• デジタルネイティブの「恐るべき子どもたち」 国や企業がこぞって後押し

    2014年4月3日のワールドビジネスサテライト(テレビ東京)では、10代で起業する若者たちと、それを支援する動きを紹介していた。

    高校1年生の角南萌さん(15歳)は、幼い頃からパソコンに触れて育った「デジタルネイティブ」世代だ。10歳の誕生日に「どうしても」とねだってパソコンを買ってもらい、独学でプログラミングを学んだ。

    中2で「アプリ甲子園」優勝、高1で会社設立

    中学2年生の時に「見えるプレゼンタイマー」というアイフォーン用アプリを開発。学校のディベート大会で、時間内に言いたいことが言えず悔しい思いをした。その経験から、プレゼンテーションのテーマごとに時間を設定し、簡単に確認できるアプリを作った。

    このアプリは、文部科学省の後援事業認可も受けている「アプリ甲子園2012」(主催D2C)で優勝を果たし、ダウンロード回数は5万回にのぼるという。現在は、各地から面白い授業の事例を集める投稿サイトを開発中。

    「面白い授業の情報をシェアできるサイトがあれば、世界中の授業が面白くなり勉強が楽しくなる。本来の学校の目的が達成される」

    と笑顔で語り、自らのサイトを広げていくために起業した。会社登記を終え、法務局から出てきた角南さんは「いろいろなことができそう。やる気みたいな、希望みたいな、頑張っていける」と期待と希望に満ちた表情だった。

    3月31日、経済産業省でベンチャー有識者会議が開かれた。2001年から、米国・英国では開業率が10%で推移したのに対し、日本は5%以下と低迷を続けている。茂木経済産業大臣は、新規の開業率を改善したいという意気込みをこう語った。

    「グーグルは(米国の)大学から育ってきた。次の時代のグーグル、アップル、フェイスブックは日本から出す」

    16歳の起業家「いまの上場企業は50年持たない」

    その経済産業省の有識者会議に、1人の高校生が招かれた。株式会社GNEXの三上洋一郎社長(16歳)だ。運営するサイト「ブリッジキャンプ」はアイデアを実現したい中高生と、中高生を応援したい企業や社会人などを結びつけるサービスだ。

    ブリッジキャンプは、賛同する企業からのスポンサー収入で運営。スタッフは10人、3か月に1度、5万円から20万円の給料を支払っている。

    3歳の頃からパソコンで遊んでいたという三上さんは、14歳で仲間とウェブサービスを開発。2013年、15歳で株式会社GNEXを起業した。三上さんは起業の動機をこう語る。

    「多くの上場企業は50年くらいだと思うが、日本経済が落ちてきている中で、果たして後50年もつのか。自分が影響力を持った組織を作ってしまった方がいい」

    その三上さんに可能性を感じて500万円を出資したのが、サムライインキュベートの榊原健太郎社長だ。「5年後、10年後の世の中を分かっているのは、今の中学生や高校生や大学生だと思う。中学生とか小学生で起業するのは普通という概念を日本でも作りたい」という。

    リクルート「若い人でなければ激流についていけない」

    ベンチャー企業が投資を集めるための企業説明会で、三上さんがプレゼンした後、リクルートから1年間で360万円の支援をするスポンサー契約の申し入れがあった。リクルートホールディグス・岡本彰彦さんは、投資の理由をこう語る。

    「インターネットビジネスは、ものすごいスピードで変化している。若い人たちの感性 チャレンジ精神がないと、激しい潮流についていけない」

    この期待感に、16歳の三上洋一郎社長は「経験は少ないが“創造性や何かに縛られない広さ”に期待されていると思う」と語った。語り口がすべて非常にしっかりしており、まるで30代の分別と落ち着きを持っているように見えた。

    ちなみに、番組のFacebookページがこの回を紹介したところ、視聴者から3000を超える「いいね!」が寄せらた。書き込みの中には、応援とともに「プレゼン上手い屁理屈なガキ」と揶揄するものも見られる。

    周囲の大人たちには、彼らを若いからと侮ったり足を引っ張ったりして欲しくないが、もしそんな障害があったとしても軽々と乗り越えてくれそうな、伸びやかな賢さを感じた。(ライター:okei)

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