広告宣伝は、主にBtoCの商品・サービスの認知度やブランド力の向上のために、広告費を使って各種メディアで情報を発信していく仕事です。業種などによって広告宣伝費の規模には差がありますが、近年はテレビや新聞、雑誌に限らず、WebサイトやSNSなどを活用したデジタルマーケティングにも注力しているケースが多いでしょう。
また、ここでの「広告宣伝系職種」には、継続して売上を伸ばしていくために調査・分析・戦略立案等を行うマーケティング、ニーズに応じた商品・サービスを作り上げていく商品企画や商品開発、企業の情報を外部に発信していくIRや広報などの職種が含まれています。
人気が高い職種も多いですが、実際に広告宣伝系職種として働いた場合に年収が高いのはどんな企業なのでしょうか?
*本ランキングの平均年収とは、キャリコネ会員のうち勤務先を評価対象企業に選択した会員が投稿した給与情報から算出したデータとなります。
【広告宣伝系職種の年収が高い企業ランキング】 1位:ソニー(平均年収782万円)
――多様な分野でブランドを展開し、国内トップクラスの広告宣伝費を計上。連結子会社数日本一で、ソニー商品の広告宣伝活動を担うのは「ソニーマーケティング」
「仕事もやりがいがあり、満足のいく報酬を得られます。上司とのコミュニケーションについても、将来の目標設定や現状の課題など、ざっくばらんに話ができる風通しの良さがあります。ハードルは高く設定され、仕事の質や考え方を問われますが、それに見合った報酬を得られます」
(商品企画/30代後半男性/900万円/2010年度)
「金額に関してはまったく不満はない。仕事との関係を考えると、頑張るだけ伸びると思う。特に30歳以降は伸び率が高い。上司の評価は仕事に対してだけなので、その点は問題なく仕事ができる」
(調査・分析/30代前半男性/年収715万円/2010年度)
2位:日産自動車(平均年収766万円)
――国内企業のなかでも広告主として大きな存在感を放ち、同社のブランド&メディア戦略を担う職種は、スケールの大きな仕事を経験できる可能性も高いことも魅力
「新卒採用の場合、10年はほぼ横並びであるが、30歳を過ぎたあたりから個々人の能力およびその評価に応じて、地位・報酬は変わってくる。一方、中途採用の場合は、前職の地位も踏まえたポジションが与えられるため、若くして高い地位につくこともある。傾向は部門によっても異なり、本社部門は実力主義に近い」
(マーケティング関連職/30代前半男性/760万円/2010年度)
「福利厚生は日本の大企業らしく非常に充実していると思います。年金もしっかり積み立てられていますし、保養所なども全国各地にあり、割安な料金で利用できます。横浜マリノスのチケットを安く買えることもサッカー好きにはうれしい待遇だと思います」
(物流企画/20代後半男性/500万円/2012年度)
3位:リクルートホールディングス(平均年収755万円)
――広告・人材サービス事業を中核とする企業。スペシャリスト採用の「Webマーケティングコース」は、さまざまな事業領域・プロダクトのマーケティング戦略を担当
「任される仕事の大きさ、難易度、責任範囲などの大小で決まるグレードに応じた給料が支払われる。年次が浅くても高いグレードの仕事を任されることも多々あり、年功序列的要素は少ない。目標に対して達成したときとしていないときとの報酬の差は大きい」
(商品開発/30代前半男性/年収750万円/2010年度)
「評価については成果に連動しており、そこそこオープン。自分の仕事に責任を持って対応できる人ではないと務まらない。自分の仕事の進め方によっては、スキル向上ができる環境は当たり前にあるので、自分の力と数字の管理をしながら取り組む必要がある」
(営業企画/20代後半男性/年収500万円/2009年度)
4位:ベネッセコーポレーション(平均年収718万円)
――通信教育大手。多様な年齢層・国籍の顧客対象にアプローチすべくマーケティング職の仕事は幅広く、精緻な市場調査、販売戦略立案、効果検証等が求められる
「福利厚生はとても良いです。育児から家賃補助、スキルアップまで年間最大40万円ほど利用できました。毎年この規模で利用できるのは、大変助かりました。オフィスも大変綺麗で、社食も美味しく安いです。そのうえ、給与も業界標準以上で、待遇面の不満は一切見当たりません。大変いい環境です」
(商品企画/30代前半男性/年収700万円/2015年度)
「報酬に関しては教育サービスの業界では明らかにトップクラス。産休や復帰後の配慮、本社施設に託児所があるなど生活支援をする会社のため、バックアップを最大限に活用すれば、男女ともに家庭との両立ができる会社である」
(マーケティング/30代後半男性/年収930万円/2008年度)
5位:NEC(日本電気)(平均年収700万円)
――ICTを活用した社会インフラの高度化に力を注ぐ。ブランド力の向上と売上拡大のため動画コンテンツも積極的に活用
「年収が30代前半でボーナス込み450万円。スタッフ部門で経費削減のために残業時間がほぼゼロなので、時給換算すると意外に良いかも。福利厚生に関してはかなり良い。有休もほぼ100%消化可能」
(広報/30代前半男性/年収450万円/2010年度)
「仕事のスピード感はまったく緩く、成果に対するプレッシャーもまったくない、楽園のような職場なので、この仕事ぶりでもらえる金額として、多すぎるんではないかと体感しています」
(マーケティング/30代前半男性/年収780万円/2011年度)
6位:ソフトバンク(平均年収698万円)
「半年ごとに設定する目標ひとつひとつに対して、難易度と達成度を確認し、それに応じて半年ごとのボーナス額が決まる。目標を大きく達成すると2倍のボーナス額を得ることも可能」
(調査・分析/20代後半女性/年収650万円/2017年度)
7位:NTTドコモ(平均年収672万円)
「(報酬に関して)多いです。他の会社のことはあまり知りませんが、友達のなかでは気が引けて言えないときも多々あります。お金には正直苦労しません。査定は最初はほぼ横並びです。給料が上がっていくのは他の会社に比べて早いんじゃないかな」
(広報/20代後半男性/年収760万円/2010年度)
8位:キヤノン(平均年収644万円)
「他社と比べて、給与、賞与ともに比較的多い。研修時の工場実習の給与は多くなる。査定は年功序列の節もあるが、会社自体の業績が上がればポストも増えるので問題ない。昇級に関してはペーパーテスト及び面接での試験がある。評価については結果のみでなく、普段の態度などのプロセスを重視される」
(営業企画/20代前半女性/年収500万円/2010年度)
9位:楽天(平均年収635万円)
「該当するグレードに求められる業務遂行ができているかという点と、半期で立てた個人目標に対する数値実績の2点で評価される制度となっている。また、TOEICスコアが昇格要件にあり、給与条件がグレードの限界まで到達すると800点を取らないと昇給しなくなってしまう」
(マーケティング/30代前半男性/年収500万円/2015年度)
10位:富士通(平均年収631万円)
「成果評価といわれているものの、実際には年功序列のように感じる。減額になることもほぼないので、大きなリスクもない。業界水準よりは若干高い模様」
(マーケティング/30代後半男性/年収800万円/2016年度)
<調査概要> 「広告宣伝系職種の年収が高い企業ランキング」
調査対象:『日経業界地図 2018年版』(日本経済新聞出版社)に記載があり、対象期間中に「キャリコネ」に「広告宣伝系職種」のユーザーから給与明細投稿が10件以上寄せられた企業
対象期間:2013年4月1日~2018年3月31日
回答者:キャリコネ会員のうち勤務先を評価対象企業に選択した会員
※本ランキングの平均年収はユーザーから寄せられた情報をもとに算出しており、企業が発表している数値とは乖離がある場合があります