社員530人に5億円支払いも! 「サービス残業」放置は大きな企業リスク 2014年2月10日 仕事のエコノミクス ツイート 東京労働局が2014年1月15日、いわゆる「サービス残業」などに関する監督指導の是正結果を発表している。 2013年度に時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていなかった企業は、労働局が把握している範囲で約2300社。対象労働者数は1万4540人、企業が指導により支払った遡及払額の平均は1412万円にのぼった。 業種別に見ると、対象企業・対象労働者数ともに「商業」がトップ。遡及払額も7億8821億円と最も多く、情報処理サービス業を含む「その他の事業」が4億2021万円と続いた。 「休日出勤ないのに社員食堂利用」で発覚も 遡及払額が100万円以上になったのは125企業で、「1企業で支払金額が1億円を超えた事案」が3件あった。 約530人に約5億円の支払いが命じられた商業の事案では、業務用端末で労働時間を把握できるのにもかかわらず、労働時間の算定が困難として「事業場外労働に関するみなし労働時間制」を適用していた。 労働基準監督署が調査したところ、長時間労働や割増賃金の不払いが発生していることが判明。この企業では外勤業務の従業員を増員し、仕事の方法の見直しを行うことで、労働時間の短縮を図るよう是正指導されたようだ。 のべ5700人に約2億6000万円の支払いが命じられた情報処理サービス業の事案では、労使委員会を開催せずに「企画業務型裁量労働制」を導入しているうえ、相当数の労働者の業務が「企画型」でないことが判明した。 ある旅館ではIDカードによる出退勤管理が行われていたが、この記録と事務室の鍵の貸出・返却時間が合っていなかった。休日出勤の記録がないのに、社員食堂を利用した記録もあった。この会社には、約280人に約2億円の支払いが命じられている。 割増賃金の支払いをケチったことがバレれば、時効となる2年前までさかのぼって清算させられる。労働基準法114条により、同じ額の付加金の支払いが命じられる場合もある。会社の強要があろうとなかろうと、「サビ残」状態の放置は大きな経営リスクになることに注意が必要だ。 あわせてよみたい:ワタミ「過労死認定は一生の悔い」
社員530人に5億円支払いも! 「サービス残業」放置は大きな企業リスク
東京労働局が2014年1月15日、いわゆる「サービス残業」などに関する監督指導の是正結果を発表している。
2013年度に時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていなかった企業は、労働局が把握している範囲で約2300社。対象労働者数は1万4540人、企業が指導により支払った遡及払額の平均は1412万円にのぼった。
業種別に見ると、対象企業・対象労働者数ともに「商業」がトップ。遡及払額も7億8821億円と最も多く、情報処理サービス業を含む「その他の事業」が4億2021万円と続いた。
「休日出勤ないのに社員食堂利用」で発覚も
遡及払額が100万円以上になったのは125企業で、「1企業で支払金額が1億円を超えた事案」が3件あった。
約530人に約5億円の支払いが命じられた商業の事案では、業務用端末で労働時間を把握できるのにもかかわらず、労働時間の算定が困難として「事業場外労働に関するみなし労働時間制」を適用していた。
労働基準監督署が調査したところ、長時間労働や割増賃金の不払いが発生していることが判明。この企業では外勤業務の従業員を増員し、仕事の方法の見直しを行うことで、労働時間の短縮を図るよう是正指導されたようだ。
のべ5700人に約2億6000万円の支払いが命じられた情報処理サービス業の事案では、労使委員会を開催せずに「企画業務型裁量労働制」を導入しているうえ、相当数の労働者の業務が「企画型」でないことが判明した。
ある旅館ではIDカードによる出退勤管理が行われていたが、この記録と事務室の鍵の貸出・返却時間が合っていなかった。休日出勤の記録がないのに、社員食堂を利用した記録もあった。この会社には、約280人に約2億円の支払いが命じられている。
割増賃金の支払いをケチったことがバレれば、時効となる2年前までさかのぼって清算させられる。労働基準法114条により、同じ額の付加金の支払いが命じられる場合もある。会社の強要があろうとなかろうと、「サビ残」状態の放置は大きな経営リスクになることに注意が必要だ。
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