富士通株式会社 転職体験談・企業研究記事 【年収1012万円】富士通の給与・福利厚生のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

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【年収1012万円】富士通の給与・福利厚生のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

給与・福利厚生のリアル キャリコネ決算キャリア研究室
目次

データ出典・注記

富士通の平均年間給与は1000万円を突破し、AIやコンサルティング領域への重点投資を背景に高待遇の求人が多数用意されています。一方で、ジョブ型人事制度による成果へのプレッシャーや業績連動による賞与変動など、シビアな側面も存在します。有価証券報告書と口コミから、ハイクラス転職における魅力と課題を紐解きます。

【公式データ】

  • 有価証券報告書(2022年3月期~2026年3月期)
  • Sustainability Data Book 2025
  • コーポレートサイト・採用サイト、求人データ

【口コミデータ】

  • 口コミサイト「キャリコネ」に投稿された現役・OBOG社員の声

1. 【公式データ×口コミ】有報で見る平均年収とリアルな給与事情

有価証券報告書の公式データと社員の口コミから、富士通の年収と給与のリアルを紐解きます。

1-1 【公式データ】過去5年間の平均年収の推移

富士通(単体)の直近(2026年3月期)の平均年間給与は10,122,665円、平均年齢は42.7歳、平均勤続年数は17.6年です。直近5期間で平均年齢は低くなりましたが、平均年間給与は右肩上がりに上昇し、1,000万円の大台を突破しました。

決算期平均年齢平均勤続年数平均年間給与
2026年3月期42.7歳17.6年10,122,665円
2025年3月期43.1歳18.2年9,291,084円
2024年3月期43.6歳18.8年9,654,460円
2023年3月期43.7歳19.1年8,789,575円
2022年3月期43.6歳19.2年8,594,757円

従業員数の推移については、2024年3月期までは連結ベースで12万人台を維持していましたが、直近2期で急速な縮小傾向にあり、2026年3月期には10万人を下回っています。

この大幅な人員減少は、新光電気工業等の株式譲渡に伴うデバイスソリューション事業の非継続事業への分類や、事業再編・拠点統廃合、ならびに人員削減等が主な要因です。

事業構造の抜本的な見直しによって組織のスリム化を図る一方で、優秀な人材には高い報酬を支払う「ジョブ型人材マネジメント」への移行を並行して強力に推し進めており、それが平均給与の底上げにも繋がっていると言えます。

決算期連結従業員数単体従業員数
2026年3月期99,203人32,224人
2025年3月期112,743人34,850人
2024年3月期123,527人35,924人
2023年3月期124,055人35,092人
2022年3月期124,216人34,430人

1-2 【公式データ】階層別の想定年収イメージ

富士通はジョブ型人材マネジメントを導入しており、企業独自の階層(FUJITSU Level)に応じた報酬レンジが設定されています。公式の採用方針および実際の求人データから読み取れる階層別の想定年収イメージは以下の通りです。

  • 担当クラス(Architect Consultant等):620万円 から
  • リーダークラス(Function Consultant等):750万円 から
  • マネージャー相当(Manager等):1,150万円 から
  • シニアディレクター相当(Director等):1,500万円 から
  • 事業部長クラス:2,000~3,000万円

なお、2025年3月7日付けプレスリリース『「ジョブ型人材マネジメント」に基づく採用方針について』によると、富士通の従業員の給与はジョブレベルに紐づき、大半の新卒入社者は年収約550~700万円程度、高度な専門性を有しさらに高いジョブを担う人材は年収約1,000万円程度になることもあるとのことです。

既存社員もジョブレベルに応じてグローバルにマーケット競争力のある報酬水準へと大幅な底上げを実施し、リーダークラスは年収約1,000万円以上、課長クラスは同1,200~1,300万円程度、事業部長クラスは同2,000~3,000万程度とのことでした。

ただし実際の求人票を見ると、提示額の下限として「リーダークラスは750万円から」など方針と一致しない求人も見られました。入社時の待遇や入社後の変動リスクについて、面接時に丁寧に確認しておくべきでしょう。

1-3 【口コミ】年代・階層別の年収カーブと賞与の実態

◆ 年収モデルと「1,000万円」への階段

キャリコネに投稿された口コミの給与データから、20代から管理職層までのリアルな年収推移の目安は以下の通りです。

  • 入社初期(20代)500〜600万円台:入社数年は基本給が控えめで、残業代が占める割合が高いといった声が散見されます。
  • 30代前半から中盤(ジョブレベル上昇による昇格)700〜800万円台:ジョブ型評価の適用により、成果を出してレベルが上がれば給与が段階的に上がりやすい時期です。
  • 40代以降(管理職層)1,100万円以上:管理職に昇進することで、1,000万円の大台を超える水準に達します。

◆ 基本給と賞与(ボーナス)の満足度

同業他社と比較しても高水準であると評価する声が多く、実力主義のジョブ型評価への移行により若手でも早期に昇給が可能になった点は好意的に受け止められています。

一方で、実際の昇給や賞与は、個人の努力だけでなく所属する部署や事業部の業績の影響を受ける側面があります。口コミでも「個人の努力が直接評価に結びつくことは少なく、所属する部署や事業部の業績が大きく影響します」といった指摘があり、どれだけ個人で努力しても組織全体の成績が振るわないと評価が低くなるリスクを感じている声も複数見受けられます。

その他、昇給については、若手のうちは結果を出すまで時間がかかることや、残業代への依存度が高く管理職にならないと大幅なベースアップが見込みにくい、といった指摘も一部で確認できます。

※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。

2. 【公式データ】高い給与を支える業績基盤

なぜ富士通はこの給与水準を維持し、還元できるのか。その答えは、「稼ぐ力」に裏打ちされた強固な業績基盤にあります。

2-1 過去5期間の連結業績の推移

富士通の過去5年間の連結業績を見ると、売上収益は3兆4,000億円から3兆7,000億円の規模で安定的に推移しています。直近の2026年3月期は、デバイスソリューションの非継続事業への分類や、新光電気工業等の子会社株式譲渡に伴う連結除外の影響がありました。

さらに、欧州・アジアパシフィック地域における構造改革の影響も加わり、売上収益は3兆5,030億円と前期から微減という結果になっています。

決算期売上収益(億円)税引前利益(億円)利益率(%)
2026年3月期35,0304,09011.7
2025年3月期35,5012,7347.7
2024年3月期34,7701,6564.8
2023年3月期37,1383,71910.0
2022年3月期35,8682,4006.7

注目すべきは利益面の大幅な改善です。税引前利益は2024年3月期の1,656億円で底を打った後、2026年3月期には4,090億円へと急回復を見せており、利益率も11.7%へと飛躍的に向上しています。

低収益事業の整理と高付加価値なサービス領域へのシフトという抜本的な構造改革が奏功し、人員規模が縮小する中でも「稼ぐ力」自体は強固になっていることが読み取れます。

2-2 セグメント別の稼ぎの柱

富士通の事業は、「サービスソリューション」「ハードウェアソリューション」「ユビキタスソリューション」の3つのセグメントで構成されています。

セグメント名売上収益(億円)調整後営業利益(億円)利益率(%)
サービスソリューション23,4693,61515.4
ハードウェアソリューション10,0996706.6
ユビキタスソリューション2,29838816.9

現在の富士通を牽引する最大の柱は、全社売上の大半を占め、3,600億円以上の利益を稼ぎ出す「サービスソリューション」事業です。この領域では、コンサルティングからクラウド、システム構築、マネージドサービスまでを一貫して提供しています。

直近の成長ドライバーとなっているのが、社会課題解決とビジネス成長を両立させる事業ブランド「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」です。SAPやSalesforce、ServiceNowといったビジネスアプリケーション領域の拡大が事業を牽引しています。

加えて、全社戦略「FTSV2026」で掲げる「すべてのサービスをAIで駆動させる」という方針による事業モデル転換が、高収益化の源泉となっています。

これらを下支えするのが、「ハードウェアソリューション」事業です。次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」「富岳NEXT」など、コアテクノロジーの実機開発までを自社で行える優位性が、サービス領域での説得力を裏打ちしています。

また、「ユビキタスソリューション」事業においてはパソコン等の提供を通じた基盤維持を図りつつ、会社全体として高付加価値なサービス事業へのシフトを鮮明にしています。

これら盤石なテクノロジー基盤とサービス領域の急成長こそが、ジョブ型人材マネジメントに基づく高水準な報酬体系を持続可能にしている最大の理由と言えます。

3. 【公式データ】最新求人から読み解く「今、求められる人材」

有価証券報告書の「平均年間給与」だけでは分からない「今、求められる人材」の要件を、最新求人から読み解きます。

3-1 募集ポジションの全体傾向

現在の中途採用ポジションは、既存の枠組みの中で実務を遂行する人材よりも、ビジネスモデルの転換や新規技術の社会実装を牽引する「変革型」の求人が圧倒的な主流となっています。

特に、AIや次世代コンピューティング基盤を担う先端テクノロジーの研究開発領域や、事業成長の牽引役として特設組織も新設されている「3S(SAP、Salesforce、ServiceNow)」などのビジネスアプリケーション領域に募集が集中しています。

会社全体として、これらの最重要領域をリードできる高度な専門性を持った管理職即戦力リーダーの獲得を強力に推し進めているのが現在の大きな特徴です。

3-2 個別求人の特徴と期待されるミッション

◆ 先端テクノロジーの事業化を牽引するR&D人材

「富岳NEXT」や次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」、LLM処理を加速するAIアクセラレータLSIの開発など、自社のコアテクノロジーを牽引するポジションが多数募集されています。プロジェクトマネージャーやリーダークラスの求人が目立ちます。

世界トップレベルの研究開発プロジェクトにおいて、単なる研究にとどまらず、ハードウェアの設計からAIソリューションの事業化や新規ビジネス立ち上げまでを主導する役割が期待されています。未踏のテクノロジー領域において、スピード感を持って社会実装へと結びつける高い専門性と突破力が求められます。

◆ 未踏の市場を切り拓く事業開発・アライアンス人材

「Physical AI領域における事業開発リーダー」や、「グローバルハイパースケーラーとの成長戦略推進」を担うビジネスマネジメントなどの求人が該当します。

正解が定まっていない新しいテクノロジー市場において、仮説を立て、社内外の多様なステークホルダーを巻き込みながら新規ビジネスや協業を牽引する役割が期待されています。既存の枠組みにとらわれず、不確実性の高いテーマでも自ら先頭に立って市場を切り拓く、高い実行力とリーダーシップが求められます。

◆ 顧客のビジネス変革をリードするコンサルティング・セールス人材

SAPコンサルタント(DirectorやManagerクラス等)や、官公庁・大手自動車向けの大規模基盤変革を担う「Salesリーダー」「アプリケーションアーキテクト」などの募集が活発です。

単なる要件通りのシステム構築にとどまらず、AIを活用したデリバリー変革の実践や、異なる分野を超えたクロスインダストリービジネスの拡大を牽引するミッションが提示されています。顧客のチェンジマネジメントを主導するなど、高い目標達成への強いコミットメントがシビアに求められます。

4. 【公式データ×口コミ】実質的な年収を押し上げる福利厚生

富士通の給与水準を語る上で欠かせないのが、額面の年収以上に実質的な可処分所得を押し上げる福利厚生や資産形成支援などの制度です。公式に開示されている制度と、現場が実感する「金銭的メリット」のリアルを検証します。

4-1 開示データに見る「福利厚生・各種手当」の全体像

コーポレートサイトの採用情報や有価証券報告書によると、富士通は社員の資産形成を後押しする制度を複数展開しています。

  • 確定給付企業年金確定拠出年金(企業型)に加え、毎月の拠出金に対して最大15パーセントの奨励金が付与される従業員持株会や、残高に応じて年1回の奨励金が出る財形貯蓄制度が用意されています。
  • 生活を直接的にサポートする金銭的メリットも豊富です。新入社員寮や、独身者および家族扶養者向けの家賃補助制度といった住宅支援が完備されています。扶養家族に対しては、1名当たり月額12,000円(最大5名まで)のファミリーアシスト給付が支給されます。
  • さらに、カフェテリアプランとして毎年20,000円相当の福利厚生ポイントが付与されます。このポイントは子育て、介護、健康、自己啓発などに利用でき、特に育児関連のメニューはポイントが2倍として換算される仕組みが整えられています。
  • そのほか、社員食堂優遇価格で宿泊できる各種保養所の提供など、幅広い支援が公式に提示されています。

4-2 現場が実感する「恩恵」と制度の落とし穴

◆ 独身寮の恩恵と家賃補助における年齢の壁

キャリコネに投稿された口コミによると、入社初期の住宅サポートについては、月1万円以下で3年間入居できる独身寮が非常に高く評価されており、若手の貯金形成に大きく寄与していることがわかります。

一方で、寮を出た後や中途入社者が利用する家賃補助については、不満の声が複数見受けられます。独身者の家賃補助は30歳で支給が打ち切られるという、年齢制限の壁への指摘が目立ちます。

また、支給額についても関東で月額30,000円、地域や計算式によっては10,000円台にとどまるケースがあり、家賃相場に対して物足りないと感じる社員が多いようです。住宅を購入すると手当が支給されなくなる点への言及も確認できます。

◆ 自律的な学習支援とポイント制度の受け止め方

福利厚生ポイント制度や学習支援に関する金銭的メリットは、現場でも好意的に受け止められています。特にオンライン学習プラットフォームであるUdemyを無料で受講できる環境は、自己啓発意欲の高いハイクラス層にとって実質的な恩恵となっています。

年間2万円相当が付与される福利厚生ポイントについても、テレワーク環境の整備や仕事に関連するアイテムの購入に活用できる点が評価されていますが、もう少し増額してほしいという声も一部で散見されます。全体的に、自ら制度を活用してスキルアップを図る人材には恩恵が大きい給与構造であることがうかがえます。

※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。

まとめ:この会社の給与と待遇は、あなたにフィットするか

富士通は、抜本的な事業構造改革による強固な業績基盤を背景に平均年収1,000万円の大台を突破し、ジョブ型人材マネジメントへの移行による給与・待遇の過渡期にあります。

◆ 高待遇と引き換えの成果プレッシャーに適応できるか?

ジョブレベルに応じた高水準な給与が提示されている一方で、年功序列的なベースアップではなく、職責に見合った成果が厳しく求められます。実績が伴わなければ、提示された下限額からの昇給が難しくなるプレッシャーを自己成長の糧にできるかが問われます。

◆ 業績連動による賞与変動リスクを許容できるか?

個人の努力だけでなく、所属する部署や事業部の業績が評価・賞与に直結しやすい給与構造となっています。全社の利益率が飛躍的に向上しているとはいえ、組織の好不調によって自身の収入が左右されるリスクを許容できるかが一つの壁となります。

◆ 充実した福利厚生の「条件と制約」を理解しているか?

学習支援や福利厚生ポイントなど、自己投資を促す恩恵が大きい反面、家賃補助の年齢制限(30歳打ち切り)やエリアによる支給額の差など、特定のライフステージにおける制約も存在します。手厚い生活保障に依存するのではなく、自ら制度を活用して実質的な手取りを押し上げる主体性が求められます。

グローバル水準の高い報酬と、それに見合う成果へのプレッシャーを天秤にかけ、自身の専門性を厳しく評価される環境を望むかどうかが、転職における重要な判断基準となるでしょう。

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