• 職種研究代理店営業

    パートナー契約を結ぶ販売代理店の新規開拓や営業支援をする「代理店営業」。直にユーザーに営業しないため、楽なのでは? というイメージを持たれがちですが、実際はどうなのでしょうか。仕事内容、年収、やりがい等の面から検証していきます。

    代理店営業の仕事内容と転職

    1.代理店営業の仕事内容

    代理店営業(パートナーセールス)は、自社の製品・サービスの拡販を目的とした販売代理店の新規開拓や、代理店の営業支援やフォローを行う仕事です。

    例えば、携帯電話や金融商品・保険、コスメ・健康商品関係、食品関係の企業が販売代理店を利用するケースが多いでしょう。代理店の売上の一部が手数料として自社に支払われるため、代理店の売上アップが代理店営業の評価にもつながります。

    代理店営業の具体的な仕事内容は以下の通りです。

    ・販売店候補となる企業のリストを作成。メール、電話、訪問などで営業し、自社の商品やサービスの良さを解説(商品案内)

    ・商談をまとめ、パートナー契約を結ぶ(新規開拓)

    ・売上増加のため、効果的な営業方法の提案や営業ツールの作成、指導等を行う。代理店の営業に同行してサポートすることも(営業支援)

    なお、同じ代理店営業でも、自社が代理店数を増やしたい場合は主な業務が新規開拓というケースもあるでしょう。一方で、新規開拓を担当せず、担当する代理店経由の売上目標到達を目指すケースもあります。一般営業と同じく、数値目標が課せられるケースが多いでしょう。

    代理店営業と一般営業との違い

    代理店営業と一般営業との大きな違いは顧客にあります。実際に商品やサービスを使う人や法人が顧客の一般営業に対し、代理店営業のお客様はエンドユーザーに自社商品・サービスを販売する販売代理店です。

    主な業種は保険とメーカー

    代理店営業の求人が多い業種は保険とメーカーです。

    求人広告の大半を占めるメーカーは、機械・電気から食品や医薬品まで業界はさまざまですが、小売販売店や法人などがクライアントになるでしょう。既存代理店には、商品の陳列方法やキャンペーンなど、効果的に売上を伸ばすためのアドバイスを行います。

    メーカーに次いで求人の多い保険業界の場合、自社の商品を販売する保険代理店がクライアントです。保険代理店の新規開拓、育成指導、経営指導などを行っていきます。保険の深い知識とともに、自社保険の購買を促進するための経営戦略も立案していかねばなりません。

    2.代理店営業になるには

    代理店営業は、自社商品・サービスについて十分な知識を持っている必要があります。そのため、最初は自社商品・サービスの個人営業をして経験を積んでから代理店営業になるケースが多いでしょう。

    代理店営業に必要なスキルと資格

    代理店営業は担当地域を社用車で回るケースが多く、普通免許を必須とする企業も多い傾向にあります。

    また、自分で営業するわけではないぶん、代理店とのコミュニケーションが非常に重要。ヒアリング力、問題解決能力、提案力、さらには営業企画やマーケティングの視点が必要になってきます。

    3.代理店営業の転職

    代理店営業の数は一般営業に比べて少ない傾向にあります。特に担当代理店が決まっている代理店営業の場合、ノルマがあまり厳しく求められない傾向にあることから、人気の職種でもあります。

    未経験からの転職

    未経験者OKの求人の場合は営業経験を問われませんが、同じ業種での勤務経験は非常に有利に働きます。また、未経験者の場合、今後のキャリア形成の観点から、35歳までの年齢制限を設けている企業が多いようです。

    なお、DODAのデータによれば、代理店営業に転職する前の職種で最も多かったのは「教育/スクール」[1]。塾講師やインストラクターなど、教育・スクール関連の職種は指導力や提案力が求められます。代理店営業に転職した後もスキルを活かせそうです。

    [1]パーソルキャリア株式会社「金融業界の代理店営業」(DODA)https://doda.jp/guide/zukan/009.html (2018年2月14日アクセス)

    経験者の転職

    経験者であれば、やはり前職での実績は大きなアピールポイントになるでしょう。

    特に保険やソフトウェア、作業機械など、商品・サービスの専門性が高い業界では、業界経験や実績を問う傾向が強くなります。