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    若手社会人の転職に潜む罠 大手からベンチャー行っても「ノリが合わず即退職。次の転職先で更に年収ダウン」

    転職活動が活発になる年末年始。年収アップやさらなるやりがいなど、転職を考える理由は様々だが、今まさに活動中の人の中には、エージェントを活用している人も多いのではないだろうか。

    今回は転職希望者へ面談などを行い、企業との理想的なマッチングを支援する転職エージェントとして、数多の事例を見てきた宮原涼子氏(仮名・35歳)に、転職を重ねるたびに年収が下がり続けてしまう人の"あるある"パターンを紹介してもらった。

    宮原氏は青山学院大学を卒業後、大手総合人材企業の転職エージェントとして、転職希望者のキャリアコンサルティングなどに9年間従事。2014年に同業他社へ転職し、現在はエージェント業務のほか、同社の広報業務などにも携わっている。もちろん、年収だけが転職の成否を分ける要素ではないが、事前に様々なリスクを冷静に把握しておけば、後々の後悔や傷もより浅く済むだろう。転職で悩んでいる人たちは、ぜひ参考にしてみてほしい。

    30代前半は「もっと出来る事がある」と考えがち 短期間で転職繰り返すケースも


    失敗したー!!となる前に 失敗したー!!となる前に

    日々、様々な転職希望者たちからヒアリングを重ねる転職エージェントだが、エージェントが接する機会が特に多いのが30代の転職希望者だ。宮原氏も20代の頃から、30代の転職活動を多く支援してきた。

    「企業規模に関わらず、30代前半は『俺にはもっとできる事がある!」と考え始める人が増えるタイミングなんです。現在の会社で管理職に就けず、思うようなキャリアを築けないと感じて、転職を決断するという人はやはり多いですね。それまでの仕事の経験や実力もあり、スムーズにスタートアップ企業などへ転職を果たします。給与水準も1社目とトントンくらいですが、給料と業務のハードさのバランスが割に合わないと感じて、次々と短期間で転職を重ねてしまうケースも残念ながらよくあります」

    宮原氏によれば、こうした転職はもともと仕事へのモチベーションもそれなりに高い人や男性に多いパターンだという。

    「準大手IT企業でエンジニアとして勤めていた男性は、左遷とも思えるような転勤辞令を機に本格的に転職活動を始め、完全実力主義の小規模コンサルファームに転職。滑り出しこそ順調だったものの、炎上案件に関わり、拘束時間の長さや精神的プレッシャーに耐えられず、1年半ほどで退社に至ったケースがありました。最終的には中小企業のバックオフィスや個人事業主に転換して落ち着くことが多く、結果の満足度は人によって大きく変わりますが、結局、年収は1社目より下がってしまうことが多いです」

    また、現在の会社でのキャリアが見えてくるタイミングでの転職は、「これまでの仕事が新事業で活かせる」「小さい会社だが今なら経営層に食い込める」など、知人からの引き抜きに乗りがちだという。大手企業に勤め、人脈もそれなりにある30代後半の要注意パターンでもあるようだ。経営層でも年収が目減りする場合もあるが、大きな組織での仕事がマンネリ化していて現状に不満のある人には、その類の話は魅力的に映りやすく、将来への期待感が転職の背中を押すらしい。

    「ただ、ベンチャー特有のワンマン社長とソリが合わないといった、新たな人間関係のストレスなどで心と体を壊してしまい、早々に退職に至る人も少なくありません。その後、中堅企業などへ再転職できても待遇面だけ比較すると見劣りしてしまうので、最初の転職を後悔される方も多いです」

    近年は、大手企業の平社員を続けるより小さい企業の管理職などで経験を積むことを重視するというキャリア志向の強まりもあり、こうしたケースは増加傾向のようだ。

    新卒入社で1年以内に辞めるのは「慎重な検討が必要」

    また、20代で年収が下がり続けてしまう例でここ数年目立つのが、新卒入社1年以内でなんのスキルもないまま、逃げるように会社を辞めてしまったケースだ。

    「労働環境が本当に過酷で辞めるパターンもありますが、それほど真っ黒でなくても、例えば友人の勤め先と比べて、"自分も同じくらいのライフ・ワーク・バランスがほしい"くらいの動機もあります。とにかく会社を辞めたくて、退職後に転職活動をするという感じです。なので、そもそもキャリアアップや収入アップを目指しての転職ではないですが、1社目がそれなりに頑張って入社した会社だと、その想定年収を超えるのはまず難しい。20代前半の転職、2社目の影響はその後も長く尾を引くので、より慎重な検討が必要です」

    焦燥感も相まって転職と退職を繰り返す悪循環に陥り、右肩下がりで年収が下がっていく。結果、非正規社員など望まぬかたちでの就業も珍しくない。宮原氏は個人的な知人でもあるというある女性の例を取り上げた。

    「彼女はインセンティブなど含めた初年度の月収例40万円という、投資用不動産の営業職に新卒で就職したんですが、ゴリゴリの営業スタイルにすっかり精神を削られ、半年ほどであっさり退職してしまいました。その後、賃貸不動産会社で月25万円の事務職に就いたものの、1年後には手取り20万円弱のネイリストにまさかのジョブチェンジ。2年ほど働いたところでまたも退職し、現在はトリマーの専門学校に通っているようです。主観ですが、このパターンは結婚が将来の夢という女性にも多いように思います」

    ネイリストになり始めたあたりから、人生をそれなりにエンジョイしている雰囲気も伝わってくる。彼女の場合は比較的ポジティブな事例かもしれない。年収のために心身の健康を崩してしまっては元も子もないが、20代前半の転職にはそれなりにリスクを伴うことも覚悟しなければならないようだ。

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