株式会社電通グループ 転職体験談・企業研究記事 【年収1596万円】電通グループおよび電通の給与・福利厚生のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

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【年収1596万円】電通グループおよび電通の給与・福利厚生のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

給与・福利厚生のリアル キャリコネ決算キャリア研究室
目次

データ出典・注記

電通および電通グループの給与・福利厚生のリアルを、有報・求人・口コミから徹底解説します。平均年収1500万円超の高い給与水準を支える事業構造や、中途採用で求められるシビアなミッションを検証。業績連動賞与のリスクや住宅手当の実態など、ハイクラス人材が知るべき待遇の建前と本音を客観的に紐解きます。

【公式データ】

  • 有価証券報告書(2021年12月期~2025年12月期)
  • Integrated Report 統合レポート2025
  • コーポレートサイト・採用サイト、求人データ

【口コミデータ】

  • 企業口コミサイト「キャリコネ」への現役・OBOG社員の投稿

1. 【公式データ×口コミ】有報で見る平均年収とリアルな給与事情

有価証券報告書の公式データと社員の口コミから、電通グループの年収と給与のリアルを紐解きます。

1-1 【公式データ】過去5年間の平均年収の推移

事業会社を統括する持株会社である電通グループ(提出会社)の最新(2025年12月期)の平均年間給与は15,959,402円、平均年齢は45.0歳、平均勤続年数は14.3年です。

過去5年間の推移を見ると、1,200万円台から1,500万円台へと高い水準を維持・上昇させています。なお、このデータは持株会社のもので、主要事業会社の電通をはじめとするグループ全体の水準を必ずしも反映していないことに留意してください。

年度平均年齢平均勤続年数平均年間給与
2025年12月期45.0歳14.3年15,959,402円
2024年12月期44.9歳14.1年15,075,028円
2023年12月期45.4歳16.9年15,885,604円
2022年12月期44.0歳14.7年15,203,833円
2021年12月期45.7歳16.9年12,950,498円

グループ全体の連結従業員数は、直近は6万7千人台。2021年度の6万4千人台から2023年度には7万人台へと拡大しましたが、その後は減少しています。単体従業員数は100名台で推移しています。

年度連結従業員数単体従業員数
2025年12月期67,454名135名
2024年12月期67,667名131名
2023年12月期71,127名165名
2022年12月期69,066名129名
2021年12月期64,832名181名

1-2 【公式データ】階層別の想定年収イメージ

事業会社である株式会社電通の中途採用の求人データによると、想定年収レンジは「メンバークラスから上級管理職・高度専門職:580万円 から 1,500万円」とされており、階層ごとの年収の目安は示されていません。

DXやAI領域など事業変革を牽引する高度専門人材を広く募集しており、ポジションの階層を問わず高い報酬レンジが一律で設定されているのが特徴です。

1-3 【口コミ】年代・階層別の年収カーブと賞与の実態

キャリコネに投稿された口コミによると、現場におけるリアルな給与事情は以下のようになっています。

◆ 年収モデルと「1,600万円」への階段

近年の口コミから読み取れる年代別の年収カーブは、着実にステップアップしていく構造となっています。

  • 入社初期(20代): 新卒から2年目あたりまでは年収400万〜500万円程度で推移し、残業代を含めて徐々に上がっていく傾向が見られます。
  • 30代前半から中盤(中堅層): 入社10年目前後で年収1,000万円を超え、1,200万円程度に到達するケースが多く、順調な給与アップが期待できます。
  • 40代以降(管理職クラス): 残業という概念がなくなるマネージャークラスになると、年収1,400万円から1,600万円程度で推移し、以降は上昇がやや鈍化する傾向があるようです。

◆ 基本給と賞与(ボーナス)の満足度

高い給与水準に対する満足度が高い一方で、労働環境改革に伴う収入変化への厳しい声も寄せられています。

同業他社と比較して圧倒的に高水準であり、労働に対する対価として正当に報酬が得られるためモチベーションに直結するという声が複数見られます。一方で、「以前は残業代が青天井だったが、三六協定の範囲内となり上限ができた」「月30時間相当の残業代一律支給に変わった」など、残業規制に伴う実質的な収入減を嘆く声も散見されます。

ボーナスは夏と冬の業績連動であり、結果を出せば賞与に直結するやりがいがある反面、個人の努力だけでなく会社の業績に左右される側面もあるようです。

※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。

2. 【公式データ】高い給与を支える業績基盤

なぜ株式会社電通グループはこの給与水準を維持し、還元できるのか。その答えは、「稼ぐ力」に裏打ちされた強固な業績基盤にあります。

2-1 過去5期間の連結業績の推移

電通グループの連結業績について、直近5年間の収益と営業利益の推移は以下の通りです。

◆ 拡大を続ける収益規模とグローバル展開

過去5年間の収益を見ると、2021年度の1兆円規模から、2025年度には1.4兆円規模へと右肩上がりで拡大を続けています。この背景には、海外企業の買収を通じたグローバル展開の加速や、デジタル領域などでの着実な成長があります。

年度収益(億円)営業利益(億円)営業利益率(%)
2025年12月期14,352△2,892△20.2
2024年12月期14,110△1,250△8.9
2023年12月期13,0464533.5
2022年12月期12,4641,1769.4
2021年12月期10,8562,41822.3

◆ 構造改革による一時的な利益の圧迫

一方で、営業利益に目を向けると、2024年度および2025年度において巨額の営業赤字を計上しています。 これは、主に海外事業において直近の市場金利を踏まえ高い割引率を適用したことなどによる、のれんの減損損失や構造改革費用の計上が要因です。

不振ビジネスの見直しや経営基盤の再構築など、将来に向けた事業ポートフォリオの立て直しを進めている過渡期であることが読み取れます。

2-2 セグメント別の稼ぎの柱

電通グループは、事業を「日本」「Americas」「EMEA」「APAC」の4つの地域セグメントに分けて管理しています。各セグメントの収益構造を見ていきます。

◆ 日本市場における圧倒的な収益力

2025年度の実績において、各セグメントの収益とセグメント利益(事業の恒常的な業績を測る調整後営業利益)を見ると、日本セグメントがグループ全体の稼ぎの柱として圧倒的な存在感を示しています。

セグメントの名称収益(億円)セグメント利益(億円)利益率(%)
日本6,0831,21119.9
Americas3,69772319.6
EMEA3,38433810.0
APAC1,122272.4

◆ 統合ソリューション(IGS)による価値提供

電通グループは「B2B2S(Business to Business to Society)」という経営方針を掲げ、顧客企業の事業課題の先にある社会課題までを見据え、その解決策を提案・実施することを目指しています。

具体的には、従来の広告マーケティング領域にとどまらず、テクノロジーやコンサルティング、スポーツ&エンターテインメント領域の専門性を融合させた「Integrated Growth Solutions(IGS)」を提供しています。 この独自性の高い高付加価値なビジネスモデルが、日本事業の力強い収益基盤と従業員の高い給与水準を支えています。

3. 【公式データ】最新求人から読み解く「今、求められる人材」

有価証券報告書の「平均年間給与」だけでは分からない「今、求められる人材」の要件を、最新求人から読み解きます。

3-1 募集ポジションの全体傾向

電通グループの主要事業会社である電通の中途採用における募集職種を確認すると、既存の広告ビジネスの枠組みを超えた「変革型」のポジションが主流を占めていることがわかります。

データサイエンティストなどのデータ・テクノロジー領域の専門職や、顧客の事業変革を牽引する事業コンサルタント等のポジションが多く募集されています。

単なる広告枠の販売や既存業務の遂行ではなく、クライアント企業の事業成長に直接的にコミットし、デジタルトランスフォーメーションや新規事業開発を主導できる高度な専門人材が強く求められている状況です。

3-2 個別求人の特徴と期待されるミッション

実際の個別求人の記載内容から、ミッションや役割の性質に基づいて3つのカテゴリに分類し、期待される役割と要件を抽出します。

◆ 顧客の経営課題に踏み込む「事業変革・コンサルティング領域」

クライアントの事業変革や新規事業創造を推進するカテゴリであり、具体的なポジションとして「事業コンサルタント」「組織人事コンサルタント」などが募集されています。

戦略と構想の策定にとどまらず、サービス開発から実装・運用までプロジェクトに伴走することがミッションとされています。

そのため、「経営レベルの課題に向き合う」「複数のプロジェクトに同時にコミットする」といったシビアな必須条件が設定されており、自らが企画を立案し形にする高い目標達成へのコミットメントが求められます。

◆ 正解のない課題を実装に導く「データ・AIソリューション領域」

データアセットや先端テクノロジーを起点に、新たなマーケティング手法を確立するカテゴリです。「データ・AIソリューション開発プロデューサー」「データサイエンティスト」「AIクリエイター」などが該当します。

単なる分析やシステム開発ではなく、ソリューションが「使われる形」に落とし込み、マーケティングへ実装させることがミッションです。

「正解のない状況でも仮説を立てて前に進める」「不確実な領域に対しても前向きに挑戦できる」といった、未踏の領域を自走して関係者を巻き込む、変革への強い意欲とスピード感がシビアに問われています。

◆ 複雑なステークホルダーを巻き込む「スポーツ&エンターテインメント領域」

グローバル事業の柱として、海外での事業拡大やIPホルダー型ビジネスへの拡張を担うカテゴリです。「スポーツビジネスプロデューサー」などが該当します。

国際的なスポーツ大会などの権利関連業務や新規事業開発、事業投資を推進するミッションを担います。

国内外の多数のステークホルダーと連携するため、「中〜大規模なプロジェクトのマネジメント経験」「ビジネスレベルの英語力」が求められ、複雑な課題を粘り強く解決しながらビジネスを前進させる高度な推進力が必要とされています。

4. 【公式データ×口コミ】実質的な年収を押し上げる福利厚生

電通の給与水準を語る上で欠かせないのが、額面の年収以上に実質的な可処分所得を押し上げる福利厚生や資産形成支援などの制度です。公式に開示されている制度と、現場が実感する「金銭的メリット」のリアルを検証します。

4-1 開示データに見る「福利厚生・各種手当」の全体像

事業会社である電通の公式開示データからは、ベースとなる給与以外にも社員の生活を金銭面でサポートする制度が整備されていることがわかります。

◆ 充実した手当と資産形成支援

最新の中途採用求人データによると、電通では超過勤務手当や通勤手当といった基本手当に加え、リモートワーク手当、配偶者手当、子ども手当といったライフステージに応じた各種手当が公式に用意されています。

また、将来の資産形成を支援する仕組みとして、退職金制度や確定拠出年金、従業員持株会(持株会奨励金)などの制度も整備されており、給与の額面以上に社員の金銭的メリットを押し上げる体制が構築されています。

4-2 現場が実感する「恩恵」と制度の落とし穴

公式に手厚い制度が示される一方で、実際の現場ではどのような恩恵や課題を感じているのでしょうか。口コミからその実態を検証します。

◆ 住宅手当が存在しないという落とし穴

各種手当や福利厚生が充実している一方で、口コミの給与明細データなどを確認すると、「住宅手当」「家賃補助」の支給額が0円となっている実態が見受けられます。

日系の大手企業で一般的に支給されることの多い家賃補助が存在しないことは、額面年収が高くても生活コストの面で可処分所得を圧迫する要因となり得るため、転職を検討するハイクラス人材にとっても注意すべき落とし穴と言えます。

◆ 変化する福利厚生へのリアルな声

また、現場の社員からは「福利厚生が昔より悪くなっているように感じるため、できれば充実させてほしい」といったシビアな声も寄せられています。

労働環境改革などを経て働き方が適正化される一方で、かつて存在した手厚い恩恵や社内独自の仕組みが変化しており、社員にとっては必ずしも現状の福利厚生に対して手放しで満足しているわけではないというリアルな実態がうかがえます。

※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。

まとめ:この会社の給与と待遇は、あなたにフィットするか

業績と給与水準の観点から電通および電通グループのリアルを総括すると、以下のようになります。

◆ 高待遇と引き換えのプレッシャーに耐えられるか

持株会社で約1,500万円台という高い平均年収が維持され、現場でも上限1,500万円といった高い報酬レンジが用意されている反面、正解のない課題に対する厳しいコミットメントと実行力が求められます。

◆ 業績連動による賞与変動リスクを許容できるか

ボーナスは業績連動型であり、成果を出せば賞与に直結するやりがいがある反面、個人の努力だけでなく会社の業績に左右されるリスクも存在します。現在のような構造改革の過渡期においては、この変動リスクを冷静に受け止める必要があります。

◆ 充実した福利厚生の条件・制約に適応できるか

各種手当や資産形成支援が用意されている一方で、住宅手当が存在しないことや、残業規制による実質的な収入減など、大企業ならではの手厚さと厳しい制約が混在するリアルな環境を理解しておくことが重要です。

「業績連動の厳しさ」「圧倒的な待遇・還元」という2つの軸で見ると、現在の電通は、安定的な固定給や手厚い家賃補助を求めるタイプには向いておらず、事業構造の変革期におけるプレッシャーを楽しみながら、自らの実力で高い報酬を勝ち取れるタフな人材に向いている環境と言えるでしょう。

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