資産17億円「渡邉美樹コラム」が物議 社員の「貯金」で肥えまくり? 2014年1月7日 仕事のエコノミクス ツイート 過酷な労働環境で「ブラック企業」の代表格として挙げられるワタミグループ。その創業者・渡邉美樹氏がコラムで語った内容がネット上で物議を醸している。 話題となっているのは、日経ビジネスアソシエのネット版に掲載されている悩み相談コラム「渡邉美樹の『快答乱麻』」。渡邉氏がワタミ社長だった、2009年3月に掲載されたものだ。 給料アップしなくても「できる人間は会社に貯金する」 読者から「どんなに働いても、給料が上がりません」という悩みが寄せられた。不動産コンサル会社で働いているが、連日終電帰りで休日出勤までしているのにも関わらず、給与アップを交渉しても断られる。その上、残業代も出ない。そのため、今の会社に残るかどうかで悩んでいるのだという。 これに対し渡邉氏は、会社の給料というのはそもそも交渉するものではなく「相手が勝手に引き上げてくれるもの」だと指摘。自分が「ちょっと安い」と思う場合は、経営者側も「悪いな」と思っているはずなのだという。 その上で、給料に関しては何も言わずに働き「こんなに安い給料で、こんなに働いてもらって、申し訳ない」と上司に負い目を感じさせる。すると、黙っていても「次は給料が上がる」とする。 言わば「会社に貯金をする」感覚だとし、 「仕事ができる人間は会社に貯金をするし、できない人間は会社からすぐに『貯金』を引き出そうとするので、いつまで経ってもお金が貯まりません」 労基法違反などの不当な扱いを受けたら交渉するべきだが、そうでないのなら黙って仕事をした方が「貯金」が貯まり、自分のためにもなるとしている。 「その貯金、いつ引き下ろせるんですか」 約5年前に掲載された記事だったが、2014年1月初旬からネット上で注目を集め、様々な声が挙がった。「経営者としては正しい。黙って働く部下の方に報いたくなる心理はある」といった見方もあるものの、 「その貯金、いつ引き下ろせるんですか」 「社員がいうならともかく、経営者がいうのはダメ」 といった、批判的なものがほとんどだ。 また1月6日、昨夏の参院選で当選した議員121人の資産が公開された。渡邉氏は総額17億580万円で圧倒的1位となっている。2位の藤巻健史氏が6億6870万円だから、10億円以上もの差がある。 ワタミ社員の「貯金」は「回収」できるか? 資産報告書にはワタミ株の記載なかったが、報道によると、渡邉氏はワタミ株の約25%を保有する企業(有限会社アレーテー)の全株式を保有。間接的にはワタミ株を大量に持っている形だ。ワタミの時価総額は約580億円。渡邉氏の実質資産は17億円どころではすまないだろう。 一方で、ワタミの従業員は過酷だ。社員は「365日24時間死ぬまで働け」などと記載された渡邉氏の「理念集」という冊子を暗記させられる。 2008年には入社2か月の女性社員が月残業141時間という環境のもと、過労で自殺している。昨年12月には遺族が当時社長だった渡邉氏らを相手に損害賠償を求める訴訟を起こした。 また渡邉氏によると、入社3年以内の離職率は42.8%。会社に「貯金」して、その後回収した人もいるのかも知れないが、「貯金」したきりそのまま辞めてしまう人がかなり多いことが覗える。結局、肥えるのは経営者の資産ばかり。会社に「貯金」なんて、経営者の都合のいい言葉でしかない、ということだろうか。 あわせてよみたい:ワタミ社員告白「ブラック労働で得られたもの」
資産17億円「渡邉美樹コラム」が物議 社員の「貯金」で肥えまくり?
過酷な労働環境で「ブラック企業」の代表格として挙げられるワタミグループ。その創業者・渡邉美樹氏がコラムで語った内容がネット上で物議を醸している。
話題となっているのは、日経ビジネスアソシエのネット版に掲載されている悩み相談コラム「渡邉美樹の『快答乱麻』」。渡邉氏がワタミ社長だった、2009年3月に掲載されたものだ。
給料アップしなくても「できる人間は会社に貯金する」
読者から「どんなに働いても、給料が上がりません」という悩みが寄せられた。不動産コンサル会社で働いているが、連日終電帰りで休日出勤までしているのにも関わらず、給与アップを交渉しても断られる。その上、残業代も出ない。そのため、今の会社に残るかどうかで悩んでいるのだという。
これに対し渡邉氏は、会社の給料というのはそもそも交渉するものではなく「相手が勝手に引き上げてくれるもの」だと指摘。自分が「ちょっと安い」と思う場合は、経営者側も「悪いな」と思っているはずなのだという。
その上で、給料に関しては何も言わずに働き「こんなに安い給料で、こんなに働いてもらって、申し訳ない」と上司に負い目を感じさせる。すると、黙っていても「次は給料が上がる」とする。
言わば「会社に貯金をする」感覚だとし、
労基法違反などの不当な扱いを受けたら交渉するべきだが、そうでないのなら黙って仕事をした方が「貯金」が貯まり、自分のためにもなるとしている。
「その貯金、いつ引き下ろせるんですか」
約5年前に掲載された記事だったが、2014年1月初旬からネット上で注目を集め、様々な声が挙がった。「経営者としては正しい。黙って働く部下の方に報いたくなる心理はある」といった見方もあるものの、
といった、批判的なものがほとんどだ。
また1月6日、昨夏の参院選で当選した議員121人の資産が公開された。渡邉氏は総額17億580万円で圧倒的1位となっている。2位の藤巻健史氏が6億6870万円だから、10億円以上もの差がある。
ワタミ社員の「貯金」は「回収」できるか?
資産報告書にはワタミ株の記載なかったが、報道によると、渡邉氏はワタミ株の約25%を保有する企業(有限会社アレーテー)の全株式を保有。間接的にはワタミ株を大量に持っている形だ。ワタミの時価総額は約580億円。渡邉氏の実質資産は17億円どころではすまないだろう。
一方で、ワタミの従業員は過酷だ。社員は「365日24時間死ぬまで働け」などと記載された渡邉氏の「理念集」という冊子を暗記させられる。
2008年には入社2か月の女性社員が月残業141時間という環境のもと、過労で自殺している。昨年12月には遺族が当時社長だった渡邉氏らを相手に損害賠償を求める訴訟を起こした。
また渡邉氏によると、入社3年以内の離職率は42.8%。会社に「貯金」して、その後回収した人もいるのかも知れないが、「貯金」したきりそのまま辞めてしまう人がかなり多いことが覗える。結局、肥えるのは経営者の資産ばかり。会社に「貯金」なんて、経営者の都合のいい言葉でしかない、ということだろうか。
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