電通、GS、伊藤忠――人気企業に続々内定 就活最強の部活は「ラクロス」 2014年5月29日 キャリコネ調査班 ツイート 昔から就職に強いと言われる体育会系の人材だが、意外な変化が起きているようだ。かつてはラグビーや野球など伝統的な競技が体育会の花形として知られていたが、最近は「ラクロス」という新しい競技が企業から注目されているという。 5月28日に日経新聞電子版の学生向けコーナー「お悩み解決!就活探偵団」に掲載された記事「人事が欲しがる体育会系 意外な『就活最強』競技」で、その実態が紹介されている。 「スポーツ推薦枠」がなくチーム運営も民主的 記事によると、体育会系の学生を大量に採用しているのは、銀行や証券などの金融系と、総合商社。チームで動くのに慣れているほか、ストレス耐性が高く、営業職などに強いという。 このためラグビーや野球、アメフトなどが企業から人気だった。 そこに新たに割り込んできたのが、ラクロスだ。北米先住民発祥のスポーツで、先に網のついた棒を使ってボールをゴールに運び、味方にパスしながら相手のゴールに投げ込む。 1チーム10~12人で行う団体競技で、男子はアメフトのような防具をつけて相手と身体ぶつかりあう。球速は最速で時速160キロにもなるといい、かなり激しいスポーツだ。 日本では、1986年に慶應義塾大学で初めてラクロスチームが作られて、その後全国に普及。全日本選手権も毎年行われているが、競技人口は2万人とかなり少ない。 それでもなぜ企業に人気があるのか。記事はその理由について、「ラクロスは大学にスポーツ推薦枠がない」ことをあげている。 スポーツ推薦で入学する学生は、学力が高いとはいえず、入学してからも勉強しない人が多い。推薦枠を持たないラクロスの選手は、一定の学力が保証されているというわけだ。 また、競技の歴史が浅いため、監督がいるチームが少なく、大学リーグも学生が運営している。そのためラクロス部出身者は、主体的に行動できる学生が多いという。 「就職率100%」で新入生を勧誘する部も 編集部で調べてみると、2014年冬には「ラクロス部の部員」だけを対象にした就活イベントも行われていることが分かった。担当者のブログによると、ラクロスは大学から始める人が大半なので、野球やサッカーのようなメジャースポーツと比べて、個人スキルに差異が生まれない。 そのため、試合の勝敗はチームワークによるものが多く、普段から「いかにして、チームの力を最大化させるか」を意識して練習しているという。企業に人気のゆえんだ。 大学のラクロス部にも、就活への効果をアピールするところがある。明治大学の女子ラクロス部は2014年4月の公式ブログで、新入生に向けて、 「就職率はなんと100%!!すごくないですか?就職難であるこのご時世に100%なんて!」 と強調。多くの部員が大企業に就職しているとし、三井住友銀行、サントリー、アサヒビール、ANA、日本ハム、HIS、野村証券などの企業名をあげる。 千葉大学の男子ラクロス部も、ウェブサイトのQ&Aコーナーで、「就職に有利って本当ですか?」という質問に、 「本当です。先輩から就活の情報を得られますし、他大学とも交流することができ、コミュニケーション能力を高められることが大きいです」 と回答。OBの就職先として、伊藤忠商事、キユーピー、ホンダ、富士通などの企業名をあげて胸を張っている。早稲田大学男子ラクロス部も、ウェブサイトでOBの主な就職先として、ゴールドマン・サックス、住友商事、電通、リクルート、マイクロソフトなどの企業名を列挙している。 ラクロスは2013年10月の「週刊ダイヤモンド」の「人気業界に強い部活」ランキングでも、野球やサッカー、アメフトなどを抑えて1位になっている。大学に入って新しいスポーツを始めてみたい、という人はラクロスにするのもいいかも知れない。 あわせて読みたい:「すき家スト」で深夜の「ワンオペ」どうなる 最新記事は@kigyo_insiderをフォロー/キャリコネ編集部Facebookに「いいね!」をお願いします
電通、GS、伊藤忠――人気企業に続々内定 就活最強の部活は「ラクロス」
昔から就職に強いと言われる体育会系の人材だが、意外な変化が起きているようだ。かつてはラグビーや野球など伝統的な競技が体育会の花形として知られていたが、最近は「ラクロス」という新しい競技が企業から注目されているという。
5月28日に日経新聞電子版の学生向けコーナー「お悩み解決!就活探偵団」に掲載された記事「人事が欲しがる体育会系 意外な『就活最強』競技」で、その実態が紹介されている。
「スポーツ推薦枠」がなくチーム運営も民主的
記事によると、体育会系の学生を大量に採用しているのは、銀行や証券などの金融系と、総合商社。チームで動くのに慣れているほか、ストレス耐性が高く、営業職などに強いという。
このためラグビーや野球、アメフトなどが企業から人気だった。
そこに新たに割り込んできたのが、ラクロスだ。北米先住民発祥のスポーツで、先に網のついた棒を使ってボールをゴールに運び、味方にパスしながら相手のゴールに投げ込む。
1チーム10~12人で行う団体競技で、男子はアメフトのような防具をつけて相手と身体ぶつかりあう。球速は最速で時速160キロにもなるといい、かなり激しいスポーツだ。
日本では、1986年に慶應義塾大学で初めてラクロスチームが作られて、その後全国に普及。全日本選手権も毎年行われているが、競技人口は2万人とかなり少ない。
それでもなぜ企業に人気があるのか。記事はその理由について、「ラクロスは大学にスポーツ推薦枠がない」ことをあげている。
スポーツ推薦で入学する学生は、学力が高いとはいえず、入学してからも勉強しない人が多い。推薦枠を持たないラクロスの選手は、一定の学力が保証されているというわけだ。
また、競技の歴史が浅いため、監督がいるチームが少なく、大学リーグも学生が運営している。そのためラクロス部出身者は、主体的に行動できる学生が多いという。
「就職率100%」で新入生を勧誘する部も
編集部で調べてみると、2014年冬には「ラクロス部の部員」だけを対象にした就活イベントも行われていることが分かった。担当者のブログによると、ラクロスは大学から始める人が大半なので、野球やサッカーのようなメジャースポーツと比べて、個人スキルに差異が生まれない。
そのため、試合の勝敗はチームワークによるものが多く、普段から「いかにして、チームの力を最大化させるか」を意識して練習しているという。企業に人気のゆえんだ。
大学のラクロス部にも、就活への効果をアピールするところがある。明治大学の女子ラクロス部は2014年4月の公式ブログで、新入生に向けて、
と強調。多くの部員が大企業に就職しているとし、三井住友銀行、サントリー、アサヒビール、ANA、日本ハム、HIS、野村証券などの企業名をあげる。
千葉大学の男子ラクロス部も、ウェブサイトのQ&Aコーナーで、「就職に有利って本当ですか?」という質問に、
と回答。OBの就職先として、伊藤忠商事、キユーピー、ホンダ、富士通などの企業名をあげて胸を張っている。早稲田大学男子ラクロス部も、ウェブサイトでOBの主な就職先として、ゴールドマン・サックス、住友商事、電通、リクルート、マイクロソフトなどの企業名を列挙している。
ラクロスは2013年10月の「週刊ダイヤモンド」の「人気業界に強い部活」ランキングでも、野球やサッカー、アメフトなどを抑えて1位になっている。大学に入って新しいスポーツを始めてみたい、という人はラクロスにするのもいいかも知れない。
あわせて読みたい:「すき家スト」で深夜の「ワンオペ」どうなる
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