「言い訳は聞きたくない!」 上司の叱責は「正しい」のか? 2014年1月5日 仕事のエコノミクス ツイート 仕事で言い訳をして上司に「言い訳は聞きたくない!」などと言われたことがある人も多いだろう。確かに、「言い訳するのはよくない」という考えは根強い。しかし、その「言い訳」を巡ってネット上で議論が起きている。 はてな匿名ダイアリーに24日、「仕事で言い訳しないことがむしろダメな気がしてきた」という投稿が寄せられた。 言い訳しないで「無言」でいたら…… 投稿者は大卒6年目の会社員。周囲からの仕事の評価は高くないが、その原因の1つが「言い訳をしないこと」にあるという。 例として挙がっているのが、上司から「おい、これどうなってるんだ。ちゃんと報告しろ」と言われたときのエピソード。自分としては報告したつもりだったが、ここで何か言っても「ただの言い訳」にしか聞こえないと思い、無言で通した。 さらに、「おまえってホント駄目だよな。○○はわかってる?」という上司の言葉に対しても、ごくごく当たり前のことだったため、黙っていたという。 その結果、 「上司は『こいつは何もわかってない』と難しい仕事は回してこなくなるし、俺もモチベーションは下がる。仕事のクオリティは下がって最初に戻る(また上司から怒られる)の悪循環」 という事態になっているという。 これがはてなで注目を集め、多くの意見が寄せられた。 「『言い訳は聞きたくない』って言われると、もう何言っても無駄って感じるよね」 と賛同する声もあるが、 「言い訳と説明の区別がついてないだけ」 「とりあえず発言しとけ」 と、無言だったことに対しての厳しい声も多いようだ。 成長するためには「言い訳」厳禁なのか 言い訳をしたくないから無言、というのは極端だが、そもそも仕事での「言い訳」は悪いものなのだろうか。 マイナビウーマンが10月に発表した「仕事ができない人の口癖」ランキングでは、1位が「でも……」という言葉だった。 記事では、「言い訳」や「ネガティブ発言」をする人ほど仕事ができない上に、そういう人がいるだけで職場の雰囲気も悪くなる、とまで書かれている。 「言い訳は害悪でしかない」という考えのもとでは、全ての言い訳はことごとく否定される。「時間が足りない」のは「やり方が悪いから」。「やり方を知らない」のなら「自分で調べればいい」。「難しい案件だから」という言い訳に対しても「難しい案件を何とかするのが仕事」だとされる。 「成長するためには言い訳をしないこと」などと、言い訳の「全否定」を説くライフハックまである。 「言い訳」がきっかけで部下が成長? 一方で、言い訳を完全否定してしまうと、組織が現場の状況を把握できなくなる、という説もある。 論理的に筋が通っていない言い訳はダメだが、例えば、「人数に対して仕事が多すぎる」「明らかに時間が足りない」といった言い訳は単なる言い訳ではなく、現場の事実の「説明」だ。さらには、マネジメントの問題点に対する指摘でもある。 こうした言い訳を全て封殺すると、やがては組織として立ち行かなくなってしまうこともあるだろう。 マネジメントケアリストの浅井浩一氏は、ダイヤモンド・オンラインの記事で、こう説く。 「部下が言い訳をするというのは、上司にとっては最大のチャンス。部下との関係を築き、本音を引き出し、ケアする絶好の機会です」 言い訳の中にこそ「問題解決のヒント」が隠されているとし、上司は部下の言い訳を聞きながら「じゃあどうしたらいいのだろうか」と部下に考えさせることで、部下が自分自身で考えるようになる、というのだ。 上司も部下も「言い訳してはいけない!」と決めつけるのはなく、「言い訳したくなるような状況をどうすればいいのか」と発展的に考え、改善を行い、次に繋げていくことが大事なのかもしれない。 あわせてよみたい:「上司が仕事をくれません!」 社内失業から脱出するには?
「言い訳は聞きたくない!」 上司の叱責は「正しい」のか?
仕事で言い訳をして上司に「言い訳は聞きたくない!」などと言われたことがある人も多いだろう。確かに、「言い訳するのはよくない」という考えは根強い。しかし、その「言い訳」を巡ってネット上で議論が起きている。
はてな匿名ダイアリーに24日、「仕事で言い訳しないことがむしろダメな気がしてきた」という投稿が寄せられた。
言い訳しないで「無言」でいたら……
投稿者は大卒6年目の会社員。周囲からの仕事の評価は高くないが、その原因の1つが「言い訳をしないこと」にあるという。
例として挙がっているのが、上司から「おい、これどうなってるんだ。ちゃんと報告しろ」と言われたときのエピソード。自分としては報告したつもりだったが、ここで何か言っても「ただの言い訳」にしか聞こえないと思い、無言で通した。
さらに、「おまえってホント駄目だよな。○○はわかってる?」という上司の言葉に対しても、ごくごく当たり前のことだったため、黙っていたという。
その結果、
という事態になっているという。
これがはてなで注目を集め、多くの意見が寄せられた。
と賛同する声もあるが、 「言い訳と説明の区別がついてないだけ」 「とりあえず発言しとけ」
と、無言だったことに対しての厳しい声も多いようだ。
成長するためには「言い訳」厳禁なのか
言い訳をしたくないから無言、というのは極端だが、そもそも仕事での「言い訳」は悪いものなのだろうか。
マイナビウーマンが10月に発表した「仕事ができない人の口癖」ランキングでは、1位が「でも……」という言葉だった。
記事では、「言い訳」や「ネガティブ発言」をする人ほど仕事ができない上に、そういう人がいるだけで職場の雰囲気も悪くなる、とまで書かれている。
「言い訳は害悪でしかない」という考えのもとでは、全ての言い訳はことごとく否定される。「時間が足りない」のは「やり方が悪いから」。「やり方を知らない」のなら「自分で調べればいい」。「難しい案件だから」という言い訳に対しても「難しい案件を何とかするのが仕事」だとされる。
「成長するためには言い訳をしないこと」などと、言い訳の「全否定」を説くライフハックまである。
「言い訳」がきっかけで部下が成長?
一方で、言い訳を完全否定してしまうと、組織が現場の状況を把握できなくなる、という説もある。
論理的に筋が通っていない言い訳はダメだが、例えば、「人数に対して仕事が多すぎる」「明らかに時間が足りない」といった言い訳は単なる言い訳ではなく、現場の事実の「説明」だ。さらには、マネジメントの問題点に対する指摘でもある。
こうした言い訳を全て封殺すると、やがては組織として立ち行かなくなってしまうこともあるだろう。
マネジメントケアリストの浅井浩一氏は、ダイヤモンド・オンラインの記事で、こう説く。
言い訳の中にこそ「問題解決のヒント」が隠されているとし、上司は部下の言い訳を聞きながら「じゃあどうしたらいいのだろうか」と部下に考えさせることで、部下が自分自身で考えるようになる、というのだ。
上司も部下も「言い訳してはいけない!」と決めつけるのはなく、「言い訳したくなるような状況をどうすればいいのか」と発展的に考え、改善を行い、次に繋げていくことが大事なのかもしれない。
あわせてよみたい:「上司が仕事をくれません!」 社内失業から脱出するには?