「お買い得」なミクシィ社員 転職するなら今がチャンス? 2013年10月30日 企業徹底研究 ツイート 10月23日、「オレンジのソーシャル会社で、数日前から大規模なリストラがはじまっている」と明かす匿名ブログ記事が投稿された。突然の席替えを行い、対象者を執務室から追い出して「コールセンターみたいなところ」へ配属しているという。 ブログ読者の間では、この会社がミクシィではないかと噂になった。同社広報はメディアの取材に「250名を超える人員に対して適材適所の部署異動をする」と説明。首切りの意図は否定したが、大規模な事業の見直しを図っていることは確かなようだ。 エンジニアは引く手あまた「年収アップも望みやすい」 実際、ミクシィでは売上減が続いている。事業の中で特に落ち込みが激しいのは「広告収入」だが、プレミアム課金やミクシィゲームでの課金で回収できているわけでもないのが痛い。 今年度に入って「主要サービスのスマホアプリ化」と「コンテンツ系スマホアプリの提供」を課題に掲げているが、出遅れは取り返し困難と指摘する声もある。 そうなると気になるのが、ミクシィ社員の将来だ。会社に残って事業の立て直しに携わるのか、それとも「元ミク」の看板を持って新たな活躍の舞台を求めるのか。 カスタマーセンターにどんな人が配置されたのかは分からないが、第一線で活躍するエンジニアではないだろう。しかし転職エージェントのA氏は、ミクシィのエンジニアは「今のうちに転職したほうが得なのではないか」と話す。 「最近は第2の『パズドラ』を狙う意欲的な会社が多く、『ミクシィでスマホアプリを手掛けていました』という人なら、引く手あまたといってもいい。年収アップも望みやすいでしょう。スマホアプリ開発の経験があるエンジニア職なら、若手ベンチャーがおススメです」 ただしPCでのWebアプリ開発しかやってこなかったエンジニアだと、「すでに企業でも手が足りている状態なので、年収アップは難しいかもしれない」という。 営業やプランナーなどの非エンジニア職の場合ではどうか? この仕事は個人のスキルや実績などに依存するところが大きいので、未知数と言わざるをえない。 「ただ、自分なりに『こういうことができます!』『ミクシィでこういうサービスを企画し、実行してきました』と言える人は、他社でも通用しやすいでしょう」 とはいえ、ミクシィほどの知名度のない会社に移ったときには、自分のいた会社の看板の大きさを痛感することがあるかもしれない。 高給グリー社員とのバッティングは心配無用? ここで気になるのが、ソーシャルゲームのグリーでも200名程度の希望退職者を募集しているということだ。ミクシィと同様、スマホ対応の遅れによって、良質なスマホアプリを手掛けるガンホーやコロプラなどにユーザーを奪われている。 転職市場で、ミクシィ社員とグリー社員とがバッティングする可能性もあるわけだが、A氏はミクシィ社員の「年収の低さ」が、転職で有利に働くかもしれないという。 グリーには高いインセンティブ(成果報酬)によって、年収800万~1000万円を得ている社員も少なくない。しかし業界全体ではそこまで待遇を上げられる会社は少なく、転職とともに年収ダウンということも起きやすい。 「採用企業側も『高収入の人を雇うと給与面でもめそう』と敬遠しがちです。反面、ミクシィの給与はそこまで高くないので、前職の経歴が評価されれば転職先で年収アップしやすい。企業との待遇交渉でも落とし所も見つけやすいでしょう」 有価証券報告書によれば、グリー社員の平均年収は約744万円(2013年6月現在)だが、ミクシィ社員の平均年収は約615万円(同年3月現在)と120万円以上の開きがある。 投資家のやまもといちろう氏は、「mixiのDNAを宿した社員が人材紹介会社に放たれ」ることを予想するようなブログを書いている。社員たちは「大海原に散って」雌伏のときを過ごした後、いつか「元ミク」として再集結する日が来るのかもしれない。 (最新の記事は twitter.com/kigyo_insiderへ)
「お買い得」なミクシィ社員 転職するなら今がチャンス?
10月23日、「オレンジのソーシャル会社で、数日前から大規模なリストラがはじまっている」と明かす匿名ブログ記事が投稿された。突然の席替えを行い、対象者を執務室から追い出して「コールセンターみたいなところ」へ配属しているという。
ブログ読者の間では、この会社がミクシィではないかと噂になった。同社広報はメディアの取材に「250名を超える人員に対して適材適所の部署異動をする」と説明。首切りの意図は否定したが、大規模な事業の見直しを図っていることは確かなようだ。
エンジニアは引く手あまた「年収アップも望みやすい」
実際、ミクシィでは売上減が続いている。事業の中で特に落ち込みが激しいのは「広告収入」だが、プレミアム課金やミクシィゲームでの課金で回収できているわけでもないのが痛い。
今年度に入って「主要サービスのスマホアプリ化」と「コンテンツ系スマホアプリの提供」を課題に掲げているが、出遅れは取り返し困難と指摘する声もある。
そうなると気になるのが、ミクシィ社員の将来だ。会社に残って事業の立て直しに携わるのか、それとも「元ミク」の看板を持って新たな活躍の舞台を求めるのか。
カスタマーセンターにどんな人が配置されたのかは分からないが、第一線で活躍するエンジニアではないだろう。しかし転職エージェントのA氏は、ミクシィのエンジニアは「今のうちに転職したほうが得なのではないか」と話す。
ただしPCでのWebアプリ開発しかやってこなかったエンジニアだと、「すでに企業でも手が足りている状態なので、年収アップは難しいかもしれない」という。
営業やプランナーなどの非エンジニア職の場合ではどうか? この仕事は個人のスキルや実績などに依存するところが大きいので、未知数と言わざるをえない。
とはいえ、ミクシィほどの知名度のない会社に移ったときには、自分のいた会社の看板の大きさを痛感することがあるかもしれない。
高給グリー社員とのバッティングは心配無用?
ここで気になるのが、ソーシャルゲームのグリーでも200名程度の希望退職者を募集しているということだ。ミクシィと同様、スマホ対応の遅れによって、良質なスマホアプリを手掛けるガンホーやコロプラなどにユーザーを奪われている。
転職市場で、ミクシィ社員とグリー社員とがバッティングする可能性もあるわけだが、A氏はミクシィ社員の「年収の低さ」が、転職で有利に働くかもしれないという。
グリーには高いインセンティブ(成果報酬)によって、年収800万~1000万円を得ている社員も少なくない。しかし業界全体ではそこまで待遇を上げられる会社は少なく、転職とともに年収ダウンということも起きやすい。
有価証券報告書によれば、グリー社員の平均年収は約744万円(2013年6月現在)だが、ミクシィ社員の平均年収は約615万円(同年3月現在)と120万円以上の開きがある。
投資家のやまもといちろう氏は、「mixiのDNAを宿した社員が人材紹介会社に放たれ」ることを予想するようなブログを書いている。社員たちは「大海原に散って」雌伏のときを過ごした後、いつか「元ミク」として再集結する日が来るのかもしれない。
(最新の記事は twitter.com/kigyo_insiderへ)