職種研究法人営業
法人営業の仕事内容と転職
1.法人営業の仕事内容
法人営業の主な仕事は以下の通りです。
・商談のアポイント取り
・顧客に自社商品・サービスの説明
・商談がまとまったら、見積書や請求書の発行、入金確認等の事務処理
・受注後のアフターフォローや契約更新・オプション等の案内
企業によっては、アポ取りや事務処理を専任スタッフ、営業アシスタントが担当することもあります。法人間の取引は契約期間が長期になることが多く、受注後の関係性維持も大切な仕事のひとつです。定期的に訪問してヒアリングすることで、商品やサービスの改善、追加受注や契約更新にもつながっていきます。
幅広い業界で活躍できますが、特に金融、人材、製造、IT業界などで法人営業に注力しているケースが多いでしょう。
個人営業との違い
法人営業も個人営業も、仕事の流れはほとんど同じです。
ただし、決済担当者が違うため、交渉する際のアプローチが異なります。顧客が個人の場合は商談相手の裁量で契約が決まりますが、法人営業の場合は、目の前の商談相手ではなくその上司や役員が決済権を持っているケースも多いでしょう。調整しなければならない関係者が多く、それを見据えた営業アプローチが重要になってきます。
また、法人営業が扱う商材は単価が高く、ときには数千万円~数億円レベルの金額を動かすこともあります。受注まで数か月~数年かかるケースも珍しくありません。
法人営業のやり方
新規開拓の場合、まず自社商品のニーズがありそうな企業や団体を調査し、情報収集することから始まります。展示会などのイベントで名刺交換するのも重要です。
見込み客のリストが集まったら、アポ取りをして担当者との商談に臨むことになります。この際、相手企業の課題や状況、経営環境をできる限り調べ、ニーズに合致した提案書を準備する必要があるでしょう。
何度も提案・価格交渉を繰り返すことや、競合他社とのコンペを行うケースもあります。商談がまとまったら正式な見積書を発行し、相手企業から発注書を受領します。正式な契約書の締結が必要になることもあるでしょう。その後、商品・サービスの手配を行い、納品・入金確認をするというのが一般的な流れです。
納品後は顧客の感触をヒアリングします。社内の関係部署への情報共有、追加発注や契約更新に向けた関係維持に努めるなど、長期的なフォローをしていきます。
2.法人営業になるには
法人営業に求められる能力・資格は企業によってさまざまです。業界知識や語学スキルが求められるケースもありますが、未経験歓迎という募集も多いでしょう。
顧客のニーズを引き出し、社内外で多くの人と連携する必要がある職種のため、高いコミュニケーション能力が求められる点は共通しています。また、営業先が企業のため、きちんとビジネスマナーを身につける必要があるでしょう。
新卒の場合は導入研修でビジネスマナーを学び、その後はOJT(実務を通して行う職業訓練)として先輩に付いて現場で学ぶことが多いようです。
法人営業に向いている人
関係者の動向をキャッチする情報収集力や高いコミュニケーション能力がある人が向いています。また、きめ細やかにフォローできる人も信頼されるでしょう。金融、ITなどの移り変わりが激しい業界の場合、最新トレンドを掴む情報感度の高さも武器になります。大企業が相手の場合は契約締結までに長い期間を要することが多いため、根気強さも大切でしょう。
3.法人営業の転職
海外市場で戦える法人営業が求められているため、語学力があれば大きなアドバンテージになります。また、医療や介護といった成長産業や高度なITを扱う企業は、今後さらに社会的需要が見込まれるでしょう。今後の法人営業を取り巻く環境を見据えてスキルを習得していくことが、転職時に有利になる秘訣と言えそうです。
未経験からの転職
法人営業は未経験からの転職も可能です。過去のキャリアのなかで交渉・折衝経験があれば、プラスの評価につながるでしょう。
個人営業からの転職も可能ですが、面接の場で「なぜ個人営業から法人営業へキャリアチェンジをしたいのか」という点や、入社後の意欲に関して質問されるかもしれません。準備しておきましょう。
経験者の転職
同じ業界の経験者であれば、当然即戦力として重宝されます。それまでの実績を具体的にアピールしましょう。また、マネジメント経験や豊富な人脈があれば、より評価されます。