• 進む「新卒外国人採用」 過保護な日本人より「ハングリーなアジア人」

    フジテレビ系の情報番組「Mr.サンデー」(4月20日)では、日本企業で新卒外国人の採用が急増している、という特集が組まれた。

    厚生労働省の調査では、日本で働く外国人労働者は71万7504人(2013年10月現在)。前年同期比で約3万5000人の増加を示しており、70万人を超えたのは2007年の届出義務化以来、過去最高だという。

    国籍別では中国(約30万人)、ブラジル(約10万人)、フィリピン(約8万人)、ベトナム(約4万人)の順。さらに、日本の大企業が2014年春入社の新卒採用で、外国人を採用する動きも見られる。

    ローソンのベトナム人男性は「スピード出世」

    日経新聞によると、NECは新卒採用の約18%(60人程度)、日立製作所は8%強(約50人)を外国人とするという。Mr.サンデーでも、イオングループが約1300人の新卒外国人を採用し、2020年までに本社の5割を外国人とする方針が紹介されていた。

    さらに番組では、2人の新卒外国人の「働く様子」が紹介された。1人目は、ローソンで働くベトナム人男性(入社4年目)だ。日本の大学を卒業して、3年目で11店舗の売上改善などを担当する「スーパーバイザー」にスピード出世した。

    ローソンでは14年入社の129人のうち、27人が外国人。新卒外国人採用を進めている企業のひとつだ。会議では、日本人の先輩社員たちに強烈な「ダメ出し」をする。店舗の現場にどのような課題があるのかをプレゼンする最中の出来事だ。

    「やるかやらないかですよね。『できれば』はNO!」
    「自分の言いたいことを言えないやつは、仕事にならないと思ってるので」

    これには先輩たちもタジタジといった様子だが、「間違ったことは言われてないので、勉強になる」と逆に称賛されている。日本語では劣るが、現場の店長に改善点を伝える際には、実際に他の店舗に連れて行くなどの労を惜しまない。

    「ブーブー(課題を)言ってても、日本語もヘタですし、それなら、『これ見て下さい』のほうが、言語のカベもない」

    中国人女性は「勤勉で、タフで、ハングリー」

    こうした言葉のカベは、新卒外国人に付きまとう。ただ、これをはねのける「ハングリー精神」がある人も多い。番組で紹介されたもう一人の新卒外国人は、星野リゾートトマムに配属された中国人女性(新卒1年目)だ。

    研修では常に一番前で話を聞き、学んだことは率先して実践する。しかし、フロント研修では「敬語」が上手く使えない。実技テストでは何度も不合格。先輩社員から痛烈なダメ出しをされ、ショックで涙を流すが、へこたれてはいない。

    「なんでへこむ必要がありますか?へこんじゃったら永遠に進めないですし、繰り返せばいつか成功できますよ。(不合格)4回目なんて、気安いものだ!」

    この女性は1か月後、実技テスト14回の不合格を経て、立派にフロントに立てるようになったという。番組では「どこまでも勤勉で、タフで、ハングリー。思えばそれは、かつての日本人を表す言葉ではなかったか」というナレーションも流れた。

    コメンテーターで、シンクロ銅メダリスト・田中ウルヴェ京さんは、こう指摘をしている。

    「大事なのは、失敗すること。過保護な社会だと、日本人は失敗させてもらえないというところがある。失敗することで次どうやったらうまくいくか、と少しずつ自信を鍛えていくのが、一番大事なやる気の源泉になるのでは」

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