テレビ対カタログの通販 ジャパネット、ジュピター、ニッセン、千趣会の企業体質 2012年10月29日 企業徹底研究 ツイート 地上デジタル放送への移行や光ファイバーを使ったテレビサービスの増加を背景にして、BSやCS放送でテレビの多チャンネル化が進み、「テレビ通販」業界が成長している。 また、スマートフォンの普及を中心とするネット環境の新たな発達で、ネットショッピングの安全性に対する不安も薄らいでおり、従来の「カタログ通販」業界も進出を加速している。 通販業界の「テレビ」対「カタログ」の戦いは、それぞれの業界でネット対応の行く末も絡んで、顧客を厳しく奪い合う展開になっている。 テレビ通販業界は、首座を走るジャパネットたかたを、2番手のジュピターショップチャンネルが追う格好だ。一方、カタログ通販業界ではニッセンをトップに、千趣会とベルーナが続き、御三家を構成している。 拡大する通販業界だが、それぞれの会社の社風や働き心地はどうなっているのか。キャリコネに寄せられた社員の口コミで見ていこう。 ◇ 専制君主制が支配するテレビ通販2社 テレビ通販業界の雄、ジャパネットたかたは社長の強烈な個性で知られる。そして、やはり「御多分に漏れず」というべきだろう、こうした会社にありがちな一方的なトップダウンの空気があるらしい。 物流部門を担当する男性社員(37)は、「どのような人が出世しやすいか」という質問に対して、次のように答えている。 「上層部に気に入られる事が大前提。風通しは悪く、なかなかアピールする場もない。新卒採用も有名大学を採用するが、社内教育に一貫性が無く、ほかで通用する人材にはなりえない」 この男性自身も、職場では単なる一担当であるために役職としてのやりがいは全くないと告白している。 ライバルはどうだろうか。ジュピターショップチャンネルは住友商事系列の会社だ。マーケティングを担当していたという、30代前半の元社員の男性は、こう証言している。 「親会社の主導権争いによる社内派閥によって、昇格や昇給などの人事が影響を受ける場面を多々見てきた。特に、所属していた部門では在籍していた4年間で3回ディレクターが変わる状況で、一貫した方針がないまま現場が動いていた」 こうして見ると、ジャパネットは上司が専制君主とするならば、ジュピターの専制君主は出資会社といえる。しかも、この元社員によると、ディレクター交代のたびに、外部から人が採用されていたという。プロパー社員にはつらい職場だろう。 ◇ カタログショッピング会社はのどかで草食的 一方で、対抗するカタログ通販の業界を見てみよう。 まずは、ギフト販売に強いシャディを2012年2月に買収し、さらなる規模拡大を図っているニッセンだ。 「あまり権限や指示命令系統などにうるさくないので、『この役職だからこんなことは発言してはいけない』ということない。一介の社員でも取締役とフラットに話せるような社風であり、かつ会議等ではそれを求められる」 と証言するのは、人事担当の30代前半の男性社員。ただし、それは数少ない男性社員の意見かも知れない。受注の核となるコールセンターは女性が占める。その様子を20代前半のコールセンターの女性スタッフは、この話す。 「コールセンターはほとんどの社員が女性、特に主婦層が多い。よって管理職の大半も女性」 「女性ばかりという気安さはあるものの、男性がおおい職場と雰囲気は圧倒的に違う。受注ノルマもそれほど簡単ではない上、休憩がなかなか取れず、忙しい時間帯は休む間もない。給与もそれほど高いとは言えない」 千趣会はどうだろうか。マーケティング担当の20代後半の男性社員は社内の様子を、こう話している。 「雰囲気はよい。誰かが怒鳴り散らしているようなシーンは滅多に見かけない。みんな仲良くニコニコ仕事をしていて、人間関係のストレスなどはあまり感じない。ただし人の陰口を言っている人がいたりはする」 テレビ通販業界が、勢いに乗った肉食的な社風がありそうなのに対し、カタログ通販はノルマはあるが、どこかのどかで草食的だ。しかし、変化の大きな今の時代。これらの会社が今後どのように変わっていくかが注目される。 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年9月末現在、45万社、20万件の口コミが登録されています。
テレビ対カタログの通販 ジャパネット、ジュピター、ニッセン、千趣会の企業体質
地上デジタル放送への移行や光ファイバーを使ったテレビサービスの増加を背景にして、BSやCS放送でテレビの多チャンネル化が進み、「テレビ通販」業界が成長している。
また、スマートフォンの普及を中心とするネット環境の新たな発達で、ネットショッピングの安全性に対する不安も薄らいでおり、従来の「カタログ通販」業界も進出を加速している。
通販業界の「テレビ」対「カタログ」の戦いは、それぞれの業界でネット対応の行く末も絡んで、顧客を厳しく奪い合う展開になっている。
テレビ通販業界は、首座を走るジャパネットたかたを、2番手のジュピターショップチャンネルが追う格好だ。一方、カタログ通販業界ではニッセンをトップに、千趣会とベルーナが続き、御三家を構成している。
拡大する通販業界だが、それぞれの会社の社風や働き心地はどうなっているのか。キャリコネに寄せられた社員の口コミで見ていこう。
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専制君主制が支配するテレビ通販2社
テレビ通販業界の雄、ジャパネットたかたは社長の強烈な個性で知られる。そして、やはり「御多分に漏れず」というべきだろう、こうした会社にありがちな一方的なトップダウンの空気があるらしい。
物流部門を担当する男性社員(37)は、「どのような人が出世しやすいか」という質問に対して、次のように答えている。
「上層部に気に入られる事が大前提。風通しは悪く、なかなかアピールする場もない。新卒採用も有名大学を採用するが、社内教育に一貫性が無く、ほかで通用する人材にはなりえない」
この男性自身も、職場では単なる一担当であるために役職としてのやりがいは全くないと告白している。
ライバルはどうだろうか。ジュピターショップチャンネルは住友商事系列の会社だ。マーケティングを担当していたという、30代前半の元社員の男性は、こう証言している。
「親会社の主導権争いによる社内派閥によって、昇格や昇給などの人事が影響を受ける場面を多々見てきた。特に、所属していた部門では在籍していた4年間で3回ディレクターが変わる状況で、一貫した方針がないまま現場が動いていた」
こうして見ると、ジャパネットは上司が専制君主とするならば、ジュピターの専制君主は出資会社といえる。しかも、この元社員によると、ディレクター交代のたびに、外部から人が採用されていたという。プロパー社員にはつらい職場だろう。
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カタログショッピング会社はのどかで草食的
一方で、対抗するカタログ通販の業界を見てみよう。
まずは、ギフト販売に強いシャディを2012年2月に買収し、さらなる規模拡大を図っているニッセンだ。
「あまり権限や指示命令系統などにうるさくないので、『この役職だからこんなことは発言してはいけない』ということない。一介の社員でも取締役とフラットに話せるような社風であり、かつ会議等ではそれを求められる」
と証言するのは、人事担当の30代前半の男性社員。ただし、それは数少ない男性社員の意見かも知れない。受注の核となるコールセンターは女性が占める。その様子を20代前半のコールセンターの女性スタッフは、この話す。
「コールセンターはほとんどの社員が女性、特に主婦層が多い。よって管理職の大半も女性」
「女性ばかりという気安さはあるものの、男性がおおい職場と雰囲気は圧倒的に違う。受注ノルマもそれほど簡単ではない上、休憩がなかなか取れず、忙しい時間帯は休む間もない。給与もそれほど高いとは言えない」
千趣会はどうだろうか。マーケティング担当の20代後半の男性社員は社内の様子を、こう話している。
「雰囲気はよい。誰かが怒鳴り散らしているようなシーンは滅多に見かけない。みんな仲良くニコニコ仕事をしていて、人間関係のストレスなどはあまり感じない。ただし人の陰口を言っている人がいたりはする」
テレビ通販業界が、勢いに乗った肉食的な社風がありそうなのに対し、カタログ通販はノルマはあるが、どこかのどかで草食的だ。しかし、変化の大きな今の時代。これらの会社が今後どのように変わっていくかが注目される。
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年9月末現在、45万社、20万件の口コミが登録されています。