2泊3日、“ブラック社員研修”で退職者が続出! 朝4時に起床で「大声を張り上げてリーダーになるためのアピール」 2024年10月2日 キャリコネNEWS ツイート 画像はイメージ 大声で社訓を唱えさせられるという軍隊さながらの社員研修を導入している会社が、ひと頃話題になった。大阪府の50代男性がかつて勤めていた職場でも、こうした“ブラック社員研修”が行われていたという。 全体会議での社長から「今後、社員教育に力を入れていきます」という話があり、男性は「製造業なので、作業についての教育をしてもらえる」と思っていた。ところが研修は、2泊3日で、禅寺で行われることに……。そこでは驚きの光景が待っていた!(文:天音琴葉) 「研修に参加しないなら会社を辞めるように」 男性は、入社歴の長い順に研修へ行くことになると思っていたが、実際はランダムに選ばれたと振り返る。 禅寺での1日は朝4時に起きて、お経を聞くことからスタートした。そのあと、裸足で雪駄を履き、境内の掃除を行なった。 しかし、ただの掃除ではなかったようだ。掃除は、「大声張り上げて、グループ全員で動きを揃える練習」だった。掃除が終わったら坐禅を組んだ。ほかには、 「全く知らない人達でグループを作られ、その中で大声を張り上げてリーダーになるためのアピールをし合う」 という研修も行われた。男性は、「大声を張り上げているだけで、考える力が低下している気がする」と疑問を持つも、大声を出さないと指導員から注意や指導が入るため、従わざるを得なかったようだ。 研修レポートも書かされ、最終日には、「会社戻ったらどのような行動をするか」という内容の発表をさせられた。連日、大声を上げさせられ、すでに声が枯れていたが、発表を社長が聞きに来るというから手を抜けなかっただろう。 こうしてなんとか研修を終えた男性たち。すると帰り際、「行っていない社員には、この研修の内容は言うな!」と釘を刺され、さらに「この研修に参加しないなら会社を辞めるように」と告げられたのだった。これに対し、 「この研修に参加したところで、人は変わらないし、考える力が欠けた状態で考えた会社に戻って行う行動の発表内容をチクチク社長に言われる」 とこぼした男性は、研修を機に会社への不信感が募る一方だったに違いない。 一人当たりの費用が30万円で、「ボーナスをくれる方がモチベーションも上がるハズだ」 驚くことに、この社員研修には一人当たり30万円の費用がかかっていた。それを知った男性は、 「そんな研修行くより20万円のボーナスをくれる方がモチベーションも上がるハズだ」 と呆れたようだ。しかしこの研修は何度か繰り返されたという。研修に疑問を持った社員は男性だけではなかった。 「研修に行った人のうち、仕事の出来る人から会社を辞めていく。『研修行かしたってるのに、なんで辞めるんだ! 研修にいくら掛けていると思っているのだ!』と、社長。社員の気持ちを全く考えておられない」 確かに、一人30万円の研修代と採用コストが無駄になれば会社には大きな損失だ。しかし会社は、退職者が相次いでも研修を見直す考えはなかったのだろうか。 男性によると、求人募集をかけたものの応募は来なかった。すると当然、残った社員にしわ寄せがきた。「2~3人分の仕事している人と、1人分の仕事で精一杯アピールしている人が存在していました」と男性は明かし、ただでさえ少ない人数の社員が分断してしまったようだ。 ついに上司も辞めたという。男性に上司の分の仕事も回ってきたが、給料は増えなかった。その状態で1年耐えたが一向に昇給する気配はなく、「この会社に残っても未来が見えないので、退職を決めました」と、男性は結末を明かした。現在は、メーカーの生産管理の仕事に就いているという。
2泊3日、“ブラック社員研修”で退職者が続出! 朝4時に起床で「大声を張り上げてリーダーになるためのアピール」
大声で社訓を唱えさせられるという軍隊さながらの社員研修を導入している会社が、ひと頃話題になった。大阪府の50代男性がかつて勤めていた職場でも、こうした“ブラック社員研修”が行われていたという。
全体会議での社長から「今後、社員教育に力を入れていきます」という話があり、男性は「製造業なので、作業についての教育をしてもらえる」と思っていた。ところが研修は、2泊3日で、禅寺で行われることに……。そこでは驚きの光景が待っていた!(文:天音琴葉)
「研修に参加しないなら会社を辞めるように」
男性は、入社歴の長い順に研修へ行くことになると思っていたが、実際はランダムに選ばれたと振り返る。
禅寺での1日は朝4時に起きて、お経を聞くことからスタートした。そのあと、裸足で雪駄を履き、境内の掃除を行なった。
しかし、ただの掃除ではなかったようだ。掃除は、「大声張り上げて、グループ全員で動きを揃える練習」だった。掃除が終わったら坐禅を組んだ。ほかには、
「全く知らない人達でグループを作られ、その中で大声を張り上げてリーダーになるためのアピールをし合う」
という研修も行われた。男性は、「大声を張り上げているだけで、考える力が低下している気がする」と疑問を持つも、大声を出さないと指導員から注意や指導が入るため、従わざるを得なかったようだ。
研修レポートも書かされ、最終日には、「会社戻ったらどのような行動をするか」という内容の発表をさせられた。連日、大声を上げさせられ、すでに声が枯れていたが、発表を社長が聞きに来るというから手を抜けなかっただろう。
こうしてなんとか研修を終えた男性たち。すると帰り際、「行っていない社員には、この研修の内容は言うな!」と釘を刺され、さらに「この研修に参加しないなら会社を辞めるように」と告げられたのだった。これに対し、
「この研修に参加したところで、人は変わらないし、考える力が欠けた状態で考えた会社に戻って行う行動の発表内容をチクチク社長に言われる」
とこぼした男性は、研修を機に会社への不信感が募る一方だったに違いない。
一人当たりの費用が30万円で、「ボーナスをくれる方がモチベーションも上がるハズだ」
驚くことに、この社員研修には一人当たり30万円の費用がかかっていた。それを知った男性は、
「そんな研修行くより20万円のボーナスをくれる方がモチベーションも上がるハズだ」
と呆れたようだ。しかしこの研修は何度か繰り返されたという。研修に疑問を持った社員は男性だけではなかった。
「研修に行った人のうち、仕事の出来る人から会社を辞めていく。『研修行かしたってるのに、なんで辞めるんだ! 研修にいくら掛けていると思っているのだ!』と、社長。社員の気持ちを全く考えておられない」
確かに、一人30万円の研修代と採用コストが無駄になれば会社には大きな損失だ。しかし会社は、退職者が相次いでも研修を見直す考えはなかったのだろうか。
男性によると、求人募集をかけたものの応募は来なかった。すると当然、残った社員にしわ寄せがきた。「2~3人分の仕事している人と、1人分の仕事で精一杯アピールしている人が存在していました」と男性は明かし、ただでさえ少ない人数の社員が分断してしまったようだ。
ついに上司も辞めたという。男性に上司の分の仕事も回ってきたが、給料は増えなかった。その状態で1年耐えたが一向に昇給する気配はなく、「この会社に残っても未来が見えないので、退職を決めました」と、男性は結末を明かした。現在は、メーカーの生産管理の仕事に就いているという。