「すぐにトラックに乗れ!急げ!」報酬は5万円、深夜1時に目出し帽を被らされ「夜逃げ」の手伝いをした男性【後編】 2024年11月14日 キャリコネNEWS ツイート 画像はイメージ 闇バイトが問題になっているが、知らないうちに、危険な仕事に参加させられることもあるようだ。投稿を寄せた関東地方の40代男性は、「昔の話ですがもう時効だと思いますので投下します」と、10代後半の頃の体験を打ち明けた。 友人の父親が社長を務める会社で「新聞の勧誘のバイト」をしていた。ある日、社長から、 「日払いで別の仕事を手伝ってくれと。多分1時間もあれば終わるし5万払う」 と依頼され、仕事内容を確認せず飛びついた。こうして悪事に手を染めることに。 深夜1時、集合場所にトラックがやってきた。運転手は社長で、幌の付いた荷台に乗るよう指示された。荷台には「知らないおじさん」が8人ほど乗っていたという。 移動中は無言で、40分ほど経った頃にそのうちの1人が「つけろ」と言い、黒い塊を渡してきた。広げると、黒の目出し帽だった。 「みんな黙ってマイ目出し帽を装着しだして。完全にテロリストの集まりみたいな状態に。これはさすがに強盗か空き巣でもやらされるのかなと真面目に覚悟してた」 ここまでは【前編】で伝えた通りだ。男性の嫌な予感は当たってしまうのだろうか。(文:天音琴葉) 「どんどんいくよー」の掛け声で、ブラウン管テレビやタンスを搬出 とあるアパートの下でトラックは止まった。すると、みんなダッシュで降りてくので、とりあえず付いていったが、社長に、 「お前は下で受け取って荷台に放り込めばいいからな? 落とすなよ?」 と指示された男性。次の瞬間、2階の部屋の窓が全開になり、目出し帽の人がベランダに出てきた。そして「どんどんいくよー」の掛け声で…… 「2階のベランダから衣類や家具がボンボン飛んできました。それを下で私含め4名で受け取り、荷台にガンガンぶち込みました。そこで分かりました。これ夜逃げ屋だって」 当時はまだ主流だったブラウン管テレビや小ぶりのタンスなども運び出した。図らずも、夜逃げの片棒を担がされてしまったわけだが、20年も前のこととあって、「今考えればよくキャッチして積み込みできたなー」と感慨深げな様子の男性。しかも、開始から15分ほどで作業が終わったというから驚く。 「闇金の奴らが張り込んでたら、お前ら襲われてたけど今日は助かったね!!」 「2階にいた方々がダッシュで戻ってきて『すぐにトラックに乗れ! 急げ!』って。言われた通りトラックの幌に乗り込んだとこでトラック急発進。しばらく走ったところでトラック停車。社長に呼ばれて降りると『お疲れ様! これ5万取っとけ!』って現金5万円もらいました」 約束通りの報酬を受け取ったものの、確認せずにはいられなかったようだ。社長に「さっきのは夜逃げですか?」と聞いた。すると社長はあっけらかんと、こう言った。 「うん! そだよ! 闇金の色んなところから借りまくってるやつを飛ばすんだよ! いやー、闇金の奴らが張り込んでたら、お前ら襲われてたけど今日は助かったね!! またお願いしていい?」 当然の如く「もう大丈夫です!」と断り、5万円を財布に入れて帰ったという男性は、「夜逃げ屋なんて。あんなバイト、報酬倍でも多分もうやらないです」と結んだ。たとえ10万円だったとしても、こんなリスクの大きい仕事はやりたくないだろう。
「すぐにトラックに乗れ!急げ!」報酬は5万円、深夜1時に目出し帽を被らされ「夜逃げ」の手伝いをした男性【後編】
闇バイトが問題になっているが、知らないうちに、危険な仕事に参加させられることもあるようだ。投稿を寄せた関東地方の40代男性は、「昔の話ですがもう時効だと思いますので投下します」と、10代後半の頃の体験を打ち明けた。
友人の父親が社長を務める会社で「新聞の勧誘のバイト」をしていた。ある日、社長から、
「日払いで別の仕事を手伝ってくれと。多分1時間もあれば終わるし5万払う」
と依頼され、仕事内容を確認せず飛びついた。こうして悪事に手を染めることに。
深夜1時、集合場所にトラックがやってきた。運転手は社長で、幌の付いた荷台に乗るよう指示された。荷台には「知らないおじさん」が8人ほど乗っていたという。
移動中は無言で、40分ほど経った頃にそのうちの1人が「つけろ」と言い、黒い塊を渡してきた。広げると、黒の目出し帽だった。
「みんな黙ってマイ目出し帽を装着しだして。完全にテロリストの集まりみたいな状態に。これはさすがに強盗か空き巣でもやらされるのかなと真面目に覚悟してた」
ここまでは【前編】で伝えた通りだ。男性の嫌な予感は当たってしまうのだろうか。(文:天音琴葉)
「どんどんいくよー」の掛け声で、ブラウン管テレビやタンスを搬出
とあるアパートの下でトラックは止まった。すると、みんなダッシュで降りてくので、とりあえず付いていったが、社長に、
「お前は下で受け取って荷台に放り込めばいいからな? 落とすなよ?」
と指示された男性。次の瞬間、2階の部屋の窓が全開になり、目出し帽の人がベランダに出てきた。そして「どんどんいくよー」の掛け声で……
「2階のベランダから衣類や家具がボンボン飛んできました。それを下で私含め4名で受け取り、荷台にガンガンぶち込みました。そこで分かりました。これ夜逃げ屋だって」
当時はまだ主流だったブラウン管テレビや小ぶりのタンスなども運び出した。図らずも、夜逃げの片棒を担がされてしまったわけだが、20年も前のこととあって、「今考えればよくキャッチして積み込みできたなー」と感慨深げな様子の男性。しかも、開始から15分ほどで作業が終わったというから驚く。
「闇金の奴らが張り込んでたら、お前ら襲われてたけど今日は助かったね!!」
「2階にいた方々がダッシュで戻ってきて『すぐにトラックに乗れ! 急げ!』って。言われた通りトラックの幌に乗り込んだとこでトラック急発進。しばらく走ったところでトラック停車。社長に呼ばれて降りると『お疲れ様! これ5万取っとけ!』って現金5万円もらいました」
約束通りの報酬を受け取ったものの、確認せずにはいられなかったようだ。社長に「さっきのは夜逃げですか?」と聞いた。すると社長はあっけらかんと、こう言った。
「うん! そだよ! 闇金の色んなところから借りまくってるやつを飛ばすんだよ! いやー、闇金の奴らが張り込んでたら、お前ら襲われてたけど今日は助かったね!! またお願いしていい?」
当然の如く「もう大丈夫です!」と断り、5万円を財布に入れて帰ったという男性は、「夜逃げ屋なんて。あんなバイト、報酬倍でも多分もうやらないです」と結んだ。たとえ10万円だったとしても、こんなリスクの大きい仕事はやりたくないだろう。