• 結婚も就職もしてないけれど… 文系男子就活生の4割が「育児休業」の取得を希望

    就職活動中の男子学生に「子育て」に対する考えを尋ねたところ、4割の学生から「育児休暇を取って積極的に子育てしたい」という回答があった。専攻別には、文系男子では44.1%、理系男子でも35.9%に達した。

    2015年春に就職予定の男子大学生・院生2008人を対象に、マイナビが実施したアンケートによる。「育児休暇はとらないが夫婦で子育てはしたい」という回答も、46.6%にも達しており、育児参加への強い意欲が感じられる。

    「代替要員がいない」「収入が減ると困る」という課題も

    育休取得を希望する理由で最も多かった回答は、「子供が小さいうちはできるだけそばにいてあげたいから」(40.8%)というもの。自分と同じ環境で育てたいのか、それとも親が仕事優先で寂しかった経験が影響しているのか。

    「育児休暇を取るのは当然の権利だと思うから」という回答も少なくない(20.3%)。意外なほど多くの男子学生が「育児休業を取得する」と宣言しているが、この結果に対し、ネットには歓迎する声が目に付く。

    「イクメン大賛成! 仕事のブランクなどすぐ埋められます」
    「産後1ヶ月の育休を取るか取らないかで、夫婦の関係は大きく変わる」

    しかし、この就活生が働き始めた後に、同じ考え方を維持できるだろうか。厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、2012年度の育児休暇取得率は、女性が83.6%に対して、男性は1.89%とかなり低い。

    都内2500社を対象とした東京都の12年度調査で、「男性の育児休業取得にあたっての課題」を従業員に尋ねたところ、男女ともに「代替要員の確保が困難」という回答が最多だった。

    主力となる働き盛りの男性が会社を休んでしまうと、引き継ぐ人もなく、仕事が立ち行かなくなってしまう。そんな現実を鑑みて、休業をためらってしまうのだろう。

    「家庭の収入確保」という事情もある。男性があげた課題の2位は「休業中の賃金補償」。出産や子育てで何かとお金が必要な時期に、一家の大黒柱が無給の育児休業を取得して収入が途絶えてしまうのは、家庭としても都合が悪い。

    同僚男性の育児休業は「不快」という回答も

    都の調査の課題の3位、4位には「前例(モデル)がない」「職場がそのような雰囲気ではない」が続いている。女性からは「上司の理解不足」という回答も多くあがった。

    ライフネット生命が2013年に発表した調査でも、「男性が育児休業を取得できる雰囲気がある」と回答したのは2割だけ。同僚男性の育休取得に対し、5人に1人が「不快に思う」と回答している。

    高い理想を掲げていても、実際に結婚して働き始めると、職場の雰囲気や家庭の事情で、なかなか休みを取れないという現実がある。ネットにも、

    「願わくば働き始めてもこの意思を持ち続けて欲しい」

    と就活生を激励する声があがっているが、5年後、10年後まで理想を持ち続けて欲しいものだ。

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