• ソニーとパナソニックが「インド」で巻き返し でも国内は…

    2014年2月17日放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)では、韓国のサムスンなどに押され苦戦を強いられている日本の家電メーカー、ソニーとパナソニックの「インドでの巻き返し戦略」が紹介されていた。

    人口12億を超えるインドは、国民の80%が日本に好意的な印象を持っているという。経済成長率は年5%、巨大な中間所得者層がいて消費が拡大しつつある、新規参入の大きなチャンスがある国だ。

    現地向けの「画質」「音声」実現でヒット

    ライバルたちを凌ぐためにソニーが考え出したのは、鮮やかな画質を好む「インド人画質」だ。都市部の電気店では一番高額だが、インド人の好みに合わせたソニーの薄型テレビが一番売れているという。

    番組ゲストで、インド人の父親をもつモデルのRENAも、

    「(インド人のテレビ選びには)音と画質はとても大事。(民族衣装の)サリーは鮮やかな色合いで、それに合わせてメイクもする。その色彩が表現されないと意味がない。ダンスが大好きなので、テレビの音を最大にする」

    と語り、よく吟味して納得の行く買い物をするインド人の気質も説明していた。

    さらにソニーは、国内トップ3に挙げられるテレビ局をムンバイに持ち、人気番組はソニーのスマートフォン限定で配信している。これにより、シェアは大幅アップ。コンテンツとハードの融合をインドで実現した。

    一方、パナソニックは、花柄で鍵付きの冷蔵庫やサリーが洗える洗濯機など、やはりインド人の好みに合わせた家電製品が好調だ。インド人を知り、斬新なアイディアが出せるかが鍵となるため、社長特命でやる気のある若手10人を公募し、インドに送り込んだ。

    「真面目に働く」だけでは通用しないシビアさ

    また、パナソニックでは、あえてその道のプロではない異色の人選で、インド全土にビジネスチャンスを見つけていくプロジェクトも展開中だ。さらに今後、インド工場の敷地内でスマホやテレビ、パソコンを作り、インドを輸出基地にして中東・アフリカに進出する野望があるという。

    「これがうまく行けば、日本の家電がまた輝く日が来るんですね」

    番組出演者たちは期待を膨らませていたが、日本の雇用や市場が置き去りにされていく感覚もあった。増員を続けるソニーインディアは9割がインド人だが、日本国内でのリストラは続いている。

    ソニーインディアの日比賢一郎社長が「急進的で革新的な成長を求める」と販売戦略会議で語ったように、単に生き残りをかけた試みということではなく、攻めの姿勢が求められる。

    日本企業がインドで伸びてゆくのは良いことだし、日本ブランドが再び盛り返すならば、日本経済にも恩恵があるだろう。

    ただ、フツーの勤め人としては、ただ真面目に働いているだけでは不十分で、現場を知って柔軟な発想ができる人材が必要とされるシビアな情勢なんだなということを、改めて認識させられた。(ライター:okei)

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