• 職種研究データベースエンジニア

    ITシステムの根幹にあるデータベース。これを支えるのが「データベースエンジニア」です。しかし、エンジニアにはさまざまな種類があり、違いがわかりづらい部分もあるでしょう。仕事内容ややりがい等を詳しくご紹介します。

    データベースエンジニアの仕事内容と転職

    1.データベースエンジニアの仕事内容

    データベースとは、膨大な量のデータを集めて、検索しやすいように整理した仕組みのこと。効率のいいデータベースシステムを設計・開発し、運用管理をするのがデータベースエンジニアの仕事です。主にシステムインテグレータやIT関連企業で活躍します。

    仕事の種類

    データベースエンジニアは、大きく以下の3種類に分けることができます。

    ・【ソフトウェア系】OracleやMicrosoft SQL Serverといったデータベースシステムを用いて、最適なデータベースの設計・開発をする。

    ・【ハード系】データベースシステムをインストールし、データを長期的に保存するためのデータベースのチューニングやサーバーの最適化を行う。

    ・【運用・保守系】データベースの管理運用や、セキュリティ規則の設計などを行う。

    将来性はある?

    高度な知識と技術力を持つデータベースエンジニアの数は少なく、近年はインフラエンジニアがデータベースエンジニアの業務を担っていることもあります。

    データベースエンジニア専任の募集を行う企業は減少傾向にあるものの、情報を管理するデータベースは不可欠なので、ニーズ自体は増加しているでしょう。今後求められるのは、クラウドにあるデータベースやビッグデータと呼ばれる分析が必要なデータを扱えるエンジニアです。データベースを使ったビッグデータの分析スキルを伸ばしていけば、「データサイエンティスト」と呼ばれる職種になれるチャンスもあるでしょう。

    2.データベースエンジニアになるには

    サーバーエンジニアやネットワークエンジニアを経験してから、データベースエンジニアに転身するケースも少なくありません。

    また、データベースエンジニアは、新卒からも目指せる職業です。理系学部出身者が多く、大学や専門学校などでネットワークやサーバーに関する基礎知識を学んだのち、データベースエンジニアとして就職するケースが多いでしょう。

    仕事をするにあたって、データベース言語であるSQLの習得が必須です。経験者の場合はデータベース言語やプログラミング言語の経験や、SE・プログラマとしての実務経験が優先する傾向にあるでしょう。

    また、データベースエンジニアは、クライアントや他部署とやりとりが多い傾向にあるため、コミュニケーション能力も重視されます。

    必要なスキル・資格

    必ずしも資格を取らなければなれない職業ではありませんが、資格の取得は、スキルの証明になるでしょう。

    特に「ORACLE MASTER」は、就職や転職に有利になると言われています。なかには、入社までにORACLE MASTERのBronze(4つにレベル分けされたなかで、一番下のグレード)以上の資格取得を条件にしている企業もあります。

    また、データ管理者としての能力を問う「データベーススペシャリスト試験」は、合格率が15%程度と難易度が高く、評価も高い資格です。[1]

    [1]独立行政法人情報処理推進機構「データベーススペシャリスト試験(DB)」(IPA)https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/db.html (2018年3月2日アクセス)

    3.データベースエンジニアの転職

    求人数は、ほかのエンジニア職と比較すると少なめでしょう。ただし、データベースに関連する幅広い知識や経験を有するエンジニアは貴重な存在です。データベースエンジニアとしての実務経験やスキルがあれば、転職しやすい環境だと言えます。

    未経験からの転職

    未経験からデータベースエンジニアに転職するには、IT業界での就業経験やデータベースの構築経験があることが理想的です。

    ただ、実務経験はなくても、ITスクール出身者やIT系の有資格者が採用されるケースもあるでしょう。全くITに関する知識がない人より、自ら学び、積極的に技術を身につけようとする人のほうが採用されやすくなります。

    経験者の転職

    経験者が転職する場合には、データベースの設計・開発経験が重視されるでしょう。また、小規模データより大規模データを扱った経験が評価されやすい傾向にあります。扱えるデータベースの種類が豊富なら、条件が良くなるでしょう。