東芝 GEと火力発電で合弁会社 「言いたいことが言えない風土」と社員 2013年2月6日 今日の口コミ&年収 ツイート 東芝と米ゼネラル・エレクトリック(GE)は火力発電機事業で提携、合弁会社を設立する。次世代のガスタービン発電機を共同開発が目的で、折半出資になる見通し。詳細は今後詰める。 2社が開発するのは「GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)発電機」。GEの大型ガスタービン技術と、東芝の大型蒸気タービン技術を組み合わせ、100万キロワット級(原発約1基分)のGTCC開発を目指す。 東芝は2006年に原子力発電機大手の米ウエスチングハウスを54億ドルで買収。経営資源を原子力発電機事業に集中してきた。 そのため、火力発電機事業が手薄だったのに加え、三菱重工が12年11月に日立製作所と火力発電機事業の統合を決めたことを受け、火力発電機分野の強化で、新たな対応を迫られていた。 一方、GEは大型ガスタービンで約35%の世界シェアを占め、独シーメンスと首位を争っている。シーメンスは三菱重工とGTCCの共同開発に取り組んでおり、劣勢を挽回する上で東芝の蒸気タービン技術は魅力だった。 こうした両者の事情が提携交渉を円滑化させたといわれている。東芝はGEとのタッグで三菱重・日立連合に対抗できるだろうか。キャリコネの口コミから東芝の内情を見てみよう。 【その他の口コミ&年収記事はこちら】 重電業界では、「殿様の三菱重、紳士の東芝、野武士の日立」と、大手の社風がよく例えられる。言い換えれば、三菱重は「鷹揚」、東芝は「スマート」、日立は「がむしゃら」ということになる。 ところが、キャリコネに寄せられた社員の声からは、東芝の社風は「スマート」とは異なり、「官僚体質」のようだ。例えば、海外営業の男性社員は、次のように述べている。 「全体的に雰囲気が暗く官僚的。仕事の裁量自由度が非常に低い。また、何もかもお膳立てしてあげないと動かないことが多く、どうでもいい仕事に時間を割かれることが多い」 また、研究開発の男性社員(20代後半)は、と硬直した組織と無責任体質を指摘している。 「意思決定が遅い。また、無駄な会議が多い。革新的な意見はまず通らない。典型的な年功序列であり、余程重大な失敗をしない限りは順当に上がっていくため失敗の責任はあまり問われない」 また、プラント施工管理の男性社員(20代後半)は、と、人間関係について、こう言う。 「チームというより個人で動いている感じ。チームで業務遂行するという意識が無い。いかに自分が楽して成果を上げるかに注力している傾向がみられる。言いたいことが言えない風土」 同社関係者は「GEとの提携は始動後も、市場環境が変化すれば柔軟に中身を変えてゆかなければ効果がなく、両者が利益を上げる関係を保てない。しかし、今の東芝の企業体質には、提携で一番重要な柔軟さがない」と話している。
東芝 GEと火力発電で合弁会社 「言いたいことが言えない風土」と社員
東芝と米ゼネラル・エレクトリック(GE)は火力発電機事業で提携、合弁会社を設立する。次世代のガスタービン発電機を共同開発が目的で、折半出資になる見通し。詳細は今後詰める。
2社が開発するのは「GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)発電機」。GEの大型ガスタービン技術と、東芝の大型蒸気タービン技術を組み合わせ、100万キロワット級(原発約1基分)のGTCC開発を目指す。
東芝は2006年に原子力発電機大手の米ウエスチングハウスを54億ドルで買収。経営資源を原子力発電機事業に集中してきた。
そのため、火力発電機事業が手薄だったのに加え、三菱重工が12年11月に日立製作所と火力発電機事業の統合を決めたことを受け、火力発電機分野の強化で、新たな対応を迫られていた。
一方、GEは大型ガスタービンで約35%の世界シェアを占め、独シーメンスと首位を争っている。シーメンスは三菱重工とGTCCの共同開発に取り組んでおり、劣勢を挽回する上で東芝の蒸気タービン技術は魅力だった。
こうした両者の事情が提携交渉を円滑化させたといわれている。東芝はGEとのタッグで三菱重・日立連合に対抗できるだろうか。キャリコネの口コミから東芝の内情を見てみよう。
【その他の口コミ&年収記事はこちら】
重電業界では、「殿様の三菱重、紳士の東芝、野武士の日立」と、大手の社風がよく例えられる。言い換えれば、三菱重は「鷹揚」、東芝は「スマート」、日立は「がむしゃら」ということになる。
ところが、キャリコネに寄せられた社員の声からは、東芝の社風は「スマート」とは異なり、「官僚体質」のようだ。例えば、海外営業の男性社員は、次のように述べている。
「全体的に雰囲気が暗く官僚的。仕事の裁量自由度が非常に低い。また、何もかもお膳立てしてあげないと動かないことが多く、どうでもいい仕事に時間を割かれることが多い」
また、研究開発の男性社員(20代後半)は、と硬直した組織と無責任体質を指摘している。
「意思決定が遅い。また、無駄な会議が多い。革新的な意見はまず通らない。典型的な年功序列であり、余程重大な失敗をしない限りは順当に上がっていくため失敗の責任はあまり問われない」
また、プラント施工管理の男性社員(20代後半)は、と、人間関係について、こう言う。
「チームというより個人で動いている感じ。チームで業務遂行するという意識が無い。いかに自分が楽して成果を上げるかに注力している傾向がみられる。言いたいことが言えない風土」
同社関係者は「GEとの提携は始動後も、市場環境が変化すれば柔軟に中身を変えてゆかなければ効果がなく、両者が利益を上げる関係を保てない。しかし、今の東芝の企業体質には、提携で一番重要な柔軟さがない」と話している。