外資系企業の誘致に向けた「雇用指針案」策定 不透明なルール分かりやすく 2014年3月19日 仕事のエコノミクス ツイート 不透明とされる日本の雇用ルールを分かりやすく解説する「雇用指針」の具体案が、3月13日に開催された厚生労働省の労働政策審議会・労働条件分科会で配布された。 新規開業直後のベンチャー企業やグローバル企業が労働紛争を予防するために、踏まえておくべき法規制や判例、防止策のポイントが38ページにわたってまとめられている。 「雇用指針」は、労働紛争を未然に防止するための「事業主に対する援助」の一つとして、国家戦略特区法で規定されている。ねらいは、戦略特区に外資系企業を誘致しやすくすることだ。 「半年で完了する作業に8年かけてクビ」の例も 指針案は、労働契約の「成立」と「展開」「終了」の3つの部分で構成されている。外資系企業にとって特に気になるのは、日本の長期的な雇用システム下で「解雇」がどのように運用されているかという点だろう。 指針でも「労働契約の終了」に、半分超の分量を割いている。たとえば「能力不足、成績不良、勤務態度不良、適格性欠如による解雇」については、 「その程度が重大なものか、改善の機会を与えたか、改善の見込みが無いか等について慎重に判断し、容易に解雇を有効と認めない事例もある」 としたうえで、解雇が有効・無効となった判例を解説している。SEとして中途採用された従業員(原告)を能力不足と勤務不良を理由に解雇した事件については、 「原告は、通常であれば6ヶ月程度で完了する作業を会計システム課に在籍した約8年間で完成させたこと等、実績や成績が著しく劣っている」 「原告の成績不良の原因が、被告の社員として期待された適格性と原告の素質、能力等が適合しないことによるもので、被告の指導教育によっては改善の余地がない。また、人間関係上のトラブルを生じていた」 など、判決が下された理由について解説している。 また、いわゆるリストラに当たる「整理解雇」についても、それが認められるための4要件や判例のほか、紛争を未然に防止するため労働契約書や就業規則に、 「経営上の理由や組織の改編等による人員削減やポストの廃止など、労働者の責めに帰すべき事由以外の事由により解雇する場合があること」 を定めておくなどの助言をしている。 あわせてよみたい:正社員をお金で「クビ」にできる時代来る 国家戦略特区法において
外資系企業の誘致に向けた「雇用指針案」策定 不透明なルール分かりやすく
不透明とされる日本の雇用ルールを分かりやすく解説する「雇用指針」の具体案が、3月13日に開催された厚生労働省の労働政策審議会・労働条件分科会で配布された。
新規開業直後のベンチャー企業やグローバル企業が労働紛争を予防するために、踏まえておくべき法規制や判例、防止策のポイントが38ページにわたってまとめられている。
「雇用指針」は、労働紛争を未然に防止するための「事業主に対する援助」の一つとして、国家戦略特区法で規定されている。ねらいは、戦略特区に外資系企業を誘致しやすくすることだ。
「半年で完了する作業に8年かけてクビ」の例も
指針案は、労働契約の「成立」と「展開」「終了」の3つの部分で構成されている。外資系企業にとって特に気になるのは、日本の長期的な雇用システム下で「解雇」がどのように運用されているかという点だろう。
指針でも「労働契約の終了」に、半分超の分量を割いている。たとえば「能力不足、成績不良、勤務態度不良、適格性欠如による解雇」については、
としたうえで、解雇が有効・無効となった判例を解説している。SEとして中途採用された従業員(原告)を能力不足と勤務不良を理由に解雇した事件については、
など、判決が下された理由について解説している。
また、いわゆるリストラに当たる「整理解雇」についても、それが認められるための4要件や判例のほか、紛争を未然に防止するため労働契約書や就業規則に、
を定めておくなどの助言をしている。
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