• 「定時で帰っても評価に影響せず」はホント? 「会社が正直に答えるわけがない」と疑心暗鬼の声

    日本企業では「残業」が当たり前。定時で帰れば、会社に「怠け者だ」「忠誠心がない」とみなされる――。そう信じる人は多いが、実は社員が定時で帰っても、会社は悪く思っていないという調査結果が発表された。

    これは内閣府が13日に発表した「ワーク・ライフ・バランスに関する個人・企業調査」の結果で、企業1016社を対象に実施。「残業や休日出勤をほとんどせず、時間内に仕事を終えて帰宅すること」に対する人事評価を聞いたところ、74%の企業が「人事評価では考慮されない」と回答している。

    早く帰ると「協調性がない」と言われちゃう

    これを14日付の読売新聞が「残業や休日出勤『評価に影響せず』企業の74%」という見出しで報道したが、ネットのコメントには懐疑的な内容が多数を占めた。

    「馬鹿らしい。そんなもの正直に答える企業がどれだけあるのだろうか」

    社員に長時間労働を強いる「ブラック企業」が批判される昨今、企業が「残業する社員を高く評価します」と正直に答える訳がない、というのだ。

    また、企業としては「残業代の発生する残業は少ないに越したことはない」としても、各職場は別の原理で動いており、「評価に影響せず」では済まないという声も多い。

    「企業調査だからそう答えるわね。でも上司の評価はそうはならないよ。残業していない=あいつ仕事少ないな、ってなること多いからねぇ」
    「周りがぐだぐだ残業しているのに、自分の担当分片付いて早く帰ると『協調性がない』とか言われちゃうんですよ」

    事実、少数派ではあるが、定時退社を「マイナスに評価」とする企業も6%あった。ネットでは「ちょっと頭おかしい」と批判する声が出たものの、「企業の正直な気持ちはここだろ」とうがった見方をする人もいる。

    「非現実的な想定での質問は無意味」と大学教授も批判

    さらには、定時で仕事終わらせた人間を、74%の企業が「人事評価に考慮していない」と答えたことを、物足りないとする人も。

    会社には残業代を目当てに、ダラダラと長時間仕事をしている人も少なくない。そんな中、時間内で自分の仕事をきっちりと終わらせ、会社に残業代を発生させない社員は「特に高く評価されるべき」というわけだ。

    日本企業が長時間労働を本気で是正しようと思えば、「定時退社」に報奨金を払うくらいしなければならないのかもしれない。

    法政大学の上西充子教授も、Yahoo!個人で調査の有効性に疑問を投げかけている。今回の調査は、有給休暇が特に取得しにくい建設業や運輸業、飲食業、小売業などを対象にしていることを踏まえ、

    「長時間労働が常態であるような企業に対して、『残業や休日出勤をほとんどせず、時間内に仕事を終えて帰宅する』という非現実的な想定で企業側に質問をしても、その結果にはほとんど意味はない」

    と指摘。見出しの「残業頑張っても評価変わらず」という部分にも、長時間労働と頑張りを結び付ける「ミスリーディング」なものと批判している。

    あわせて読みたい:社畜女子激怒「中途半端な気持ちで残業するな!」

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