昔は憧れだった商社マン 現在の「真冬」とこれからの「希望」―バブル商社マンの咆哮(2) 2014年1月31日 仕事のエコノミクス ツイート こんにちは、頭刃男(ズバオ)です。前回の記念すべき第一回目は、バブル期の就職事情などをご紹介しました。 そして、最後に図に乗って宿題を出したのを覚えていますか? 「なぜその昔、商社マンと呼ばれたのでしょうか?」 商社マンと証券マンの「共通点」とは? 他に「マン」の付く職業があります。思い付きますか? そう、「証券マン」です。 商社マンと証券マン、共通点はなんでしょう?答えは、「その時代の憧れ」です。 その昔、商社や証券会社は時代の勢いに乗り、その羽振りの良さは世界に轟きました。商社とは、簡単に言ってしまえば、輸出入貿易を生業とした会社です。 昔は海外出張と言うと、社員たちが空港まで見送りに行って万歳三唱した程、「海外」というものに畏敬の念があったわけです。 そんな海外に誰よりも慣れている商社マン。商社金融などと言っては融資したり、海外や国内の事業に投資したりと「お金」を働かせて、更に大きなビジネスを作り上げます。 更に、売りたい人と買いたい人を取り持つ、つまり「情報」も武器にしてきた商社マン。「海外、お金、情報」を押さえ、時代の趨勢に乗ったわけです。 商社の現在~あぁ寒い!真冬の時代 でも最近はどうでしょう?商社マンという言葉を聞かなくなりました。 それまで海外ビジネスに不慣れだった会社が徐々に力を付け始め、商社に頼ることなく自力で海外と付き合う様になりました。 また、情報も売り手と買い手の両端に集まるようになり、中間の商社がむしろ情報を持っていない事態まで発生し始めます。 最後の砦のお金ですが、投資や融資は商社に限らず盛んに行われるようになりました。 もはや、過去の商社マンが憧れられた武器はどれも色褪せて、みんなの足元に散ったのです。 そして、いよいよ「中抜き」という言葉さえ聞こえてくるようになりました。売り手と買い手の真ん中にいる商社を抜く、つまり、商社は不要という意味です。 あのドラッカーも、究極の営業とは、営業をしないことだと言います。そしてIT企業が目指す理想は、人を使わないでビジネスをすること。 これらの極みはいずれも、今までの商社の営みを否定しているようにも感じられます。 読者の皆さんは今、こんな時代に生きているわけです。 ゴールドラッシュで「一番儲かった人」は誰か? でもね、ご安心を。上に書いたことは、今の今まで、のことです。 これから先は、僕らが作って行けばいいだけのことです。重要なのはどう作っていくか、です。 商社は商品というモノに携わってきました。これからは、モノという目に見えるものから、無形のものの価値や重要度が益々高まります。 無形のものとは、アイデアであり、仕組みであり、文化であり、思いやりなどです。今までの常識やルールを一気に突き崩しうるものなのです。 ゴールドラッシュで一番儲かった人を知っていますか? 一番初めに金脈を見つけた人? 多くの人を雇って金脈を探させた人? 金を見つけた人をだました人? 有名な話だから答えを知っている方も多いでしょう。実は、スコップを売った人です。 トレンドだった金鉱当てのゴールドラッシュは、リターンが大きい代わりにリスクも高いものでした。 それを一歩引いた目で見て、そのトレンドを支える「派生ビジネス」を考えた人が「スコップを売った」というわけです。 Appleと「スコップ」 現代に置き換えてみると、たとえばWeb2.0ブーム。誰もが情報の「送り手」になれる可能性を持ったとき、さまざまな企業がSNSや口コミサイト(CGM)に参入しましたよね。 そのとき、そうしたサイトへ投稿するデバイス、つまりMacbook、iPhone、iPadといった「スコップ」を提供した企業のひとつがAppleだったといえます。 Appleの製品は、常にライフスタイルを提案することで消費者の心を掴んできました。Apple製品を持っている自分がカッコいい、と思わせる力があります。 そのコンセプトが形になったものが、あの製品です。これまでビジネスで重要な要因だったスペックや価格など、既存の発想を抜け、消費者の生活に目を向けた結果です。 こういう言い方をすると「Appleのような製品は作れない」と思うかもしれませんが、今扱っている商材でいいのです。 ライフスタイルの提案は、社会にインパクトを与えることです。そんな観点で自分の商材を捉えて、仕事をすることで自分自身のライフスタイルも進化していきます。 商社の仕事は、多くの商材を扱う機会に恵まれています。自分の描きたいライフスタイルを実現してくれる商材を開発することも出来ます。 25年前、私の野望を満たしてくれるのは商社だと思いました。そして、今の私が夢に描く世界を実現させてくれるのは、やはり商社だと思います。 あわせてよみたい:商社マンとの合コン実態
昔は憧れだった商社マン 現在の「真冬」とこれからの「希望」―バブル商社マンの咆哮(2)
こんにちは、頭刃男(ズバオ)です。前回の記念すべき第一回目は、バブル期の就職事情などをご紹介しました。
そして、最後に図に乗って宿題を出したのを覚えていますか?
商社マンと証券マンの「共通点」とは?
他に「マン」の付く職業があります。思い付きますか?
そう、「証券マン」です。
商社マンと証券マン、共通点はなんでしょう?答えは、「その時代の憧れ」です。
その昔、商社や証券会社は時代の勢いに乗り、その羽振りの良さは世界に轟きました。商社とは、簡単に言ってしまえば、輸出入貿易を生業とした会社です。
昔は海外出張と言うと、社員たちが空港まで見送りに行って万歳三唱した程、「海外」というものに畏敬の念があったわけです。
そんな海外に誰よりも慣れている商社マン。商社金融などと言っては融資したり、海外や国内の事業に投資したりと「お金」を働かせて、更に大きなビジネスを作り上げます。
更に、売りたい人と買いたい人を取り持つ、つまり「情報」も武器にしてきた商社マン。「海外、お金、情報」を押さえ、時代の趨勢に乗ったわけです。
商社の現在~あぁ寒い!真冬の時代
でも最近はどうでしょう?商社マンという言葉を聞かなくなりました。
それまで海外ビジネスに不慣れだった会社が徐々に力を付け始め、商社に頼ることなく自力で海外と付き合う様になりました。
また、情報も売り手と買い手の両端に集まるようになり、中間の商社がむしろ情報を持っていない事態まで発生し始めます。
最後の砦のお金ですが、投資や融資は商社に限らず盛んに行われるようになりました。
もはや、過去の商社マンが憧れられた武器はどれも色褪せて、みんなの足元に散ったのです。
そして、いよいよ「中抜き」という言葉さえ聞こえてくるようになりました。売り手と買い手の真ん中にいる商社を抜く、つまり、商社は不要という意味です。
あのドラッカーも、究極の営業とは、営業をしないことだと言います。そしてIT企業が目指す理想は、人を使わないでビジネスをすること。
これらの極みはいずれも、今までの商社の営みを否定しているようにも感じられます。
読者の皆さんは今、こんな時代に生きているわけです。
ゴールドラッシュで「一番儲かった人」は誰か?
でもね、ご安心を。上に書いたことは、今の今まで、のことです。
これから先は、僕らが作って行けばいいだけのことです。重要なのはどう作っていくか、です。
商社は商品というモノに携わってきました。これからは、モノという目に見えるものから、無形のものの価値や重要度が益々高まります。
無形のものとは、アイデアであり、仕組みであり、文化であり、思いやりなどです。今までの常識やルールを一気に突き崩しうるものなのです。
ゴールドラッシュで一番儲かった人を知っていますか?
一番初めに金脈を見つけた人?
多くの人を雇って金脈を探させた人?
金を見つけた人をだました人?
有名な話だから答えを知っている方も多いでしょう。実は、スコップを売った人です。
トレンドだった金鉱当てのゴールドラッシュは、リターンが大きい代わりにリスクも高いものでした。
それを一歩引いた目で見て、そのトレンドを支える「派生ビジネス」を考えた人が「スコップを売った」というわけです。
Appleと「スコップ」
現代に置き換えてみると、たとえばWeb2.0ブーム。誰もが情報の「送り手」になれる可能性を持ったとき、さまざまな企業がSNSや口コミサイト(CGM)に参入しましたよね。
そのとき、そうしたサイトへ投稿するデバイス、つまりMacbook、iPhone、iPadといった「スコップ」を提供した企業のひとつがAppleだったといえます。
Appleの製品は、常にライフスタイルを提案することで消費者の心を掴んできました。Apple製品を持っている自分がカッコいい、と思わせる力があります。
そのコンセプトが形になったものが、あの製品です。これまでビジネスで重要な要因だったスペックや価格など、既存の発想を抜け、消費者の生活に目を向けた結果です。
こういう言い方をすると「Appleのような製品は作れない」と思うかもしれませんが、今扱っている商材でいいのです。
ライフスタイルの提案は、社会にインパクトを与えることです。そんな観点で自分の商材を捉えて、仕事をすることで自分自身のライフスタイルも進化していきます。
商社の仕事は、多くの商材を扱う機会に恵まれています。自分の描きたいライフスタイルを実現してくれる商材を開発することも出来ます。
25年前、私の野望を満たしてくれるのは商社だと思いました。そして、今の私が夢に描く世界を実現させてくれるのは、やはり商社だと思います。
あわせてよみたい:商社マンとの合コン実態