アクセンチュア株式会社の人事制度
アクセンチュア、Up or Outはどこまで制度化されているか2009年12月14日
リーマンショックに端を発した不況で、有名コンサルティングファームが市場から姿を消した。アクセンチュアも例外ではなく、米アクセンチュアの報告では今年第四四半期は減収減益だ。
アクセンチュアでは、完全実力主義が定着しており、社員は日常的に自然淘汰されていく。その徹底ぶりは、業界内では良くも悪くも伝説的だ。残る社員と、去る社員。アクセンチュア自然淘汰の源泉は、どこよりも明確な人事制度にある。
アクセンチュアの業務領域は、Consulting Work Force・Strategy・Outsourcingの三つにわかれている。今回取り上げる人事制度や給与体系は、Consulting Work ForceとStrategyに採用されている。
Ⅰ 等級と給与
等級は、下からアナリスト、コンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、シニアエグゼクティブの5段階となる。
アナリストとコンサルタントは、この等級の中にさらに3段階、マネージャーとシニアマネージャーは5段階の分類が存在する。基本的には各ステップを踏んで昇級していくものとなる。
年俸は表のとおり、等級間で重複することはない。上の給与テーブルに乗りたければ昇級するしかない。
新卒入社すると一律で460万円もらえるので、日系コンサルティング企業などと比べると、初任給は高給といって間違いない。
アナリストの期間は、2-3年で年収は460万円以上600万円未満。コンサルタントの期間が、3-4年で年収は600万円以上850万円未満。マネージャーは、期間は3-5年、年収は850万円以上1200万円未満。シニアマネージャーも期間は3-5年。年収は1200万円以上2000万円未満となる。シニアエグゼクティブは、2000万円以上4000万円未満。その上の役員は4000万円以上の報酬を得ている。
社長ともなると、ベースが6000万円近く、さらに業績連動賞与がプラスされる。ちなみに、米アクセンチュアのエグゼクティブは、3億円から4億円の報酬を得ている。
等級に応じて、それぞれに課せられている役割が違う。
アナリストはプロジェクトのメンバーとして、コンサルタントはプロジェクトのチームリーダーとして、案件に従事する。マネージャーになるとプロジェクトのマネジメントを行い、シニアマネージャーは複数のプロジェクトを管理する立場となる。シニアエグゼクティブになると案件の獲得が主な仕事になる。
アクセンチュアでは案件を取ってくるのは、シニアエグゼクティブである。シニアエクゼクティブは、日本を代表する大手企業の...
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