消費税増税も悪くない? 競争激化で「コーヒー市場」の選択肢広がる 2014年3月25日 企業徹底研究 ツイート 2014年4月1日から、消費税が8%にアップする。3月20日放送のワールドビジネスサテライト(テレビ東京系)では、増税に伴う「コーヒー市場」の動きを取り上げていた。 番組は、日本コカ・コーラが消費税増税に伴い、自動販売機の缶コーヒー価格を10円値上げする話題を取り上げた。他社も追随を表明しているが、たった10円の値上げでも買い控えのきっかけにする消費者もいるかもしれない。 大手は高付加価値化。価格で対抗する企業も この動きに対応するように、コカ・コーラ社は主力商品である「ジョージア・ヨーロピアンシリーズ」を全面リニューアルする。注目点は、わずか8坪の広さで3年前にオープンした東京・恵比寿の珈琲店「猿田彦珈琲」と提携したことだ。 猿田彦珈琲の大塚朝之オーナーの助言をもとに、コカ・コーラ社は豆や焙煎方法などを徹底的に見直し、品質を上げる。大塚氏は監修にあたり、「滑らかな質感と透明感のあるクリーンなコーヒーをつくることにこだわった」という。 コカ・コーラ社の斎藤敦ディレクターは、消費税増税を事業拡大のチャンスするために「新しい客をどれだけ取り込めるか」にチャレンジすると語った。そのためには、「今までにない異例の結びつきで新しい刺激を求めること」が必要だという。 大手の「高付加価値化」に、「価格抑制」で対抗する会社もある。東京や神奈川などに3200台の自動販売機を設置している「ミリオン」は、大量仕入の薄利多売で缶コーヒーなどの飲料を100円以下で販売している。 平川隆行専務は、増税後もこの価格設定は崩さないという。30円の開きがあれば、消費者は100円の缶コーヒーを選ぶとの予測から、増税後こそ事業拡大のチャンスだと強気だ。 コンビニの「淹れたてコーヒー」が刺激に 強気の両社にも懸念がある。最近伸びをみせるコンビニエンスストアの「淹れたてコーヒー」の台頭だ。セブンカフェは発売9か月で累計2億杯のコーヒーを販売し、2013年の「日経MJヒット商品番付」で東の横綱に輝いている。 コンビニコーヒーは、複数の店舗が増税に伴う値上げをしないと表明している。コカ・コーラ社もミリオン社も、この動きをかなり意識しているようだ。 高付加価値化を図る大手か、薄利多売の100円コーヒーか。それとも本格的な味が楽しめるコンビニコーヒーか。増税を機会に選択肢が広がることは、消費者にとって悪いことばかりではない。(ライター:nora) あわせてよみたい:居酒屋が学生アルバイトに「就活支援」
消費税増税も悪くない? 競争激化で「コーヒー市場」の選択肢広がる
2014年4月1日から、消費税が8%にアップする。3月20日放送のワールドビジネスサテライト(テレビ東京系)では、増税に伴う「コーヒー市場」の動きを取り上げていた。
番組は、日本コカ・コーラが消費税増税に伴い、自動販売機の缶コーヒー価格を10円値上げする話題を取り上げた。他社も追随を表明しているが、たった10円の値上げでも買い控えのきっかけにする消費者もいるかもしれない。
大手は高付加価値化。価格で対抗する企業も
この動きに対応するように、コカ・コーラ社は主力商品である「ジョージア・ヨーロピアンシリーズ」を全面リニューアルする。注目点は、わずか8坪の広さで3年前にオープンした東京・恵比寿の珈琲店「猿田彦珈琲」と提携したことだ。
猿田彦珈琲の大塚朝之オーナーの助言をもとに、コカ・コーラ社は豆や焙煎方法などを徹底的に見直し、品質を上げる。大塚氏は監修にあたり、「滑らかな質感と透明感のあるクリーンなコーヒーをつくることにこだわった」という。
コカ・コーラ社の斎藤敦ディレクターは、消費税増税を事業拡大のチャンスするために「新しい客をどれだけ取り込めるか」にチャレンジすると語った。そのためには、「今までにない異例の結びつきで新しい刺激を求めること」が必要だという。
大手の「高付加価値化」に、「価格抑制」で対抗する会社もある。東京や神奈川などに3200台の自動販売機を設置している「ミリオン」は、大量仕入の薄利多売で缶コーヒーなどの飲料を100円以下で販売している。
平川隆行専務は、増税後もこの価格設定は崩さないという。30円の開きがあれば、消費者は100円の缶コーヒーを選ぶとの予測から、増税後こそ事業拡大のチャンスだと強気だ。
コンビニの「淹れたてコーヒー」が刺激に
強気の両社にも懸念がある。最近伸びをみせるコンビニエンスストアの「淹れたてコーヒー」の台頭だ。セブンカフェは発売9か月で累計2億杯のコーヒーを販売し、2013年の「日経MJヒット商品番付」で東の横綱に輝いている。
コンビニコーヒーは、複数の店舗が増税に伴う値上げをしないと表明している。コカ・コーラ社もミリオン社も、この動きをかなり意識しているようだ。
高付加価値化を図る大手か、薄利多売の100円コーヒーか。それとも本格的な味が楽しめるコンビニコーヒーか。増税を機会に選択肢が広がることは、消費者にとって悪いことばかりではない。(ライター:nora)
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