• ホリエモン「下積み原理主義」を批判 新人の「コピー取り」は無意味か?

    「誰でも最初は下積みを経験しなければいけない」

    いわゆる伝統的な日本企業でよく言われることだが、その「下積み」文化をホリエモンこと堀江貴文さんが批判し、議論が起きている。

    12月14日、都内で行われたトークイベント「2020年の自分へ 『働く』をデザインする時代に向けた若き有識者による緊急提言」の中で、独立や起業をする前に「会社で何年か働く必要があるか?」というテーマになった際の発言だ。

    下積みが必要なのは「思い込み」か?

    同じくイベントに登壇した人事コンサルタント・城繁幸さんが、司会を務める元NHKアナウンサー・堀潤さんが独立後、仕事が順調なことに触れ、

    「堀さんが入局半年目で辞めていたらこうはならなかったですよね。やっぱり何年か下積みがあったから今があると思う」

    と発言した。これに噛み付いたのが堀江さんだ。

    「それは下積み原理主義者ですよ」

    堀江さんは、寿司屋の例を出す。職人は5~10年やらないと一人前になれない、などと昔は言われていた。

    しかしいま、東南アジアなどで活躍している寿司職人は、専門学校で半年や1年勉強しただけで海外に行き、いい給料をもらっていると説明。

    「下積みを全く否定する訳じゃないが、みんな『会社に何年いないといけない』とか思い込んでいる」

    と批判している。

    企業での「下積み」の必要性は、多くの若手社員の間で議論になるところだ。OJTなど直接仕事につながるものならマシだろうが、花見の場所取りや路上での100枚名刺集めなど、「どうなの」と思うものもある。

    「意味のある下積み」とは何か?

    堀江さんの主張はネットでも注目を集め、

    「『3年は下積みせよ!』とかいう人に限ってダラダラと生きていて費やした時間や年齢で人を判断する。集中して物事取り組めば〇年とか〇時間とか関係ない」 「気がついたら一生下積みになっちゃうもんな」

    といった声が多く寄せられた。一方、元官僚でコンサルタントのうさみのりや氏は

    「凡人には下積みが必要。下積み無しでやっていける奴は凄い奴」

    と言っている。確かに、下積みや研修期間なしでいきなり活躍できる人というのは限られているだろう。

    ただ下積みには、その「質」が問われるという意見もある。人気ブログ「脱社畜ブログ」も「下積み原理主義」に言及。下積みには2つの側面があるとする。

    1つは「修行」という側面のある下積み。将来より大きな仕事をするために実務を通じて学ぶというもので、例えば上司や先輩の下について仕事の補佐をする、というのもこれに当たるだろう。こうした下積みは、出世後や独立後も役に立つことが少なくない。

    そしてもう1つの側面が「順番待ち」の下積みだ。年功序列型の組織では、新人がどんなに優秀でも重要な仕事を任せにくい構造になっている。代わりに「下積み」と称して、新人にコピー取りやオフィス掃除、飲み会の幹事などの雑用的な仕事が振られることになる。こうした下積みが役に立つ日は「たぶん永久に来ない」と書いている。

    下積みの中にも、有意義なものとそうでないものがあるだろう。結果、若手の成長が見られないのならば、それは組織にとっても個人にとっても痛手だ。下積みをさせている側の人は、それが本当に部下の成長につながるのか、今一度考えてもらいたいものだ。

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