【残業・有休・育休】ぐるなびの働き方のリアル|有報・求人・口コミで読み解く
データ出典・注記
・ぐるなび 有価証券報告書(2022年3月期〜2026年3月期)
・コーポレートサイト・採用サイト、求人データ
【口コミデータ】
・企業口コミサイト「キャリコネ」への現役・OBOG社員の投稿
ぐるなびの働き方改革「Smart Work Shift」の実態を、平均残業時間やリモート利用率等の公式データから検証。フレックスや時間休の使いやすさと、顧客都合の早朝深夜対応や復帰時の配属ギャップ、厳しい進捗管理の実態を口コミから対比し、働き方の柔軟性のリアルをまとめます。
1. 【公式データ】数字で見る「働きやすさ」と「会社の現在地」
ぐるなびがどのような「働き方・人材へのコミットメント」を掲げているか、公式データから紐解きます。
1-1 会社が掲げる人材戦略とエンゲージメントの実態
ぐるなびが2020年に発足させた「働き方進化プロジェクト」は、生産性高く、主体的かつ効率的な働き方を目指す「Smart Work Shift」をコアコンセプトとして掲げています。これは、以下の3つのシフトで構成されています。
- 個人に合わせた働き方を推進する「Workstyle Shift」
- 一人ひとりが主役となる「Ownership Shift」
- 生産性向上と価値創造を促す「Management Shift」
プロジェクトの発足初期は、コロナ禍における急激なリモートワークへの移行に加え、業績低迷に伴う組織再編も重なり、現場ルールや意識の適応において混乱が見られたようです。
しかし、その後の検証と改善を経て、現在ではリモート就業ガイドラインの整備やパルスサーベイの全社導入など、公式な制度設計が段階的に現場へ浸透していくプロセスをたどっています。
1-2 開示されている主要指標
ぐるなび(単体)における働き方の実態を示す代表的な定量指標を整理します。
◆ 法定開示指標(2026年3月期末)
- 管理職に占める女性労働者の割合:19.9%
- 男性労働者の育児休業取得率:84.2%
- 男女の賃金の差異(全労働者):67.8%
- 男女の賃金の差異(うち正規雇用):71.8%
- 男女の賃金の差異(うち非正規雇用):44.2%
◆ ワークライフバランスに関連する主要な任意開示指標
- 週1回以上リモートワークを利用した社員率:99%(2025年12月末時点)
- 月間平均残業時間:16.1時間(2025年12月末時点)
- 年間平均有給休暇取得日数:13日(2024年度実績)
- 新卒過去3年定着率:100%(2025年12月末時点)
2. 【公式データ】求人票・公式情報が語る「働き方の選択肢」
全社的な方針に対し、中途採用で入社するハイクラス人材には具体的にどのような働き方の選択肢が提示されているでしょうか。実際の求人データから読み解きます。
2-1 公式に用意された柔軟な働き方・制度の全体像
◆ ハイブリッド型リモートワークと場所にとらわれない勤務環境
ぐるなびでは2020年3月のコロナ禍を機に、場所にとらわれない柔軟な働き方を本格的に推進してきました。現在では、リモートワークとオフィス出社を効果的に組み合わせる「ハイブリッド型の就業形態」が全社に定着しています。
首都圏内の複数箇所にある提携シェアオフィスも就業場所として利用可能であり、オフィスには個人の自由な意思で座席を選択できるフリーアドレス制が導入されています。
◆ 自主的な就業管理を促すフレックスタイム制度と各種休暇
社員がライフスタイルに合わせて効率的な働き方を実現できるよう、コアタイムを11:00から14:00とした「フレックスタイム制」が整備されています。
年次有給休暇は1時間単位での柔軟な取得(年間5日分が上限)が可能で、個人の急な用事や通院、育児などにも柔軟に対応できるきめ細かな休暇制度設計です。
2-2 制度利用における「制約」と企業カルチャー
◆ 職種・配属部門ごとに異なるリモート勤務の柔軟性と出社ルール
全社的に柔軟な制度が整備されている一方で、職種やポジション、配属チームごとに適用される働き方のルールには境界線が設定されています。
モバイルやバックエンドなどのシステム開発を担う主要な技術職や、電話やWeb会議ツールで営業を完結させるインサイドセールス職などは、「居住地を問わない全国からのフルリモート勤務」が可能となっています。
一方で、カスタマーサクセスやWEB集客プランナー、オフィス環境管理を担うファシリティ総務などの職種では、「原則リモート」としつつも、週1回程度の定期的な出社や対面対話がルール化されています。
これらのハイブリッド型のポジションにおいては、緊急時などの有事の際に東京本社、大阪営業所、名古屋営業所のいずれかへ速やかに出社可能なエリアに居住していることが、応募段階の前提条件として義務付けられています。
◆ 顧客・職種特性に紐づく労働時間管理の制約
就業時間や働き方の裁量についても、担当する職種固有のビジネス特性に応じた制約が存在します。
店舗DX推進に関わる事業企画職や飲食店向けの営業職では、事業場外みなし労働時間制(または35時間相当の固定残業手当が支給される職務裁量制)が適用されます。
特に対面での商談を基本とする飲食店営業職では、顧客である飲食店の仕込み時間やピーク時間帯(早朝深夜、休日など)に合わせたアプローチが求められるため、フレックス制度であっても、実際の運用には職種特有の調整コストが伴います。
3.【口コミ】現場の「働きやすさ」の実態
公式に用意された制度に対し、実際の現場ではどのような空気感で運用されているのでしょうか。社員の口コミから「働きやすさ」のリアルを紐解きます。
3-1 残業のリアル——数字と空気感の乖離
◆ 22時電源シャットダウンと全社的な残業抑制への取り組み
キャリコネの口コミによると、ぐるなびでは長時間労働を防ぐため、全社的な残業時間の上限管理が徹底されています。時系列での変化として「以前は残業も多い印象であったが、会社全体で対応することになりだいぶ減った」と改善の実感が見られます。
近年の口コミでは「上司含め遵守意識が高いため、残業はそこまで長くなりません」と、管理体制の強化を評価する声も共通して聞かれます。「22時には強制的にPCの電源が切れ、働きすぎを防ぐ仕組みが整っています」と、物理的なシステム制限が導入され機能している様子もうかがえます。
◆ 営業部門やエンジニア部門に偏る「顧客都合の長時間労働」
一方で、残業抑制の仕組みが稼働する一方で、業務特性に紐づく不規則な負荷も生々しく吐露されています。店舗を直接訪問する対面営業職からは、「休日や平日においても出勤前・退勤後の早朝深夜にかかわらず、商談やクレーム対応等が発生する」という構造的な悩みが語られています。
さらに、「営業職は日中の外回りに加え、夜のミーティングがあるため、調整が難しく、ハードな働き方が求められることが多い」と、非営業職の穏やかさとのギャップを指摘する声もあります。
一部のシステム開発・管理部門でも、「シフト勤務で土日祝や早朝・深夜、年末年始も勤務となることがある」として、職種による突発対応が隠さず記されています。管理職からも、残業代がなくなるうえに「業務量の調整が課題」という指摘も一部でなされています。
3-2 制度はあっても使えるか——有休・育休の現場温度感
◆ 当日申請も可能な時間休と有休消化の高いハードル
有給休暇の消化について、複数の口コミにおいて、事前のスケジュール調整ができていれば柔軟に取得できると高い評価が並んでいます。「1時間単位での時間休は、通院などの際に便利」といった具体例も報告されています。
また、「大型連休も元の休みにつなげて有休を取り、10連休などにすることもできる」という声も確認できます。その一方で、「営業職では業績が求められるため、数字が達成できていないと休暇を取得しづらい」という取得ハードルに言及する口コミも存在します。
◆ 育児休業の高い復職率と復職後の配属ギャップ
「育児休暇や産休の取得がしやすく、復帰後もフルリモートで働けるため、時間に余裕を持って仕事に取り組めます」と、子育て世代への配慮を高く評価する声も多いです。
ただし、復帰後の具体的な配属や役割に関しては、組織の状況によるミスマッチやギャップも指摘されています。口コミでは「産休や育休を取得する際のサポート体制は整っているが、復職後に元の部署に戻ることは難しく、空きのある部署に配属されることが多い」との戸惑いも聞かれます。
3-3 業務プレッシャーと心理的安全性
◆ 厳しい目標達成へのプレッシャーと行動コミット
営業部門においては、会社が「B2Bプラットフォーム企業への変革」を期して目標完遂力を重視しているため、数値達成に対する厳しい空気感が口コミから浮き彫りになります。「数字に対するプレッシャーが非常に強く、月末やクオーターの締め切りが近づくとその圧力は増す。LINEを通じて常に進捗を確認される」という生々しい緊張感が記述されています。
これは、公式が掲げる「やりきろう。」(Get it Done)などの行動規範が徹底して適用されている裏返しでもあります。「営業成績に基づく評価制度は目標達成時の満足感を高めてくれるが、結果を出せないと厳しい目が向けられることもあるため、自己管理が重要」という声が見られます。
◆ 活気あふれる風通しの良さと退職後も続く強固な人間関係
このように定量的目標に対して厳しい行動が課される一方で、同僚やチームの人間関係、心理的安全性は良好であるようです。「退職後もそのつながりが続くほど、温かい人間関係が築ける環境」と歓迎する声があがっています。
若いメンバーの多い現場では「チームで褒め合う風潮があるため、成果が出た際にはみんなで喜べる雰囲気」という声もあり、とりわけ、かつての体育会系のトップダウン文化から、多様な意見が尊重される開かれた風土への移行が見られる点も好感されています。
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有給休暇を1時間単位で取得できるのは非常に便利で、急な用事にも柔軟に対応できます。また、リモートワークが推奨されており、家庭の事情や個人のライフスタイルに合わせた働き方が ... 残業・休日出勤の口コミの続きを読む
※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。
まとめ:この会社の働き方とワークライフバランスは、あなたにフィットするか
ぐるなびはコロナ禍以降、全社を挙げて残業抑制や時間休といった柔軟な制度設計に取り組んできました。同社のワークライフバランスが自身の志向やライフスタイルに真に合致するか、客観的に見極めてみてください。
◆ 高い定量的成果を追求し続けることができるか?
同社は「働きやすさ」を整備する一方で、中途採用の専門人材に対しては、ビジネス価値の創出や定量的目標(KPI)の必達など、プロフェッショナルとしての成果にコミットすることを求めています。休日数の多さやリモートの快適さは、数字に対するプレッシャーや行動規範と表裏一体であるため、制度の恩恵を享受しつつも主体的に結果を追い求める実行力が欠かせません。
◆ 顧客(飲食店)の就業スケジュールに合わせた不規則な対応を許容できるか?
同社の商品やサービスを支える飲食店営業職や店舗DXの推進職などでは、顧客である飲食店舗の営業時間に応じた柔軟なスケジュール管理が必要不可欠となります。空き時間に合わせたコンサルティングや突発的なトラブル対応が発生するため、不規則な対応を主体的にコントロールする覚悟が求められます。
◆ リモート環境下で時間管理と自己学習を徹底できる「自己規律」があるか?
エンジニア職をはじめ、週1回以上のリモートワーク利用率が99%に達する職種では、移動時間の削減や高い自由度が大きなメリットとして定着しています。一方で、自らの生産性を管理する自律的な時間コントロール能力や、変化の激しいプロダクト開発において能動的にスキルをアップデートし続ける自己研鑽の姿勢が不可欠です。
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