職種研究企画営業
企画営業の仕事内容と転職
1.企画営業の仕事内容
企画営業は、自社の商品・サービスに「企画・提案」という付加価値を上乗せして提供するのが仕事です。広告業界で顧客に対してイベント企画やプロモーション活動を提案する「アカウントプランナー」という職種から発生したとも言われています。「提案営業」「コンサルティング営業」「ソリューション営業」といった名称が使われることもあるでしょう。
具体的には市場調査や分析、顧客からのヒアリングをし、自社商品やサービスを使って顧客が抱える課題を解決する提案をします。一般的な営業職よりも顧客のビジネスにコミットする仕事だと言えるでしょう。
例えば、以下のようにソリューションを提供していきます。
<例>
・広告代理店が、商品の認知度アップに悩む企業に対してSNSを使ったキャンペーンなどを企画
・コンサルティング会社やIT企業が、人材育成に悩む企業に対して研修制度の構築や人事評価システムの導入等をトータルに提案
営業との違い
営業は、顧客の開拓や商談・交渉を行うことで、売上につなげます。基本的には「販売」「受注」がメインの仕事です。
企画営業の場合はそれに加えて、
・顧客の顕在ニーズや潜在ニーズを把握する、掘り起こす
・課題解決、問題達成に向けての最適解を提案する
というミッションがあるという違いがあります。顧客自身が気づいていない課題にも目を向けなければなりませんし、提案内容は顧客ごとに変わり、市場を把握する力も求められるのです。
ただし、近年はあらゆる営業職に提案力が求められる傾向にあります。そのため、完全に営業と企画営業を分けるのは難しいでしょう。
営業企画との違い
名称は似ていますが、「営業企画」は営業職ではありません。あくまでも営業活動を裏から支える仕事です。営業部門が売上目標を達成するために、マーケットを分析して販売を促進するための戦略や施策の立案を行います。
ただし、企業によっては営業が営業企画業務を担っていることもあるため、一概に別の仕事とは言い切れません。規模が大きく分業が進んでいる会社やマーケティングを重要視している会社では、営業企画の担当者を別に置くことが多いでしょう。
2.企画営業になるには
企画営業になるための必須条件は特にありません。積極的に学ぶ意欲があれば、新卒や未経験者にも門戸は開かれています。
顧客と直接対峙してニーズを引き出すコミュニケーション能力や、リサーチ力、分析力が重要な要素です。新規開拓やプレゼンテーションの機会が多いため、積極性があって人前での発言や提案に物怖じしない人にも向いている職種と言えそうです。
3.企画営業の転職
日本全体の消費行動が縮小して消費者ニーズが多様化するなか、企業はこれまでとは異なるアプローチを迫られています。そのため、企画営業の需要は年々高まっています。企画営業の経験者は、引く手あまたです。
単に「営業職」とだけ記載のある求人広告でも、実際は企画営業のような働き方を求められることもあるでしょう。
以前は、広告業界で企画営業職(アカウントプランナー含む)の求人が多い傾向にありましたが、現在は、個人・法人といった営業先を問わず、幅広い業界で企画営業が求められています。
未経験からの転職
未経験OKの求人は非常に多い傾向にあります。
社内外で関わる人が多いため、面接時にはコミュニケーションスキルを重要視されるでしょう。入社後にいかに積極的に学べるかという意欲も大切です。また、分析力や提案力が必要な職種のため、十分に準備して論理的思考力をアピールしましょう。
経験者の転職
優秀な企画営業はどの業界でも重宝されるため、経験者は業界を超えた転職も可能です。転職時にしっかりと過去の実績をアピールすれば、よりよい条件提示の可能性があります。
企業の規模によって求められる働き方が異なるため、事前のリサーチは重要です。例えば大手企業の場合、部署の分業化が進んでいる関係上、関わる部署が多く調整力が重視される傾向にあります。ベンチャー企業の場合、一人に任せられる仕事の範囲が広いため、アポ取りから資料作りまで一人で切り盛りできる突破力や積極性が見られるでしょう。
いずれの場合も、多くの経験を積んで実績を挙げれば、マネジメント職へのキャリアアップや独立も可能でしょう。