• 「究極のブラック企業」に「社畜女子」 2013年キャリコネ「人気記事」を振り返る(前)

    2013年も残すところあとわずか。今年もキャリコネ編集部ではたくさんの記事を配信してきたが、特に多くのコメントを集めたのが、「ブラック企業関連」と「コンテンツ業界関連」のニュースだ。

    そこで今回は、若い読者の多いニコニコニュース上で投稿されたコメントを紹介しながら、2回に分けて2013年のキャリコネ記事を振り返ってみたい。

    工場で指なくすのは「当たり前の光景」

    「『指を落として一人前』 安全を犠牲にした工場は『究極のブラック企業」では、効率優先で作業が進められるあまり、重大事故や命の危険にさらされる工場の実態をお伝えした。凄惨な事故に対して批判の声が多数上がっていたのはもちろん、似たような例をコメントする人も少なくなかったのが印象的だ。

    「プレス系だと当たり前の光景だよな。指全部なくす人もいた」
    「小さい工場やってるおじさん知り合いにいるけど、左手の指3本しかない」
    「前の職場ではプレス機で死亡事故あったからな…さすがに辞めた」  

     ホワイトカラーには想像しにくいが、工場での事故は決してレアケースではないということだろう。さらにその一方で…

    「こういう中小零細企業が頑張ってくれているからこそ、不景気の中で何とかやっていけてるのも事実」

    という指摘もあった。言いかえれば、不景気の中で町工場の従業員が無茶な働き方を強いられている、ということでもある。安全をおろそかにする企業は批判されるべきだが、個別の会社叩きに終始するのではなく、製造業界全体の問題として考える必要がありそうだ。

    キラキラ20時退社は「仕事をナメてる」

    「キラキラ20時退社に『社畜女子』激怒 『中途半端な気持ちで残業するな!』」は、適度に残業しつつ、かつ社畜っぽさを感じさせない、女子にちょうどいい退社時間「キラキラ20時退社」を取り上げた記事だ。

    記事では深夜まで残業している“社畜女子”からの「早く帰れる人は早く帰ればいい。中途半端な気持ちで残業するな」という本音を紹介したが、読者からのコメントでも同様の声があった。

    「仕事なめすぎ。下手すりゃ24時間働いても終わらん仕事だってある」
    「適度に残業とか、ナメてるとしか思えない」

    ハードな残業をこなしている人からすれば、キラキラ20時退社などという女性社員を「ナメてる」と思うのは当然かもしれない。ただし、それ以上に目立ったのが「残業を前提にしているのがおかしい」という声だ。

    「残業が当たり前じゃなくて、残業がないのが当たり前って考えになるべき」
    「残業が毎日あること自体おかしいって発想はダメなのか」

    転職サービス「doda」の調査によれば2012年の平均残業時間は月28.6時間で、2009年以降右肩上がりに増え続けている。残業しなければ仕事が回らない会社もある一方で、ムダな「残業体質」が染み付いている会社もあるだろう。 考え方の違いは、労働環境や上司に依存する部分もある。

    社員使い捨ては「強者の論理」?

    5月20日の記事「『使い捨て』の何が悪いのか 覚悟を持って働く若者もいる」には、1600件を超える賛否両論のコメントが寄せられた。

    記事では、仕事の厳しさと向き合って自己を成長させている社員の例を紹介しつつ、

    「『使い捨て』とは言い換えれば社員の『競争』と『選別』」
    「違法行為やハラスメントはNGだが、給料のいい有名企業は仕事が厳しいのが当たり前」

    と結んでいる。この記事に対しては、

    「使い捨てられたくなかったら、使い捨てられない人になればいいだけの話」
    「使えない人間を企業が保護すると、使える人間がその分の損害を被る」

    と賛同する声がある一方、「強者の論理だ」「理想論。現実はもっと厳しい」といった反発の声も多数並んだ。また「使い捨て」という言葉やブラック企業のとらえ方、働き方そのものについても多様な意見が寄せられている。

    「使える人間に過負荷をかけてすり潰し、使えなくなったらポイするのが『使い捨て』」
    「『使い捨てられることを覚悟で働く』と『使い捨てる前提で働かせる』。この違いは大きい」
    「『この仕事が大好きです!』みたいな人間は少ない。大概が趣味とか家庭のための労働だろ。『使い捨て』されちゃたまらん」

    今年は流行語大賞に「ブラック企業」がノミネートされたり、国や行政が対策に乗り出したりするなど、まさに本格的な“ブラック企業元年”と言える年だった。記事に寄せられたコメントの多さやその意見の幅広さを見ても、読者の注目度の高さがうかがえる。

    「会社」と「個人」との話題は絶えないが、その形は時代によって様々な変化を見せる。ブラック企業についても来年はより議論が深まり、様々な人にとって労働環境や待遇の改善が起こることを期待したいものだ。

    (後半に続く)

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