ソニー CB発行決定後に株価急落 平井体制の戦略に社員は不満 2012年11月26日 今日の口コミ&年収 ツイート ソニーは11月14日、総額1500億円の17年満期ユーロ円建てCB(転換社債型新株予約権付社債)を発行すると発表した。 ソニーでは「コア事業の強化、テレビ事業の再建、新興国での事業拡大などの成長戦略を確実に遂行するための資金調達が目的」と、ソニーでは説明している。 「CB発行決定は、市場で負債による資金調達を実施できるとの平井社長の自信の表れ。また、平井社長は株価が過小評価されていると考えており、株式への転換が進みやすいと見ている」と、平井一夫社長に近い関係者は話している。 ところが、翌15日の東京株式市場でソニー株価は、調達目的への失望売り続出で前日比9%も急落、793円で引け、32年ぶりの安値を付けた。 証券アナリストは「平井社長の経営に市場が不安感を持っている証拠」と分析。実際、株価が回復しなければ、同社は17年に多額の返済を迫られることになる。 平井社長は4月に新経営計画を発表し、経営建て直しに取り組んでいるが、株価は16日以降も810円台と低迷したままだ。 何ら「ソニーらしい成果」を挙げられない「平井経営」に、市場は苛立っているともいわれている。では、当のソニー社員は、平井経営の現状をどのように見ているのだろうか。キャリコネの口コミを見てみよう。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】 「エレクトロニクス事業について戦略が不透明な状況にあり、業績、将来性は非常に暗いと考える。CEOが対外的に発表している内容と、客観的な市場データや内部で語られていることがあまり一致していないため、戦略に対する社員の納得感が低い。社員の中には朝令暮改に慣れすぎた雰囲気があり、経営陣が勝手に言っている、と冷めた社員が多い」 と、商品企画部門で働く、30代前半の男性社員は言う。また、マーケティング部門の男性社員(20代後半)は、人材活用の乏しさを指摘している。 「大規模なリストラを予定しているが、優秀な若手も会社に愛想をつかせて転職している。特に顕著なのが働き盛りの30代前半。この会社は人事が何もしないので教育制度は無いに等しい。他社が行っているような幹部候補生を集中教育するような仕組みもない。優秀な人材を活かすことができていないのが一番の問題ではないかと感じる」 一方、ソフトウェア開発部門の男性社員(40代後半)は、平井社長の組織いじりにうんざりしている様子だ。 「ここ1年は組織変更ばっかりやっている。たしかに組織を組み替えて名前を変えれば、仕事をしたという感じがするのかも知れないが、その間は方針もはっきりせず、やっていることがどうなるのか、意味があることなのかもはっきりしない」 こうした平井体制について、業界関係者は厳しい評価をしている。 「平井さんはハワード・ストリンガー会長から『四銃士』の一人に抜てきされた若手のホープだったが、それはストリンガー会長の好きな経営データ分析に長けていただけ。経営のグランドデザインを描ける器ではない。この半年間の平井さんの行動から、それを社員は感じているし、投資家は経営者としての資質をもっと敏感に感じている。チーム平井にソニーの再建はできない」 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年10月末現在、37万社、20万件の口コミが登録されています。
ソニー CB発行決定後に株価急落 平井体制の戦略に社員は不満
ソニーは11月14日、総額1500億円の17年満期ユーロ円建てCB(転換社債型新株予約権付社債)を発行すると発表した。
ソニーでは「コア事業の強化、テレビ事業の再建、新興国での事業拡大などの成長戦略を確実に遂行するための資金調達が目的」と、ソニーでは説明している。
「CB発行決定は、市場で負債による資金調達を実施できるとの平井社長の自信の表れ。また、平井社長は株価が過小評価されていると考えており、株式への転換が進みやすいと見ている」と、平井一夫社長に近い関係者は話している。
ところが、翌15日の東京株式市場でソニー株価は、調達目的への失望売り続出で前日比9%も急落、793円で引け、32年ぶりの安値を付けた。
証券アナリストは「平井社長の経営に市場が不安感を持っている証拠」と分析。実際、株価が回復しなければ、同社は17年に多額の返済を迫られることになる。
平井社長は4月に新経営計画を発表し、経営建て直しに取り組んでいるが、株価は16日以降も810円台と低迷したままだ。
何ら「ソニーらしい成果」を挙げられない「平井経営」に、市場は苛立っているともいわれている。では、当のソニー社員は、平井経営の現状をどのように見ているのだろうか。キャリコネの口コミを見てみよう。
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「エレクトロニクス事業について戦略が不透明な状況にあり、業績、将来性は非常に暗いと考える。CEOが対外的に発表している内容と、客観的な市場データや内部で語られていることがあまり一致していないため、戦略に対する社員の納得感が低い。社員の中には朝令暮改に慣れすぎた雰囲気があり、経営陣が勝手に言っている、と冷めた社員が多い」
と、商品企画部門で働く、30代前半の男性社員は言う。また、マーケティング部門の男性社員(20代後半)は、人材活用の乏しさを指摘している。
「大規模なリストラを予定しているが、優秀な若手も会社に愛想をつかせて転職している。特に顕著なのが働き盛りの30代前半。この会社は人事が何もしないので教育制度は無いに等しい。他社が行っているような幹部候補生を集中教育するような仕組みもない。優秀な人材を活かすことができていないのが一番の問題ではないかと感じる」
一方、ソフトウェア開発部門の男性社員(40代後半)は、平井社長の組織いじりにうんざりしている様子だ。
「ここ1年は組織変更ばっかりやっている。たしかに組織を組み替えて名前を変えれば、仕事をしたという感じがするのかも知れないが、その間は方針もはっきりせず、やっていることがどうなるのか、意味があることなのかもはっきりしない」
こうした平井体制について、業界関係者は厳しい評価をしている。
「平井さんはハワード・ストリンガー会長から『四銃士』の一人に抜てきされた若手のホープだったが、それはストリンガー会長の好きな経営データ分析に長けていただけ。経営のグランドデザインを描ける器ではない。この半年間の平井さんの行動から、それを社員は感じているし、投資家は経営者としての資質をもっと敏感に感じている。チーム平井にソニーの再建はできない」
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年10月末現在、37万社、20万件の口コミが登録されています。