プア充なんて「正直甘すぎ」 “リアルプア層”からの猛反論! 2013年11月9日 仕事のエコノミクス ツイート 「ワーキング・プア」や「リア充」という言葉が生まれて久しいが、今度は「プア充」という新ワードが登場した。 「プア充」とは、高収入や出世を望まず、限られた収入の中で自分の生活を充実させている人のこと。宗教学者の島田裕巳氏が著書『プア充 -高収入は、要らない-』で提唱している。 年収300万でも幸せに暮らす「プア充」 今の時代、たとえ正社員で働いていても昇給・出世するにはプライベートの時間を削り、身を粉にして働くことが求められる。また、出世したとしても仕事量が増えるばかりで、仕事がラクになるわけではない。 ところが、周りを見渡せば100円ショップや格安ネット通販がそろっており、買い物には事欠かない。安い牛丼屋もファミレスもあるし、格安ワインや第3のビールで“宅飲み”することもできる。 ならばあえて高収入を目指さず、年収300万円ほどでもプライベートを大切にしながら幸せに暮らそうではないか…というのがプア充の考え方だ。 これに対して、実際のプアな人々「リアルプア層」はどのように考えているのだろうか。 「低収入でもいいなんてありえない」 と語るのは、卸売業の営業職を勤めるAさん(20代後半・男性)。年収は270万円ほどで、まさにプア充生活を送るのに“どんぴしゃ”な層だが…。 「やはり老後を考えれば、もっと昇給しないと不安です。突然の病気や事故もあるかもしれないし、長男なので親の介護にも備えないといけない。来年から増税も始まるし、もっと安心できるだけの収入がほしいです」 (最新記事はこちら) バイト店員が吠える「本当の不安定さを味わってみろ!」 月々の収入から家賃や食費、光熱費などを引いていくと、自由になるお金はひと月に数万円程度。「微々たる金額しか貯金できない」という。 「特に不安なのは出産・育児。彼女も僕と同じくらいの収入なので、共働きでも世帯年収はギリギリ500万円くらい。『限られた収入でも幸せになれる』なんて言われても、ただの気休めにしかならないです」 内閣府の「インターネットによる子育て費用に関する調査(平成21年度)」によると、学校教育費や食費などを含めた年間の子育て費用は、幼稚園で約120万円、小学生で約110万円、中学生で約150万円とされている。確かにAさんの年収だと余裕はなさそうだ。 「プア充なんて俺から見たら十分“リア充”ですよ!」という批判もあった。 Bさん(20代前半・男性)は就活に失敗し、コンビニのバイト店員を続けている。時給は約1000円、年収は200万円ほどで、年金や保険料も支払っているので毎日が節約生活だ。 「結局、プア充なんて言っても、正社員で会社勤めして年収300~400万は稼いでいるわけでしょ。それで『貧しいけど幸せ』とか、正直甘すぎ! 一度、バイト勤務の不安定さを味わってみろと言いたいですね。『高収入はいらない』とか言ってられなくなるから」 非正規雇用者は常にクビの不安におびえながら、ごく限られた福利厚生のもとで深夜まで働いている。いつまで働けるかわからないような毎日では、とても充実した生活は送れないだろう。 「そもそもプア充が100円ショップや牛丼屋を利用して楽しく暮らしていけるのは、俺たちみたいな低賃金で働くアルバイトがいるから。本物のプア層より圧倒的に勝ち組なわけだから、どこがプアなんだよって感じです」 現在、Bさんは休日をやりくりして正社員の採用試験も受けている。「早く正社員にならないとヤバい」という危機感があるからだ。 (最新の記事は @kigyo_insiderへ)
プア充なんて「正直甘すぎ」 “リアルプア層”からの猛反論!
「ワーキング・プア」や「リア充」という言葉が生まれて久しいが、今度は「プア充」という新ワードが登場した。
「プア充」とは、高収入や出世を望まず、限られた収入の中で自分の生活を充実させている人のこと。宗教学者の島田裕巳氏が著書『プア充 -高収入は、要らない-』で提唱している。
年収300万でも幸せに暮らす「プア充」
今の時代、たとえ正社員で働いていても昇給・出世するにはプライベートの時間を削り、身を粉にして働くことが求められる。また、出世したとしても仕事量が増えるばかりで、仕事がラクになるわけではない。
ところが、周りを見渡せば100円ショップや格安ネット通販がそろっており、買い物には事欠かない。安い牛丼屋もファミレスもあるし、格安ワインや第3のビールで“宅飲み”することもできる。
ならばあえて高収入を目指さず、年収300万円ほどでもプライベートを大切にしながら幸せに暮らそうではないか…というのがプア充の考え方だ。
これに対して、実際のプアな人々「リアルプア層」はどのように考えているのだろうか。
と語るのは、卸売業の営業職を勤めるAさん(20代後半・男性)。年収は270万円ほどで、まさにプア充生活を送るのに“どんぴしゃ”な層だが…。
(最新記事はこちら)
バイト店員が吠える「本当の不安定さを味わってみろ!」
月々の収入から家賃や食費、光熱費などを引いていくと、自由になるお金はひと月に数万円程度。「微々たる金額しか貯金できない」という。
内閣府の「インターネットによる子育て費用に関する調査(平成21年度)」によると、学校教育費や食費などを含めた年間の子育て費用は、幼稚園で約120万円、小学生で約110万円、中学生で約150万円とされている。確かにAさんの年収だと余裕はなさそうだ。
「プア充なんて俺から見たら十分“リア充”ですよ!」という批判もあった。
Bさん(20代前半・男性)は就活に失敗し、コンビニのバイト店員を続けている。時給は約1000円、年収は200万円ほどで、年金や保険料も支払っているので毎日が節約生活だ。
非正規雇用者は常にクビの不安におびえながら、ごく限られた福利厚生のもとで深夜まで働いている。いつまで働けるかわからないような毎日では、とても充実した生活は送れないだろう。
現在、Bさんは休日をやりくりして正社員の採用試験も受けている。「早く正社員にならないとヤバい」という危機感があるからだ。
(最新の記事は @kigyo_insiderへ)