新入社員に「楽天カード」契約ノルマ30人! 2013年度も伝統健在 2013年5月10日 今日の口コミ&年収 ツイート 「楽天カード勧誘の新人研修(ノルマ30人)があります」「報酬はそこそこだが、楽天カードに家族を入れろなどというノルマがたびたびある」 これは2009年と2010年にキャリコネに書き込まれた、楽天社員の口コミである。楽天の新入社員は人事から「GW明けまでに1人30件のノルマ達成」と言い渡されるのは有名な話だが、2013年もその伝統は健在のようだ。 ツイッター上には「東工大から技術職で楽天に入った同期が『研修期間中にカード30人加入させないとクビ』という規定により無職寸前」という書き込みも見られる。本当にクビになるとは思えないが、配属先や出世に少なからず影響が出る可能性があるらしい。 キャリコネの座談会記事「私たち3年で楽天を辞めました!」によると、カード研修の成績がよい新入社員は社内で表彰され、経営に近い部署に配属される人もいたという。 中には数百件から千件近くも契約を取ってくるスゴ腕もいたが、そういう人は「本人の希望を完全に無視して営業に回された」。どうしても営業に行きたくない人は、そこそこの数字で収めるように調整していたようだ。 楽天のコーポレートサイトには「成功のコンセプト」として、「一人一人が物事を達成する強い意思をもつことが重要」という言葉が掲げられている。カード勧誘のノルマも、そのような三木谷イズムを注入するための通過儀礼なのだろう。 人事部長も同サイトで「この15年、私自身も客観的に『とうてい無理だろう』と思えるような目標を設定し、それを実現してきました。仕事を通じて目標を実現するタフな力が身についたことは、私の人生を豊かにしていると実感しています」と述べている。確かに普通の感覚であれば、30件はとうてい無理だ…。 「あれは人間関係を崩してると思うからやめさせて」 楽天市場はアマゾンと並んで通販サイトの最大手であり、年会費無料のカードを作ることくらい大きな負担ではないという見方もある。営業上の必要性を考えれば「年に数百人も採用する社員のネットワークを最大限に活用しない手はない」のがビジネスの非情さかもしれない。 しかし、実際の負担を強いられるのは、ノルマ達成に付き合わされる家族や友人だ。普段から親しい間柄であれば一肌脱いでやろうという気も起こるが、そうでない場合には無理な勧誘に不快になる人もいるはずだ。ツイッター上にも、 「楽天に入社した社員が恐ろしい勢いで楽天カードを勧誘してくるのが大変恐ろしい。というかあれは人間関係を崩してると思うからやめさせてあげたい」 という書き込みが見られる。 前述の座談会のある参加者は「お願いしただけで友人関係が切れるならそれだけの関係だ」と人事が言ったと明かしているが、それは乱暴すぎる考え方だ。企業のために人間関係を消費するような不健全なやり方は許されるべきではない。 普段はつかず離れずの関係にありながら、いざというときに手を差し伸べ合う「緩やかな絆」は、人の人生を豊かにする。それを自社のために利用し、利用できなければ無理やり断ち切られてもやむを得ない、といったやり方はやめるべきではないか。 【楽天カードと同じような、自社商品を家族や友人に勧めるノルマの例がありましたら、編集部まで情報をお寄せ下さい】
新入社員に「楽天カード」契約ノルマ30人! 2013年度も伝統健在
これは2009年と2010年にキャリコネに書き込まれた、楽天社員の口コミである。楽天の新入社員は人事から「GW明けまでに1人30件のノルマ達成」と言い渡されるのは有名な話だが、2013年もその伝統は健在のようだ。
ツイッター上には「東工大から技術職で楽天に入った同期が『研修期間中にカード30人加入させないとクビ』という規定により無職寸前」という書き込みも見られる。本当にクビになるとは思えないが、配属先や出世に少なからず影響が出る可能性があるらしい。
キャリコネの座談会記事「私たち3年で楽天を辞めました!」によると、カード研修の成績がよい新入社員は社内で表彰され、経営に近い部署に配属される人もいたという。
中には数百件から千件近くも契約を取ってくるスゴ腕もいたが、そういう人は「本人の希望を完全に無視して営業に回された」。どうしても営業に行きたくない人は、そこそこの数字で収めるように調整していたようだ。
楽天のコーポレートサイトには「成功のコンセプト」として、「一人一人が物事を達成する強い意思をもつことが重要」という言葉が掲げられている。カード勧誘のノルマも、そのような三木谷イズムを注入するための通過儀礼なのだろう。
人事部長も同サイトで「この15年、私自身も客観的に『とうてい無理だろう』と思えるような目標を設定し、それを実現してきました。仕事を通じて目標を実現するタフな力が身についたことは、私の人生を豊かにしていると実感しています」と述べている。確かに普通の感覚であれば、30件はとうてい無理だ…。
「あれは人間関係を崩してると思うからやめさせて」
楽天市場はアマゾンと並んで通販サイトの最大手であり、年会費無料のカードを作ることくらい大きな負担ではないという見方もある。営業上の必要性を考えれば「年に数百人も採用する社員のネットワークを最大限に活用しない手はない」のがビジネスの非情さかもしれない。
しかし、実際の負担を強いられるのは、ノルマ達成に付き合わされる家族や友人だ。普段から親しい間柄であれば一肌脱いでやろうという気も起こるが、そうでない場合には無理な勧誘に不快になる人もいるはずだ。ツイッター上にも、
という書き込みが見られる。
前述の座談会のある参加者は「お願いしただけで友人関係が切れるならそれだけの関係だ」と人事が言ったと明かしているが、それは乱暴すぎる考え方だ。企業のために人間関係を消費するような不健全なやり方は許されるべきではない。
普段はつかず離れずの関係にありながら、いざというときに手を差し伸べ合う「緩やかな絆」は、人の人生を豊かにする。それを自社のために利用し、利用できなければ無理やり断ち切られてもやむを得ない、といったやり方はやめるべきではないか。
【楽天カードと同じような、自社商品を家族や友人に勧めるノルマの例がありましたら、編集部まで情報をお寄せ下さい】