• 公務員はどれだけ働いて、どれだけ給料もらってる?

     キャリコネ読者の皆さんは「公務員」に対して、どんなイメージを持っているだろうか。「日々、国民や地域住民のために頑張っている」「国や地域の活性化に一役買っている」という好意的な見方もあれば、一方で「仕事がラク」「頑張らないでも給料がもらえる」という見方も一般的だ。とはいえ近年は公務員に対する待遇も厳しく、折からの不景気や東北地方太平洋沖大震災の復興財源の確保のため、政府は国家公務員の給与カットを打ち出した。
     しかしながら公務員とは本当に、ノルマや収入に怯えることのない、ラクな職業だろうか。その実態を探るためにキャリコネでは、公務員(国家、地方含む)の登録ユーザーを対象に、彼らの収入、仕事観などについてアンケートを実施。公務員として働いている側から、仕事や世間の目に対してどう感じているのか、貴重な意見を得た。

    官民の給与水準に差がでるのは50歳代以降

     公務員バッシングでよく耳にするのが「仕事ができなくても、給料は年功序列で上がっていく」という、収入に関するもの。なかには「業務内容の割に多くもらいすぎ」といった意見もある。実際にデータを見ても、国家公務員一般職の平均給与月額は約40.8万円(平成22年国家公務員給与等実態調査より。人事院調べ)、地方公務員だと約38.5万円(平成22年地方公務員給与実態調査より。総務省調べ)と、民間の約31.5万円(平成22年版労働経済の分析より。厚生労働省)に比べると高め。ただし年齢を考慮すると、実情は異なり、「平成22年8月人事院勧告」では「30歳代までは民間の給与水準が公務を上回っているのに対し、50歳代では公務が民間を上回っている」と報告されている。今回のアンケート回答者データでも平均給与月額は32.3万円(平均年齢33.3歳)。さほど民間と変わらず、個別で見ると静岡県内市役所勤務・24歳男性の例では、月給19万円(基本給18万円、手当1万円)と正直ながら「民間よりもらっている」と責められるような金額ではない。
     50歳台、特に50歳台後半で官民の給与差が拡大していることについては、「管理職に昇任して給与があがること」「在職期間長期化のため、この年齢層において上位級在職者の割合が高い」と人事院勧告では説明されている。そして「是正を図る必要がある」とも報告されている。

     「給与に関する世代間のギャップは大きく、少なからず不満はあります」と話すのは、国土交通省勤務・34歳男性のAさん。彼の場合、月額給与は34万円(基本給28万円、手当4万円)だが定期昇給は年6000~7000円程度。ボーナスについては、昨年の年4.5ヶ月から今年は3.95ヶ月と減少に転じている。「公務員として採用されている職員はほとんど一部上場企業に採用されるレベル。にもかかわらず、中小零細企業を給与の対象として考えられているので給与は低くなってしまいます」。
     一方で、神奈川県内の市役所に勤務・37歳男性のBさんは、「月給は基本給27万円と手当2万円で29万円。これに、月平均残業代が2万円です。大手や外資に勤めている同期と比べてあまりに少なく、ショックを受けました(笑)」。ただしBさんの勤務先の場合、係長試験に合格すると、大幅な昇給が見込めるという。
    「とはいえ、なかには、昇給分の対価がないと係長試験を受けない職員もいますが、私は近々受けようと思っています」
     Bさんが勤める市役所の場合、「係長になって仕事量が増えるなら、いまのままでいい」「現場にいつづけたい」といった理由から、あえて昇進試験を受けない職員もいるとか。とくに女性の場合、ワークライフバランスを優先させたいことから、あえて平職員で通す人も多いそうだ。

     公務員の給与は基本的に民間と均衡が図られるのはご存じの通り。そう考えると今後上昇するとは考えづらく、先述の人事院勧告報告を見ても現状の50歳代からの上方急カーブも維持される保証もない。今回のアンケートでも、「基本給の昇給が少ない、1年に3000円程度。かつ数年前から継続的に給料カットのため一向に手取りが増えず、むしろ減っている」(国税専門官・27歳男性。月額給与22.7万円)、「毎日、終電近くまで残業し、土日返上で頑張っているのに、この給料はありえない。無論、ヒマをもてあましている公務員もいるだろうが、そこだけをとりあげて、もらいすぎといわないでもらいたい」(大阪府内市役所勤務・42歳男性。月額給与34万円)、「給料が思っていた以上に安かった。大企業には遠く及ばず中小企業の中で上位くらいではないだろうか。良かったことは、自分がやる仕事が全て住民の皆様の助けになるということを感じながら仕事が出来る点」(京都府内市役所勤務・25歳男性。月額給与22.5万円)という声があった。
     公務員の給料は(退職金なども考えると)中小零細企業の社員と比べると断然恵まれているが、大手企業と比べると見劣りしてしまうとうこと。比較する企業や年齢次第ということも覚えておきたい。

    実質残業月100時間! サービス残業も当たり前

     残業実態についても触れてみよう。公務員といえば「定時以外は働かない」というイメージがあるが、果たして実態はどうだろうか。
     アンケート回答者の定時時間は7.45~8時間。しかしながら残業については「申請5時間:実質30時間」(東京都内区役所勤務・27歳女性)「申請0時間:実質80時間」(陸上自衛隊勤務・41歳男性)「申請35時間:実質100時間」(厚生労働省勤務・26歳男性)と、サービス残業が恒常化している職場もあるようだ。

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