富士通株式会社 転職体験談・企業研究記事 【残業・有休・育休】富士通の働き方のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

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【残業・有休・育休】富士通の働き方のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

働き方・休暇のリアル キャリコネ決算キャリア研究室
目次

データ出典・注記

富士通はテレワークやフルフレックスなど最高峰の柔軟な働き方制度を備える一方、現場ではシビアな業務プレッシャーや残業格差といった課題も抱えています。公式データが示す充実した制度の裏側にある現場の空気感を口コミから紐解き、ハイクラス転職で求められる自律性と適応力に迫ります。

【公式データ】

  • 有価証券報告書(2022年3月期~2026年3月期)
  • Sustainability Data Book 2025
  • コーポレートサイト・採用サイト、求人データ

【口コミデータ】

  • 口コミサイト「キャリコネ」に投稿された現役・OBOG社員の声

1. 【公式データ】数字で見る「働きやすさ」と「会社の現在地」

富士通が投資家や社会に向けてどのような「働き方・人材へのコミットメント」を掲げているか、有価証券報告書や統合報告書の公式データから紐解きます。

1-1 会社が掲げる人材戦略とエンゲージメントの実態

富士通は、ニューノーマルにおいて社員が高い生産性を発揮し、イノベーションを創出し続けられる新しい働き方として「Work Life Shift」を推進しています。この取り組みは、

  • テレワーク勤務を基本とする「Smart Working」
  • 働く場所を自由に選択できる「Borderless Office」
  • 高い自律性と信頼に基づいたマネジメントを目指す「Culture Change」

の3要素から構成されており、直近ではこれらを進化させた「Work Life Shift 2.0」を展開し、リアルとバーチャルを組み合わせた真のHybrid Workを実践しています。

また、長時間労働削減に向けた具体的な施策として、フレックスタイム制のコアタイム撤廃に加え、時間外労働のアラームメール送信や、打刻システム上で長時間労働者に対して健康やコミュニケーションに関するポップアップメッセージを表示する「労働時間に関するプッシュ通知」などを導入しています。

こうした働き方の変革を進める中で、社員のエンゲージメント向上にも強力にコミットしています。従業員エンゲージメントの向上に向けて、2025年度に向けた目標値として「個人の尊重」のスコア80ポイント(基準値から7ポイント向上)、「機会の均等」のスコア74ポイント(同4ポイント向上)の達成を掲げています。

最新の2024年度実績におけるスコアは、「個人の尊重」が73ポイント(前年比プラスマイナス0)、「機会の均等」が72ポイント(前年比プラス1ポイント)となっており、目標達成に向けて着実な進捗を見せつつも、さらなる職場環境やカルチャーの変革を通じてウェルビーイングの実現を図っています。

1-2 開示されている主要指標

サステナビリティデータブックや採用関連資料等で開示されている、働き方に関する主要なデータは以下の通りです。

  • 新卒入社3年後定着率:95%(2025年度実績)
  • 離職率(全体):3.07%(2024年度実績)
  • 離職率(うち自己都合退職者):2.55%(同上)
  • 平均勤続年数:18.2年(同上)
  • テレワーク実施率(継続率平均):約70%(同上)
  • 女性社員比率:21.4%(同上)
  • 女性幹部社員(管理職)比率:11.5%(同上)
  • 男性育児休職取得率:86.2%(同上)
  • 育児休職後の復職率:男性100%、女性100%(同上)
  • 育児休職後の定着率:男性97.8%、女性97.7%(同上)

なお、エンジニア採用資料には「テレワーク実施率が平均80%」とあり、いわゆる「出社回帰」が行われていないことをうかがわせます。

2. 【公式データ】求人票・公式情報が語る「働き方の選択肢」

公式に用意された柔軟な働き方の制度に対し、実際の現場ではどのような運用と制約があるのでしょうか。求人データ等の公式情報からリアルな実態を検証します。

2-1 公式に用意された柔軟な働き方・制度の全体像

富士通は「Work Life Shift」のもと、働き方を社員自身が自律的に選択できる制度を強力に推進しています。コアタイムのないフルフレックスタイム制をはじめ、自宅やサテライトオフィス、さらにはワーケーションを活用した遠隔地からのテレワーク勤務など、働く時間と場所を自由に設計できる環境が公式に整備されています。

ライフステージを支援する制度も充実しています。男性の育児休職取得を強力に推進する取り組みの一環として、配偶者の出産後8週間以内に最大20日間の有給休暇を取得できる「育児サポート休暇」が導入されるなど、仕事と家庭の両立を後押しする体制が整えられています。

2-2 制度利用における「制約」と企業カルチャーへの適応

高い柔軟性がアピールされる一方で、実際の求人データからは、業務の性質やプロジェクトに応じた「制約」が存在することが読み取れます。多くのポジションでテレワークが基本とされているものの、完全にフルリモートで完結するわけではありません。

例えば、データエンジニアなどの求人では「遠隔地からのテレワーク可」としつつも、「プロジェクトにより顧客先訪問・他事業所への出張の可能性あり」という条件が提示されています。また、AI関連のR&D人材などでは「対面打ち合わせが必要な場合は指定オフィスに出社」といった要件や、「週4日程度」という頻度の目安が定められています。

これらのことから、会社が提供する自由な制度を享受するためには、プロジェクトの状況や顧客のニーズに応じてリアルな場での対応も柔軟にこなせる、高いレベルの自己管理能力と企業カルチャーへの適応力が求められていることがわかります。

3. 【口コミ】現場が語る「残業・有休・心理的安全性」のリアル

公式に用意された制度に対し、実際の現場ではどのような空気感で運用されているのでしょうか。社員の口コミから「働きやすさ」のリアルを紐解きます。

3-1 残業のリアル——数字と空気感の乖離

キャリコネに投稿された口コミを見ると、残業時間については「一般従業員の場合、月の残業時間が20h以下である人も居れば、平均60hから80h残業している人もいる」など、部署やプロジェクトによる激務の格差が浮き彫りになっています。

残業代は支払われるものの、金融や官公庁、インフラ関連のプロジェクトでは夜間や休日の対応が発生しやすく、疲弊する声も散見されます。一方で、残業時間の制限が厳しくなった結果、新たな課題も生まれているようです。

口コミでは「管理職はその制限の対象外で、部下の残業が制限された分の仕事が回ってくることが多い」と指摘されており、働き方改革のしわ寄せがマネージャー層に集中しやすい構造的な実態がうかがえます。

3-2 制度はあっても使えるか——有休・育休の現場温度感

有給休暇については、「事前に報告と業務の引き継ぎをしっかり行えば、問題なく休暇を取得できます」といった声が多く、多くの社員が自身のペースで柔軟に休める環境が定着しているようです。

また、男性の育休取得も進んでいますが、現場の温度感にはまだばらつきがあります。一部の口コミでは「育児休業を取得した際、昇進が見送られた経験があります」といったシビアな体験談も寄せられています。

制度としては完備されていても、「キャリアへの影響を懸念する声も聞かれます」といった指摘があるように、部署の空気感や上司の理解度によっては、制度利用に心理的なハードルを感じる社員も存在しているようです。

3-3 業務プレッシャーと心理的安全性

リモートワークの普及に伴う新たなプレッシャーも報告されています。口コミには「いろんな時間に仕事している人がいるため、一日中Teamsの着信が来ます」「とてもじゃないが気が休まりません」といった、時間外の連絡に対する疲れの声が見受けられます。

さらに「業務が個人に依存しがちなため、休暇中のフォロー体制はあまり整っていません」といった声もあり、個人への業務集中が心理的な負担となっている様子もうかがえます。

また、「多様性や心理的安全性の推進が謳われていますが、実感としてはまだまだです」という指摘や、一部で古い接待文化に言及する声も残っています。会社が掲げる新しいカルチャーが現場の隅々まで浸透するには、時間を要する過渡期にあると言えます。

一方で、こうした現場のプレッシャーやトラブルの芽に対応するため、会社としてのセーフティネットも整備されています。全社員を対象とした「人権に関する相談窓口」に加え、社外からも通報可能な「Fujitsu Alert」が設置されており、ハラスメントやコンプライアンス違反の懸念に対して匿名で相談できる体制が公式に機能しています。

※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。

まとめ:この会社の働き方は、あなたにフィットするか

富士通は「Work Life Shift」により国内最高峰の柔軟な制度環境を実現している一方で、現場にはシビアな業務プレッシャーや過渡期ならではの課題も残されています。

◆ 自律的な働き方と成果を両立できるか?

フルフレックスやテレワークといった自由な環境は、高い自己管理能力と成果へのコミットメントを前提としています。時間や場所の制約がない中で自らを律し、会社が求める高い目標に到達できる自律性が問われます。

◆ 部署や役職による残業格差・負荷の集中を許容できるか?

全社的な労働時間削減の一方で、特定プロジェクトや管理職層への業務集中が口コミから浮き彫りになっています。配属先や役職によって生じる負荷の格差を許容し、タフな環境を乗り越える覚悟が必要です。

◆ フルリモート下でのコミュニケーション課題を乗り越えられるか?

いつでも連絡が取れる環境ゆえのプレッシャーや、業務の属人化によるフォロー体制の欠如が課題として挙げられています。物理的な距離がある中でも、周囲との信頼関係を自ら構築し円滑なコミュニケーションを主導する力が求められます。

制度の充実という恩恵だけでなく、それに伴う自己責任と現場の現実的な側面を理解し、自らの適応力を発揮できるかどうかが転職における重要な判断基準となるでしょう。

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