「枕営業」された人は、必ず商品を「買わなければならない」のか? 2013年11月1日 仕事のエコノミクス ツイート 人気タレントのマツコ・デラックスが司会のTBSの新番組「マツコの日本ボカシ話」が、放送1回で休止することになった。 さまざまな業界の関係者の顔にボカシを入れ、業界の裏話を語ってもらうという企画だったが、TBS側は休止の理由を「証言者のボカシは必要最低限にする」という社内規定に抵触するおそれがあったからとしている。 問題となった第1回の放送は、生命保険会社の営業を名乗る女性が、性的な関係と引き換えに保険商品を買ってもらう「枕営業」の存在を証言するものだった。 (最新の記事はこちら) 「買うのやめた」と翻されても、法的に罰することは難しい この内容に対し、視聴者から「全面ボカシでは信ぴょう性が低すぎる」などと指摘があったという。有力スポンサーである生保業界からも苦情があったらしい。 枕営業の存在の真偽は分からないが、このような営業手法にはどんな問題があるのだろうか。職場の法律問題に詳しい弁護士に聞いてみたところ、当然ながら嫌がる部下に上司が強要するのは許されず、損害賠償が認められることもあるという。 ただし、「個人の性的自由」があり、本人が自主的に考えてやるものまでは違法とは言い切れない。とはいえ「公序良俗違反の問題がないとはいえません」という。そういう淫らな手法は倫理的に問題があり、契約自体が無効になるおそれがあるということだ。 ということは、性的関係を持ったあとに「やっぱり買うのやめた」と約束を翻されても、そのことを理由に法的に罰することは難しいということになる。性的な関係の提供を受けた人が商品を買うのは自由だが、営業した側は法的に強制できない。 「○○してあげるから商品を買って」というときには、それが善良な風俗に反していないか立ち止まってみないと、「やらずぼったくり」にされてしまうので注意が必要だ。 (最新の記事は twitter.com/kigyo_insiderへ)
「枕営業」された人は、必ず商品を「買わなければならない」のか?
人気タレントのマツコ・デラックスが司会のTBSの新番組「マツコの日本ボカシ話」が、放送1回で休止することになった。
さまざまな業界の関係者の顔にボカシを入れ、業界の裏話を語ってもらうという企画だったが、TBS側は休止の理由を「証言者のボカシは必要最低限にする」という社内規定に抵触するおそれがあったからとしている。
問題となった第1回の放送は、生命保険会社の営業を名乗る女性が、性的な関係と引き換えに保険商品を買ってもらう「枕営業」の存在を証言するものだった。
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「買うのやめた」と翻されても、法的に罰することは難しい
この内容に対し、視聴者から「全面ボカシでは信ぴょう性が低すぎる」などと指摘があったという。有力スポンサーである生保業界からも苦情があったらしい。
枕営業の存在の真偽は分からないが、このような営業手法にはどんな問題があるのだろうか。職場の法律問題に詳しい弁護士に聞いてみたところ、当然ながら嫌がる部下に上司が強要するのは許されず、損害賠償が認められることもあるという。
ただし、「個人の性的自由」があり、本人が自主的に考えてやるものまでは違法とは言い切れない。とはいえ「公序良俗違反の問題がないとはいえません」という。そういう淫らな手法は倫理的に問題があり、契約自体が無効になるおそれがあるということだ。
ということは、性的関係を持ったあとに「やっぱり買うのやめた」と約束を翻されても、そのことを理由に法的に罰することは難しいということになる。性的な関係の提供を受けた人が商品を買うのは自由だが、営業した側は法的に強制できない。
「○○してあげるから商品を買って」というときには、それが善良な風俗に反していないか立ち止まってみないと、「やらずぼったくり」にされてしまうので注意が必要だ。
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