株式会社電通グループ 転職体験談・企業研究記事 【評価制度・キャリア】電通グループおよび電通の昇進・成長のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

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【評価制度・キャリア】電通グループおよび電通の昇進・成長のリアル|有報・求人・口コミで読み解く

昇進・成長のリアル キャリコネ決算キャリア研究室
目次

データ出典・注記

電通グループおよび電通の評価制度とキャリアのリアルを徹底解説。実力主義の評価基準「dLA」や手厚い育成投資が整備される一方、現場に残る年功序列や人間関係が評価を左右する実態を検証。自らのキャリアと評価の透明性を重視するハイクラス人材に向け、公式の理念と現場のリアルのギャップを紐解きます。

【公式データ】

  • 有価証券報告書(2021年12月期~2025年12月期)
  • Integrated Report 統合レポート2025
  • コーポレートサイト・採用サイト、求人データ

【口コミデータ】

  • 企業口コミサイト「キャリコネ」への現役・OBOG社員の投稿

1. 【公式データ】開示資料に見る「企業理念」と「評価制度」の連動

有価証券報告書や統合報告書などの公式データから、電通グループの企業理念と、それを体現するための評価制度の仕組みを紐解きます。

1-1 ミッション・ビジョンと行動規範(バリュー)

電通グループは、企業理念「NORTHSTAR(北極星の意)」において、PURPOSE(存在意義)や、WHY・WHAT・HOWを定めています。

◆ PURPOSEと独自の経営アプローチ

コーポレートサイト等において、同社のPURPOSE等は以下のように定義されています。

  • PURPOSE:an invitation to the never before. 私たちは、多様な視点を持つ人々とつながりながら、かつてないアイデアやソリューションを生み出し、社会や企業の持続的な発展を実現するために存在しています。
  • WHY:For lasting good 社会・企業・生活者全体のより良いエコシステムのために、中長期で価値を生み出し続けることが、私たちの使命です。
  • WHAT:The power of the never before かつてないアイデアとソリューションで、変化するビジネス環境に新たな視点を持ちこみ、未来を創造していきます。
  • HOW:Open teaming 世界中の多様な人々がフラットに集まり、オープンにつながる場所となっていきます。

◆ 成果へのコミットと困難に立ち向かう「The 8 Ways」

さらに、日々の業務で求められる行動規範(バリュー)として、「The 8 Ways」という8つの価値観が設定されています。

  • 1. WE DREAM LOUD 夢は大きい方がいい。その大きさが人を集める。
  • 2. WE INSPIRE CHANGE 変わり続けるからうまくいく。変わり続けるから最先端。
  • 3. WE TEAM WITHOUT LIMITS 会議で反対されたら感謝する。それは、自分では思いつかなかった視点。チームで仕事をする意義。
  • 4. WE ALL LEAD リーダーという職階はない。アイデアを出した人が、やり遂げた人が、リーダーと呼ばれる。
  • 5. WE MAKE IT REAL 企画書やプレゼンはただのプロセス。実施して成果を上げるのが私たち。
  • 6. WE CLIMB HIGH 残念なことに、困難は私たちを成長させる。
  • 7. WE CHOOSE EXCITEMENT 迷ったら、面白い方へ。迷ってなくても、その方がいい。
  • 8. WE ARE A FORCE FOR GOOD 世の中の幸福。それは、クライアント以上の、私たちのクライアント。

これらの行動指針からは、役職に関わらず結果を出し切る強いリーダーシップや、困難な状況をも成長の機会と捉えるタフなマインドセットがシビアに要求されていることがわかります。

1-2 評価制度の仕組みと運用ルール

理念や行動規範は、実際の評価や育成の現場にどのように連動しているのでしょうか。統合レポート2025からその仕組みを抽出します。

◆ リーダーシップ行動要件「dLA」の導入

電通グループは、役職や肩書きに関係なく周囲にポジティブな影響を与える行動を評価の軸とするため、リーダーシップ行動要件「dentsu Leadership Attributes(dLA)」を導入しています。

dLAは以下の6つの行動と、すべての素地となるインテグリティで構成されています。

  • Think Strategically:自ら考え、自ら変革を起こす。
  • Create a Connected Culture:多様なアイデアを受け入れ掛け合わせる。
  • Champion Talent Development:自分より優れた人財を育成する。
  • Drive Business Excellence「素晴らしい仕事」を進化させる。
  • Lead Innovation:新しいことに果敢にチャレンジする。
  • Practice Client-Centricity:顧客の本質的な成長に貢献する。
  • With Unyielding Integrity:揺るぎないインテグリティとともに。

これらは、行動指針をより具体化したものであり、目標設定やパフォーマンス評価などの各種人事施策に組み込まれています。

◆ 評価と育成を連動させる「People Discussion」

dLAを活用した人財開発の仕組みとして、部門リーダーが定期的に従業員の成長と育成計画を議論する「People Discussion」という場が設けられています。

この場では、単なる業績評価だけでなく、dLAに基づくリーダーシップ行動や将来の成長ポテンシャルが議論の対象となります。このプロセスを通じて、個人のスキルとポテンシャルを可視化し、次世代のリーダー人財を戦略的に育成・配置するメカニズムがグローバルで運用されています。

また、役員の年次賞与などの業績連動報酬においても、このdLAの体現度合いが個人業績評価の指標として直結する仕組みとなっており、理念が実際の評価に厳格に連動していることが読み取れます。

2. 【口コミ】評価・昇格のリアルな「納得感」

公式に定められた評価制度に対し、実際の現場ではどのような運用がなされているのでしょうか。社員の口コミから、評価と昇格のリアルな「納得感」を検証します。

2-1 評価の透明性——公式ルールと現場の運用実態

キャリコネに投稿された口コミから、「dLA」等の実力主義的な公式ルールと、現場の運用実態の乖離を検証します。

◆ 現場で重視される「人間関係」のリアル

公式にはリーダーシップや行動要件に基づく客観的な評価メカニズムが設定されていますが、近年の口コミでは「取引先や社内チームなどとの人間関係は大事」であり、「そこが問題なければ普通に評価される」といった声が寄せられています。

透明性の高い評価制度がグローバルで整備される一方で、現場の運用レベルにおいては、周囲との泥臭い関係構築が評価の基盤となっている実態がうかがえます。

◆ クライアントへのシビアなコミットメント

また、現場の空気感として「クライアント企業の売り上げに貢献するかどうかは厳しく見られる」といった、成果に対するプレッシャーを指摘する声も見られます。

これは、「顧客の本質的な成長に貢献する」「実施して成果を上げるのが私たち」といった公式の行動規範が、スローガンにとどまらず、現場レベルの評価基準として厳格に体現されている結果であると言えます。

2-2 昇格の決定要因——実力とカルチャーフィットの相関

昇格を決定づける要因について、成果と企業カルチャーへの適応がどのように相関しているのかを読み解きます。

◆ 依然として残る年功序列の側面

昇格については、公式には「役職や肩書きに関係なく周囲にポジティブな影響を与える行動を評価」するとされていますが、口コミでも「どうしても年功序列」という実態が語られています。

「取引先などとの人間関係がものを言うことが多い」という声にあるように、純粋な実力だけでなく、長期的な人間関係の蓄積が昇格を大きく左右する大企業ならではのリアルが読み取れます。

◆ 同じ部署への定着が鍵となる出世事情

さらに、「部署が変わらず、安定して着実に仕事をこなす人が手堅く出世している印象」「同じ部署の経験年数が多い方が出世しやすい」といった声も散見されます。

流動性や変革が求められる環境下であっても、実際には特定の部署に長く定着し、着実に人間関係と実績を積み上げることが昇格への近道となっているという、建前と本音のコントラストがうかがえます。

※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。

3. 【公式データ】求人と開示資料に見る「求める人物像」と「育成方針」

全社的な育成方針に対して、中途で入社するハイクラス人材には具体的にどのような役割が期待され、どのような支援が用意されているのでしょうか。最新の求人データと開示資料から読み解きます。

3-1 中途入社者に求められる役割

事業会社である株式会社電通のキャリア採用の求人データから、中途入社者に求められるミッションの傾向と人物像要件を抽出します。

◆ 既存事業の変革と新規事業の牽引

現在の求人では、既存業務の実務遂行型ポジションよりも、「AIクリエイター」「事業コンサルタント」といった事業変革を牽引するポジションが主流となっています。

事業コンサルタントの求人を見ると、顧客企業の抱える事業課題に対し、既存事業の変革や新規事業創造を共創プロジェクトとして推進することがミッションとして掲げられています。

戦略と構想にとどまらず、サービス開発から実装や運用まで幅広く手掛けることが期待されており、広告ビジネスの枠を超えた広範なビジネスプロデュースの役割が求められています。

◆ 不確実な領域に挑むシビアな適応力

これらの変革型ポジションで求められる人物像には、ハードルの高い要件が並んでいます。AIクリエイターの求人では、「正解のない状況でも仮説を立てて前に進められる方」「不確実な領域に対しても前向きに挑戦できるマインドを持ち、共創を楽しめる方」が求められています。

事業コンサルタントにおいても、「経営レベルの課題に向き合い、中長期的に貢献できるスキル」「複数のプロジェクトに同時にコミットできるスキル」が必須とされており、高い目標達成へのコミットメントと実行力が不可欠です。

3-2 会社が用意するキャリア支援と育成投資

高い要求が突きつけられる一方で、会社側はどのような成長支援を用意しているのでしょうか。統合レポート2025などから、育成投資の仕組みを検証します。

◆ 次世代のグローバルリーダー育成

電通グループは、グローバル戦略の理解と実践力を高めるための次世代リーダー育成プログラム「dentsu Leadership Connect」を展開しており、2024年には約40名のリーダーが参加しました。

また、日本市場で将来のリーダー候補を選抜し、海外拠点での実践を通じて育成する新プログラム「dentsu NEXT 20」も開始されており、グローバルにスケールする成長の機会が提供されています。

◆ キャリアの自律と統一フレームワーク

従業員の主体的なキャリア形成を支える基盤として、職種と等級を定義したグループ統一の「キャリアフレームワーク」の導入が進められています。

海外では既に約5万人の従業員に対してこの基準に基づくジョブラベリングが実施されており、日本でも統一基準に基づく人財データベースの構築が始まっています。

一方で、キャリア自律においては「自らやりたいことを持ち、挑戦し続ける」ことが重要とされており、手厚い支援の恩恵を最大限に享受するには、自らのキャリアを主体的に切り開く強い能動性が前提となっていることがうかがえます。

4. 【公式データ×口コミ】入社後に得られる成長と「キャリアの自由度」

会社が掲げる人材育成の方針に対し、現場ではどのような成長実感が得られているのでしょうか。口コミから、実務を通じたスキルの獲得とキャリアパスのリアルを検証します。

4-1 実務を通じたスキルの獲得と環境の壁

有価証券報告書等の公式開示資料において、離職率や定着率の具体的な数値は公開されていないものの、キャリコネの口コミからは、社員が実務の中で感じているやりがいと環境に対する不安の両面がうかがえます。

◆ 影響力の大きな仕事とクライアントへの貢献

実務を通じた成長機会として、近年の口コミでは「流行りものに関心があり、話題になるようなことを仕掛けるのが好きな人は楽しいと思う」「クライアントの課題にこたえたいと思う人も向いている」といった声が寄せられています。

社会的な影響力の大きな仕掛けに携わり、クライアントのビジネス成長に直接的に貢献するプレッシャーの中で、実践的なマーケティングスキルや課題解決力を磨ける環境であると言えます。

◆ 既存事業依存への不安と成長の壁

一方で、「現在の経営陣は守り型のタイプが多く、広告市場のゼロ成長の中で先行きは不安に感じている」といった声も存在します。

「広告以外の領域への進出が課題になっているが、収益の柱は既存の広告メディア事業から全く変わっていないのが不安要素」との指摘もあり、会社全体が事業変革を掲げる過渡期において、現場の社員は既存ビジネスへの依存という「環境の壁」にもどかしさを感じている実態がうかがえます。

4-2 キャリアの自己決定権と異動のリアル

◆ 公式のキャリア自律支援と現場のギャップ

公式にはグループ統一の「キャリアフレームワーク」の導入などが進められ、従業員が主体的に自らのキャリアを切り開く自律的なキャリア形成が後押しされています。

しかし、現場のリアルな声としては、「部署が変わらず、安定して着実に仕事をこなす人が手堅く出世している」「同じ部署の経験年数が多い方が出世しやすい」という実態が語られています。

◆ 「定着」が有利に働く手堅いキャリアパス

ダイナミックな配置転換やキャリアの自律が公式に推奨されつつある一方で、実際には特定の部署に長く留まり、社内外の人間関係を強固に構築することが自身のキャリアパスを有利に進めるための鍵となっているようです。

全社的な変革が進む中においても、現場レベルでは旧来から続く手堅いシステムへの適応が求められるという、建前と本音のギャップが存在することが読み取れます。

※情報が少ない場合もあります。ぜひ口コミ投稿にご協力ください。

まとめ:この会社のシステムは、あなたの成長に味方するか

グローバルでの統一基準や自律的なキャリア形成支援が進められる変革期において、公式の制度と現場に残る運用実態のギャップを総括すると、以下のようになります。

◆ 公式の理念や行動指針を現場で泥臭く体現できるか

リーダーシップ行動要件「dentsu Leadership Attributes(dLA)」のような実力主義的な行動要件が導入される一方で、現場では泥臭く関係値を築き、クライアントの事業成長にコミットするシビアな姿勢が実際の評価と直結しています。

◆ 年功序列や人間関係が残るシステムに適応できるか

制度上は役職に関係なく実力を評価するとされていますが、昇格や異動においては、特定の部署での経験年数や周囲との人間関係の蓄積が重視される、手堅いシステムが依然として残っています。

◆ 充実したキャリア支援を自ら活用できる主体性があるか

次世代リーダー育成プログラムなど、成長のためのリソースが豊富に用意されていますが、変革期の不確実な環境の中でその恩恵を最大限に享受するためには、自らキャリアを切り開く強い能動性が不可欠です。

「評価の透明性」「キャリアの自己決定権」という2つの軸で見ると、現在の電通グループは、ドライな成果主義を求めるタイプよりも、人間関係や過渡期の不確実性をも成長機会と捉え、自らの実力で道を切り開けるタフな人材に向いている環境と言えるでしょう。

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