「24時間営業」は諸悪の根源なのか これをやめれば「昼間の賃金上がる」「従業員もラクできる」? 2014年6月16日 仕事のエコノミクス ツイート コンビニに居酒屋、カラオケボックス、ファミリーレストランにレンタルショップ…。年中無休でいつでも開いている「24時間営業」の店は、いまや当たり前のように存在している。生活の中で不可欠という人もいるだろう。 一方で、24時間営業の便利さが、ブラック労働の「諸悪の根源」であり、これをなくせば賃金があがり、労働環境も改善されるという主張もある。いったい、どちらの意見を取ればいいのだろうか。 深夜の営業は「客も利益も少ないのでは」 コラムニストの山口三尊氏が、さくらフィナンシャルニュースの6月15日付けのコラム「【雑感】24時間営業に反対」の中で、警察・病院等を除き、コンビニも居酒屋などの24時間営業をやめるべきだと主張している。 「世間ではワタミがブラック企業の代表のように言われていますが、私に言わせれば24時間営業しているところは全部ブラック企業です」 徹夜での労働は身体によくないし、深夜の客はそれほど多くはないので、店側も人件費を上回る利益を出すのが難しい。それなら閉めてしまった方が「経費の節減にもなるし、従業員も楽ができます」。 深夜帯が赤字になっているとすれば、その分の料金が昼間に上乗せされている。「一部の人の利便のために、わざわざ高いものを買わされるのは不公平なのでは?」と疑問を投げかけている。 24時間営業や深夜営業の恩恵を受けている人からは、強い不満も聞かれそうだが、実はこうした議論は以前からたびたび出ている。2008年には、温暖化対策のためにコンビニ深夜営業を規制するという議論が京都市などであった。 その際、北海道新聞が読者から意見を募集したところ、道内のコンビニ店経営者から、強く賛同する意見が寄せられたという。 「深夜、ほとんどお客さまが来ないのに、多くの蛍光灯をつけ、冬は暖房用の灯油も消費するのはいかがなものか。24時間営業をやめると、深夜の人件費がなくなる分、昼間の従業員の最低賃金を上げることができる」 深夜徘徊者にとっては「貴重な憩いの場」 繁華街ならともかく、深夜の利用者がほとんどいない地域では24時間営業をする意味がない。昼間の賃金を上げられるとすれば、店としても一石二鳥だ。 ネット上にも、深夜営業の弊害を指摘する書き込みが見られる。人通りの少ない郊外のコンビニでは、行き場のない若者のたまり場になっているという。 「我が家の近くにもコンビニがあるのですが、深夜に若者達がたむろして、ゴミを散らかし、朝になるとカラスがそのゴミをもっと散らかすようになってます。本当に、景観が崩れ、劣悪環境を生む結果を招いています」 別の書き込みによると、労働者の健康管理に厳しいヨーロッパでは「日曜日に平気でデパートが休みだったりする」という。不便なのではないかと思うが、「そもそもそれを前提に国民が生活しているから、彼らはあまり困らない」のだそうだ。 一方、24時間営業擁護派からは、「夜中に急に必要になったものがあるときは便利なので」と支持する意見も多い。特に深夜帯に働いている人にとって、生活上なくてはならないものだろう。 若い女性からは夜道を歩くときに営業中のコンビニがあると安心するという声も聞く。2ちゃんねるには、誰もいない街を一人で散歩する「深夜徘徊」スレがよく立っている。 「歩いてコンビニに行く道中のわくわく感は異常」 「夜中2~3時くらいに出掛けるのがベストだな コンビニでビール買って飲みながらとか、音楽聞いたりしながら朝方までひたすら歩いてる」 そんな書き込みも多数見られる。彼らにとって24時間営業の店は、利便性や防犯性を超えた「貴重な居場所」「憩いの場」でもあるようだ。 キャリコネで「24時間営業」の口コミを検索検索ぅ! 最新記事は@kigyo_insiderをフォロー/キャリコネ編集部Facebookに「いいね!」をお願いします
「24時間営業」は諸悪の根源なのか これをやめれば「昼間の賃金上がる」「従業員もラクできる」?
コンビニに居酒屋、カラオケボックス、ファミリーレストランにレンタルショップ…。年中無休でいつでも開いている「24時間営業」の店は、いまや当たり前のように存在している。生活の中で不可欠という人もいるだろう。
一方で、24時間営業の便利さが、ブラック労働の「諸悪の根源」であり、これをなくせば賃金があがり、労働環境も改善されるという主張もある。いったい、どちらの意見を取ればいいのだろうか。
深夜の営業は「客も利益も少ないのでは」
コラムニストの山口三尊氏が、さくらフィナンシャルニュースの6月15日付けのコラム「【雑感】24時間営業に反対」の中で、警察・病院等を除き、コンビニも居酒屋などの24時間営業をやめるべきだと主張している。
徹夜での労働は身体によくないし、深夜の客はそれほど多くはないので、店側も人件費を上回る利益を出すのが難しい。それなら閉めてしまった方が「経費の節減にもなるし、従業員も楽ができます」。
深夜帯が赤字になっているとすれば、その分の料金が昼間に上乗せされている。「一部の人の利便のために、わざわざ高いものを買わされるのは不公平なのでは?」と疑問を投げかけている。
24時間営業や深夜営業の恩恵を受けている人からは、強い不満も聞かれそうだが、実はこうした議論は以前からたびたび出ている。2008年には、温暖化対策のためにコンビニ深夜営業を規制するという議論が京都市などであった。
その際、北海道新聞が読者から意見を募集したところ、道内のコンビニ店経営者から、強く賛同する意見が寄せられたという。
深夜徘徊者にとっては「貴重な憩いの場」
繁華街ならともかく、深夜の利用者がほとんどいない地域では24時間営業をする意味がない。昼間の賃金を上げられるとすれば、店としても一石二鳥だ。
ネット上にも、深夜営業の弊害を指摘する書き込みが見られる。人通りの少ない郊外のコンビニでは、行き場のない若者のたまり場になっているという。
別の書き込みによると、労働者の健康管理に厳しいヨーロッパでは「日曜日に平気でデパートが休みだったりする」という。不便なのではないかと思うが、「そもそもそれを前提に国民が生活しているから、彼らはあまり困らない」のだそうだ。
一方、24時間営業擁護派からは、「夜中に急に必要になったものがあるときは便利なので」と支持する意見も多い。特に深夜帯に働いている人にとって、生活上なくてはならないものだろう。
若い女性からは夜道を歩くときに営業中のコンビニがあると安心するという声も聞く。2ちゃんねるには、誰もいない街を一人で散歩する「深夜徘徊」スレがよく立っている。
そんな書き込みも多数見られる。彼らにとって24時間営業の店は、利便性や防犯性を超えた「貴重な居場所」「憩いの場」でもあるようだ。
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