「カラハラ」に悩む人たち 苦手な歌を無理強いされ、拒否したら異動 2014年5月23日 仕事のエコノミクス ツイート パワハラやセクハラなど、職場には様々なハラスメントがあるが、最近「カラハラ」が新たな嫌がらせとして、人事担当者に知られるようになっているという。 これは、カラオケで歌うことが苦手だったり、嫌いだったりする人に、無理やりに歌わせるというもの。秋山謙一郎著「ブラック企業経営者の本音」(扶桑社刊)には、そんな「カラハラ」の一例が紹介されている。 接待中に取引先が激怒、担当を外されて… 広告代理店に勤務する20代の女性の悩みは、音痴であること。カラオケが大の苦手で、接待でもマイクを握ることを拒否してきた。しかしある日、取引先の役員から「皆、歌っている。接待する側が歌わないのは、失礼だ」と言われた。 女性は断ろうとしたが、周囲で「歌え、歌え」のコールも始まった。しかたなく女性が流行遅れの歌謡曲を歌おうとすると、イントロが流れ出した瞬間からシラケムードに。歌い終えると、取引先の役員にこう言われたという。 「お前、ナメてんのか」 翌日、上司から取引先の担当を外れるよう告げられた。異議を申し立てても 「どんな理由であれ先方を怒らせたことが悪い。これからカラオケを練習し、皆を楽しませられなければ、会社を辞めてもらう」 と言われたという。人事部のハラスメント対応窓口に相談しても、上司が正しいとされた。 その後、女性は経理部に配置転換されたが、異動先でも「カラオケできないと、部内の和を乱すぞ」と揶揄されているという。 「カラハラ」に苦しむ人は、以前から存在したようだ。ヤフー!知恵袋などにも、 「今週末、会社の忘年会があります。元々『人前で歌う』と言う行為が大嫌いで、10年ほどカラオケに行ってません。どうやって乗り切ったらいいでしょうか?」 といった相談が複数寄せられている。嫌な理由としては「人前で歌うことが苦手」といったものや、「音痴なので恥ずかしい」「普段音楽を聴かないので何を歌ったらいいかわからない」といったものがあるようだ。 弁護士「パワハラと認定されるおそれあり」 一方、発言小町には後輩になんとしてでも歌わそうとする先輩社員の投稿もある。投稿者の26歳の女性は、3歳下の後輩女性が会社の二次会のカラオケで歌わないことに困っているという。 カラオケに出ないで帰ろうとしたときには、「カラオケだって業務の一環なんだからね」と諭して参加させた。笑ってごまかして歌わないようにしているのに対しても、「女の先輩には通用しないからね」と言ったが、結局歌わず腹が立ったとしている。 この質問には、回答者から批判が殺到。「典型的な昭和の会社ですね」「私だったら辞めたくなります、そんな会社。でも辞めるべきはあなたかな」と厳しい声が相次いだ。 「私ならその後輩は軽蔑対象です。わかっていてあえて空気を悪くする人はどんな集まりでも嫌い」と質問者を擁護する声もあったが、こういうときこそ先輩らしく、後輩をフォローして適当に盛り上がる歌を一緒に歌ってあげればいい、という意見もあった。 「誰でも知ってる曲で(サビになると皆大合唱してくれる可能性あり)、上司が一緒なら多少古い曲のほうがいいかもしれません。嫌なことを強制する先輩より、一緒に乗り切ってくれる先輩のほうが絶対好かれますよね」 なお弁護士によると、取引先の接待は飲食など他の方法を通じて行うことが可能であり、カラオケ嫌いの社員を連れて行き、歌うことを無理強いすることに合理性はないため、「パワハラと認定されるおそれがある」ということだ。 あわせて読みたい:広告業界で横行する「酷すぎる下請けいじめ」 最新記事は@kigyo_insiderをフォロー/キャリコネ編集部Facebookに「いいね!」をお願いします
「カラハラ」に悩む人たち 苦手な歌を無理強いされ、拒否したら異動
パワハラやセクハラなど、職場には様々なハラスメントがあるが、最近「カラハラ」が新たな嫌がらせとして、人事担当者に知られるようになっているという。
これは、カラオケで歌うことが苦手だったり、嫌いだったりする人に、無理やりに歌わせるというもの。秋山謙一郎著「ブラック企業経営者の本音」(扶桑社刊)には、そんな「カラハラ」の一例が紹介されている。
接待中に取引先が激怒、担当を外されて…
広告代理店に勤務する20代の女性の悩みは、音痴であること。カラオケが大の苦手で、接待でもマイクを握ることを拒否してきた。しかしある日、取引先の役員から「皆、歌っている。接待する側が歌わないのは、失礼だ」と言われた。
女性は断ろうとしたが、周囲で「歌え、歌え」のコールも始まった。しかたなく女性が流行遅れの歌謡曲を歌おうとすると、イントロが流れ出した瞬間からシラケムードに。歌い終えると、取引先の役員にこう言われたという。
翌日、上司から取引先の担当を外れるよう告げられた。異議を申し立てても
と言われたという。人事部のハラスメント対応窓口に相談しても、上司が正しいとされた。
その後、女性は経理部に配置転換されたが、異動先でも「カラオケできないと、部内の和を乱すぞ」と揶揄されているという。
「カラハラ」に苦しむ人は、以前から存在したようだ。ヤフー!知恵袋などにも、
といった相談が複数寄せられている。嫌な理由としては「人前で歌うことが苦手」といったものや、「音痴なので恥ずかしい」「普段音楽を聴かないので何を歌ったらいいかわからない」といったものがあるようだ。
弁護士「パワハラと認定されるおそれあり」
一方、発言小町には後輩になんとしてでも歌わそうとする先輩社員の投稿もある。投稿者の26歳の女性は、3歳下の後輩女性が会社の二次会のカラオケで歌わないことに困っているという。
カラオケに出ないで帰ろうとしたときには、「カラオケだって業務の一環なんだからね」と諭して参加させた。笑ってごまかして歌わないようにしているのに対しても、「女の先輩には通用しないからね」と言ったが、結局歌わず腹が立ったとしている。
この質問には、回答者から批判が殺到。「典型的な昭和の会社ですね」「私だったら辞めたくなります、そんな会社。でも辞めるべきはあなたかな」と厳しい声が相次いだ。
「私ならその後輩は軽蔑対象です。わかっていてあえて空気を悪くする人はどんな集まりでも嫌い」と質問者を擁護する声もあったが、こういうときこそ先輩らしく、後輩をフォローして適当に盛り上がる歌を一緒に歌ってあげればいい、という意見もあった。
なお弁護士によると、取引先の接待は飲食など他の方法を通じて行うことが可能であり、カラオケ嫌いの社員を連れて行き、歌うことを無理強いすることに合理性はないため、「パワハラと認定されるおそれがある」ということだ。
あわせて読みたい:広告業界で横行する「酷すぎる下請けいじめ」
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