービスについての記事などが掲載されている。しかしブラック企業の場合、1ページ目のトップ下、つまり、自社サイトの直下のあたりからブラックな噂の検索結果が出てくることがある。

     また、検索サイトの機能によっては、検索結果画面の上部に「他のキーワード」として、合わせてよく検索されているキーワードの組み合わせが出てくる。

     その中に「噂」「評判」「2ch」、わかりやすいところで「ブラック」「苦情」「詐欺」といったワードが表示された場合には、なんらかの理由があって、問題だと認識している人が多いことの現れなのだ。

     実際にはどのような表示になるのだろうか。具体例を示すと以下のようになる。

     こうして見ると一目瞭然だろう。このようにネットでの検索といった「ほんのひと手間」をかけるだけで、ブラック企業に入社してしまい、「こんなはずじゃなかった!」という後悔を避けることができる。大事な自分の人生を棒に振らないためにも、ぜひ手間を惜しまないでほしい。

    (新田龍・ブラック企業アナリスト)

     

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