• 「内定辞退危険度」を人事に通報! 内定者SNSを使った新サービスが登場

    2015年卒業予定の学生を対象に文化放送キャリアパートナーズが実施したアンケートによると、4月上旬に企業の「内定出し」が一気に進んだ結果、すでに3分の1以上の学生が就職活動を終了したという。

    一方、必要な人材を確保して一息ついた企業の採用担当者が今後心配するのが「内定辞退者」の出現だ。手間とコストをかけて採用した期待の学生に、入社をあっさり辞退されたとなっては面目が丸つぶれである。

    そんな中、採用内定者の中から「内定辞退予備軍」を早期に発見するITサービスがリリースされた。その方法は内定者向けの専用SNSを運用しつつ、コミュニケーションの取り方から辞退の「前兆」をつかむというものだ。

    近年利用者が増えた「内定者専用SNS」を活用

    このサービスは、ガイアックスが提供する内定者向けSNS「エアリーフレッシャーズ」に追加された「辞退予備軍発見機能」。各内定者のログイン頻度や投稿数、課題の提出状況などを総合的に判断し、コミュニケーションを取ろうとしない学生をピックアップ、

    「登録から一週間経ってもプロフィール画像が登録されていません」
    「SNS全体で投稿が少ないユーザーです」
    「辞退危険度高」

    などと人事担当者に知らせる。

    内定者向けSNSは、入社内定者のみが参加できるネットコミュニティで、近年は多くの企業で導入されているという。人事担当者が今後の予定などを伝え、内定者とコミュニケーションを取ったり、内定者同士で交流してつながりを深めたりするために使われる。

    ガイアックスの公式サイトによると、「エアリーフレッシャーズ」だけでも約1800社の導入実績があり、NTTドコモや住友商事、サントリーなどの大企業でも運用中ということだ。

    内定辞退を考え始めた学生は、まず無意識のうちに人事担当者や同期とのコミュニケーションを避けるようになる。自然と内定者向けSNSへのログインも疎遠になり、人事への返答も遅れがちになる。SNSはその傾向を分析し、人事に早めの対応をうながす。

    密かに監視される学生には息苦しい?

    ただし、SNSの利用が滞ったからといって、すべての人が「内定辞退予備軍」というわけではない。学業やアルバイト、旅行などで多忙な学生もいるだろうし、ITツールの利用に不慣れな人を誤ってピックアップする可能性もある。

    表面的には活発にコミュニケーションしているように装いつつ、裏では着々と「辞退」を準備できる学生もいる。「エアリーフレッシャーズ」のウェブサイトにも、

    「この機能を活用すれば100%辞退が防げるわけではありません」

    とし、あくまで効率的に内定者を管理するための支援ツール、と強調している。

    少なくとも、ピックアップされた内定者を重点的にフォローすることで辞退を防ぎ、仮に防げなかったとしても「早期に追加採用の手を打つことができる」メリットは大きそうだ。

    近年の就職市場では、新卒学生を1人採用するのに数十万から200万円ほどのコストがかかると言われている。予定人数を確保できなければ、新たに採用スケジュールを組み直さなければいけない場合もある。

    ただし学生にとっては、ただの連絡網だと思っていたSNSを通じて密かに監視されているとしたら、若干息苦しいものになるかもしれない。

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