• ゴールドマン・サックス、グーグル…… 超難問「入社試験」あなたは解ける?

     日本経団連の倫理憲章に束縛されず、独自の採用活動を展開する外資系企業。我が道を行くスタイルは、採用試験にも現れている。

     「学生時代に頑張ったことは何ですか?」「テニスサークルの副部長として…」などという、日本企業がみなやっているママゴトのような間抜けな面接はしない。

     自社に必要なスキルや思考能力を見極めるために、プロフェッショナルな「入り口」を設け、それをクリアしてきた人だけを迎え入れる。

     果たして優秀な人材が激しい競争を繰り広げる超人気企業は、どんな入社試験を出しているのか。あなたも力試しをしてみよう。なお、以下はネタバレを含むので、答えを知りたくない人は慎重に読んでいただきたい。

     ゴールドマン・サックスは自社のホームページで採用活動の内容を公開し、そこに「こんな問題を解ける学生が欲しい」と、例題を示している。

     “あなたが旅をしていると2つの扉が現れ、それぞれの扉の前にライオンが1頭ずついた。傍らの立て札には、こう書かれています。 『片方の扉はあなたを新しい世界へ導くが、もう一方の扉は、過去へ逆戻りする。2頭のライオンは「はい」か「いいえ」でしか答えられない。1頭は真実しか語らず、もう片方は嘘しか語らない』  あなたはどちらのライオンに何と質問をすれば、新しい世界へ行けるか。ただし、質問できるのは1度だけである”

     さて、お分かりになっただろうか。正解は、どちらか片方のライオンに、こう問えばいいのだ。

     「ライオンよ、おまえは『こちらが新しい世界への扉か?』と聞かれたら、『はい』と答えるか?」

     「はいと答えるか?」とされているのがポイント

     なぜなら、真実を語るライオンであれ、嘘しか語らないライオンであれ、新しい世界への扉の前にいれば、「はい」と答えるし、逆戻りする扉の前にいれば「いいえ」と答えるからだ。

     これは、「新世界への扉の前に、真実を語るライオンがいる」「新世界への扉の前に、嘘を語るライオンがいる」「逆戻りする扉の前に、真実を語るライオンがいる」「逆戻りする扉の前に、真実を語るライオンがいる」の4パターンについて考えれば、いずれもそうなることがはっきりする。

     ライオンがもし「はい」と答えれば、そのまま進めばいい。「いいえ」ならばもう片方の扉を開ければいい。ポイントは「こちらが新しい世界への扉か?」と尋ねるのではなく、「はいと答えるか?」とされている点だ。

     グーグルの入社試験は難問で知られ、竹内薫編『googleの入社試験』という書籍まで出ている。この本の最初に出てくる有名な問題がこれだ。ちなみにLevel1の平易な内容である。

     “1台のスクールバスの中に、ゴルフボールは何個入るか?”

     グーグルのこの問題のように、実際に調査をすることが難しいような量をざっくりと概算することを「フェルミ推定」という。いくつかの手がかりによって、論理的におおまかな量を見積もるわけだ。

     グーグル「ゴルフボール」試験のポイントは「充填率」

     スクールバスの大きさを、縦と横が2.5m、奥行きが10mとすると、容積は、2.5×2.5×10=62.5、ゴルフボールの半径をrとすると、1個の容積の公式は、4/3×r×r×r×πとなる。

     ところで、球をもっとも密に充填する構造は、結晶学の知識から「面心立方構造」であり、その充填率は0.74であることが知られている。だから、62.5×0.74/(4/3×0.02×0.02×0.02×π)を計算すると、答えは138万個となる。

     さらに、バスの容積の4分の1程度がエンジンや座席などであると考えて、「ゴルフボールは約100万個」としても正解となる。

     国内の企業にも、隠れた超難問入社問題がある。静岡県浜松市のソフトウェア会社「エリジオン」は、3次元処理を得意とする独立系ベンチャー企業で、約70人いる社員の半数が東大卒だという。ニュース雑誌「AERA」が紹介した同社の試験問題がこれだ。

     “正四面体を、体積の等しい4個の四面体に分割する方法は何通りあるか?”

     この問題について、AERAの記事では解答は示されていない。そこで数学者らの説明によって、正解を見ていく。

     解答としては、もとの正四面体を別の角度から見たときに同じ分割に見える分割方法を、同じ解と見るか別の解と見るかで、答えは違ってくる。

     別の解と見る場合は、分割方法の正解は「1024 通り」だ。意外と多いと感じるだろう。つまりは、それほどの難問だ。

     この答えをきちんと得るには、すべての分割パターンを逐次的に潰していくしかなく、図を描きながら解き進めれば普通のレポート用紙で10枚近い長さになる。したがって残念ながら、その詳細は省略するしかない。

     

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